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Symfoware Server V10.0.0 SQLリファレンス

4.13 FETCH文(動的FETCH文)

機能

動的カーソル宣言またはALLOCATE CURSOR文で指定したカーソルを次の行に位置づけ、その行から値を取り出します。

記述形式

構文の構成

参照項番

権限

一般規則

カーソル名または拡張カーソル名
  • カーソルの名前を指定します。

  • 動的カーソル宣言で定義したカーソルの値を取り出す場合は、カーソル名を指定します。

  • ALLOCATE CURSOR文で定義したカーソルの値を取り出す場合は、拡張カーソル名を指定し、拡張カーソル名の値にカーソルの名前を指定します。

  • 拡張カーソル名は、文字列型の埋込み変数で指定します。拡張カーソル名の値に空白を含む場合は、前後の空白を取り除いた値がカーソルの名前になります。

  • カーソル名を指定した場合、カーソル名は、同一コンパイル単位に含まれる動的カーソル宣言で定義されていることが必要です。

  • カーソル名と拡張カーソル名の値が同じでも、異なるカーソルとして区別されます。

USING
  • USING句にUSING引数を指定した場合、引数には相手指定を設定します。設定する内容については、“表4.1 取得(設定)識別子に設定される値”を参照してください。

    • 引数の順序は相手指定の順序に対応していることが必要です。

    • 引数の個数は相手指定の個数と同じであることが必要です。

    • 引数のデータ型は相手指定のデータ型と代入可能であることが必要です。

  • USING句にUSING記述子を指定した場合、記述子域には相手指定の情報を指定します。

    • 項目記述子域の順序は相手指定の順序に対応していることが必要です。

    • SQLDA構造体のメンバSQLTYPE、SQLLEN、SQLPRECISION.PRECISION、SQLSCALE、SQLNAME、SQLPRECISION.INTERVALまでの情報は、出力DESCRIBE文を実行することにより設定されているので、記述子域の内容を変更しない限り設定する必要はありません。ただし、日時型、時間隔型は文字列型に変更する必要があります。

    • SQL記述子域のTYPE、LENGTH、OCTET_LENGTH、PRECISION、SCALE、CHARACTER_SET_NAME、NAME、DATETIME_INTERVAL_CODE、DATETIME_INTERVAL_PRECISIONまでの情報は、出力DESCRIBE文を実行することにより設定されているので、記述子域の内容を変更しない限り設定する必要はありません。ただし、日時型、時間隔型は文字列型に変更する必要があります。

使用例

例1

SQLDA構造体を使用して、SQL文識別子CMDに対応する被準備文の選択リストの情報を取得します。なお、可変長文字型の展開規則は、“6.3 SQL埋込みCプログラム”を参照してください。

  #include "qdbnosis.h"
  
  EXEC SQL BEGIN DECLARE SECTION;
      VARCHAR CMDAREA[100];
      SQLDA *sqlda_out;
  EXEC SQL END DECLARE SECTION;
              :
  size = sizeof(SQLDA) + sizeof(sqlvar) * (50 - 1 );
  
  sqlda_out = (SQLDA *)malloc(size);                                         (1)
  memset( sqlda_out, 0x00, size );
  sqlda_out->SQLN = 50;
  
  EXEC SQL DECLARE CU1 CURSOR FOR CMD;                                           (2)
  strcpy(CMDAREA.sqlvar,"SELECT COL1,COL2,COL3 FROM S1.TBL WHERE COL4=38");  (3)
  CMDAREA.sqllen = strlen( CMDAREA.sqlvar );
  
  EXEC SQL PREPARE CMD FROM :CMDAREA;                                        (4)
  
  EXEC SQL DESCRIBE OUTPUT CMD USING SQL DESCRIPTOR :sqlda_out;              (5)
              :
    (SQLDA構造体に必要な情報を設定)
              :
  EXEC SQL OPEN CU1;                                                         (6)
  EXEC SQL FETCH CU1 INTO SQL DESCRIPTOR :sqlda_out;                         (7)
              :
  EXEC SQL CLOSE CU1;

(1) SQLDA構造体sqlda_outの領域を割り当てます。

(2) 動的カーソル宣言によりCU1のカーソルを宣言します。

(3) ホスト変数CMDAREAに動的SELECT文を設定します。

(4) ホスト変数CMDAREAが示すSQL文をSQL文識別子CMDに対応づけます。

(5) SQL文識別子CMDに対応する被準備文の選択リストの情報をSQLDA構造体sqlda_outに取り込みます。

(6) 動的OPEN文によりカーソルをオープンします。

(7) 動的FETCH文によりSQLDA構造体sqlda_outに実行結果を取り込みます。


例2

SQL記述子域を使用して、SQL文識別子CMDに対応する被準備文の選択リストの情報を取得します。なお、可変長文字型の展開規則は、“6.3 SQL埋込みCプログラム”を参照してください。

  EXEC SQL BEGIN DECLARE SECTION;
      VARCHAR CMDAREA[100];
  EXEC SQL END DECLARE SECTION;
                  :
  EXEC SQL ALLOCATE DESCRIPTOR 'DESC1' WITH MAX 50;                           (1)
  EXEC SQL DECLARE CU1 CURSOR FOR CMD;                                        (2)
  strcpy(CMDAREA.sqlvar,"SELECT COL1,COL2,COL3 FROM S1.TBL WHERE COL4 = 38"); (3)
  CMDAREA.sqllen = strlen(CMDAREA.sqlvar);
  EXEC SQL PREPARE CMD FROM :CMDAREA;                                         (4)
  EXEC SQL DESCRIBE OUTPUT CMD USING SQL DESCRIPTOR 'DESC1';                  (5)
                  :
    (SQL記述子域に必要な情報を設定)
                  :
  EXEC SQL OPEN CU1;                                                          (6)
  EXEC SQL FETCH CU1 INTO SQL DESCRIPTOR 'DESC1';                             (7)
                  :
  EXEC SQL CLOSE CU1;

(1) 記述子名DESC1のSQL記述子域を割り当てます。

(2) 動的カーソル宣言によりCU1のカーソルを宣言します。

(3) ホスト変数CMDAREAに動的SELECT文を設定します。

(4) ホスト変数CMDAREAが示すSQL文をSQL文識別子CMDに対応づけます。

(5) SQL文識別子CMDに対応する被準備文の選択リストの情報を記述子名DESC1のSQL記述子域に取り込みます。

(6) 動的OPEN文によりカーソルをオープンします。

(7) 動的FETCH文により記述子名DESC1のSQL記述子域に実行結果を取り込みます。

例3

拡張カーソル名を指定した場合の例を示します。なお、可変長文字型の展開規則は、“6.3 SQL埋込みCプログラム”を参照してください。

  EXEC SQL BEGIN DECLARE SECTION;
       CHAR CURVAR[4];
       CHAR CMDVAR[4];
       VARCHAR CMDAREA[100];
  EXEC SQL END DECLARE SECTION;
                  :
  EXEC SQL ALLOCATE DESCRIPTOR 'DESC1' WITH MAX 50;                         (1)
  strcpy(CURVAR,"CU1");                                                     (2)
  strcpy(CMDVAR,"CMD");                                                     (3)
  strcpy(CMDAREA.sqlvar,"SELECT COL1,COL2,COL3 FROM S1.TBL WHERE COL4 = 38");(4)
  CMDAREA.sqllen = strlen(CMDAREA.sqlvar);
  EXEC SQL PREPARE :CMDVAR FROM :CMDAREA;                                   (5)
  EXEC SQL ALLOCATE :CURVAR CURSOR FOR :CMDVAR;                             (6)
  EXEC SQL DESCRIBE OUTPUT :CMDVAR USING SQL DESCRIPTOR 'DESC1';            (7)
                  :
    (SQL記述子域に必要な情報を設定)
                  :
  EXEC SQL OPEN :CURVAR;                                                    (8)
  EXEC SQL FETCH :CURVAR INTO SQL DESCRIPTOR 'DESC1';                       (9)
                  :
  EXEC SQL CLOSE :CURVAR;                                                  (10)

(1) 記述子名DESC1のSQL記述子域を割り当てます。

(2) ホスト変数CURVARにカーソルの名前CU1を設定します。

(3) ホスト変数CMDVARに被準備文の名前CMDを設定します。

(4) ホスト変数CMDAREAに動的SELECT文を設定します。

(5) ホスト変数CMDAREAが示すSQL文を拡張SQL文識別子CMDVARの値CMDに対応づけます。

(6) 拡張カーソル名CURVARの値CU1と拡張SQL文識別子CMDVARの値CMDを対応づけます。

(7) 拡張SQL文識別子CMDVARの値CMDに対応する被準備文の選択リストの情報を記述子名DESC1のSQL記述子域に取り込みます。

(8) 動的OPEN文によりカーソルをオープンします。

(9) 動的FETCH文により記述子名DESC1のSQL記述子域に実行結果を取り込みます。

(10) 動的CLOSE文によりカーソルをクローズします。