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Interstage Application Server/Interstage Web Server J2EE ユーザーズガイド

1.5 Java Transaction Service(JTS)

Java Transaction Service(JTS)は、J2EEで規定されるJava Transaction API(JTA)を提供するトランザクションサービスです。
アプリケーション開発者はJTAを利用することにより、J2EEアプリケーション内で容易に分散トランザクションを制御することが可能となります。
JTSはデータベース連携サービスが提供する機能です。JTS/JTAを利用したアプリケーションを運用するには、データベース連携サービスが必要です。
データベース連携サービスは、OMGによって規定されたCORBAのOTS(ObjectTransactionService)規約とSunによって提唱されたJ2EEのJTS(JavaTransactionService)規約を含めたトランザクションサービスです。Interstageでは、J2EEアプリケーションから利用されるデータベース連携サービスを“JTS”として分類しています。


データベース連携サービスのJTSは分散トランザクション機能を提供します。
分散トランザクションには以下の2つのトランザクションが定義されています。

グローバルトランザクション

複数のJ2EEアプリケーション(EJBアプリケーションなど)を連携して一つのトランザクションとして扱うことが可能となります。
複数のリソース(データベース、JMSおよびConnectorで接続された企業情報システムなど)を連携する処理を一つのトランザクションとして扱うことが可能となります。リソース間の連携は2フェーズコミットプロトコルによって行われ、整合性が保障されます。JTSでは、トランザクション操作APIとしてJTA(Java Transaction API)を提供します。

ローカルトランザクション

ローカルトランザクションは一般的にリソースマネージャによって管理されます。
ローカルトランザクションの操作は、リソースマネージャから提供されるAPIを用いることによってアプリケーションから直接操作が可能です。


JTSは、以下のシステム構成でトランザクションサービスとして機能します。

J2EEアプリケーション

J2EEアプリケーションはアプリケーション開発者が実装する必要があります。

OTSシステム

データベース連携サービスのトランザクション管理基盤です。
JTSはOTSシステムを利用してトランザクションの管理を行います。
そのため、JTSを利用するにはデータベース連携サービスが必要になります。

リソース管理プログラム

リソースマネージャとトランザクション連携を行うためのシステムプログラムです。
J2EEで規定されるJDBCやConnectorなどのリソースインタフェースをサポートしています。

CORBAサービス

Interstageが提供する分散アプリケーション基盤です。
J2EEアプリケーションの運用やJTSを利用するためには、CORBAサービスが必要になります。