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Interstage Application Server/Interstage Web Server Java EE運用ガイド

3.7 EJBコンテナ時間監視機能

EJBコンテナでは、以下の時間監視機能が使用できます。

以下の表で、各機能の概要を説明します。

機能

機能説明

効果

IIOP接続の待機時間監視機能

IIOP通信によるクライアントからサーバへの接続処理のリトライ時間を監視します。監視時間を超過すると、クライアントに例外を返却します。

IJServerクラスタ未起動、ネットワーク切断、接続サーバ情報の誤りなどの異常を検知できます。

IIOP通信時のサーバメソッド復帰時間監視機能

IIOP通信によるクライアントからサーバに対する要求の送信に成功してから、サーバから要求が復帰するまでの時間を監視します。サーバから一定時間超過しても要求が復帰しない場合には、クライアントにタイムアウトを通知する例外が返却されます。

リクエスト送信後のネットワーク異常や、サーバ側の処理遅延やハングアップを検知できます。

IIOP通信ソケットの送受信待機時間監視機能

IIOP通信によるクライアントからのリクエスト受信(送信)中、またはサーバからのレスポンス受信(送信)中に一度にデータを受信(送信)できなかった場合、読み込み(書き込み)のリトライが行われます。リトライを実行しても受信(送信)できなかった場合には、クライアントに例外が返却されます。

電文読み込み(書き込み)中のネットワーク異常や処理遅延を検知して、処理を中断できます。

アプリケーションの最大処理時間監視機能

EJBアプリケーションのメソッド処理時間(サーバ処理時間)を監視します。メソッドが一定時間超過しても完了しない場合には、イベントログ/システムログに異常を通知するメッセージが出力されます。

システム管理者がEJBアプリケーションの処理遅延やハングアップが発生したことを検知できます。

Stateful Session Beanインスタンスの無通信時間監視機能

Stateful Session Beanに対して、一定時間経過してもビジネスメソッドが実行されなかった場合、コンテナは該当のインスタンスが持つ対話状態をファイルに保存(passivate)し、インスタンスを削除します。一定時間経過してからpassivateしたBeanをファイルシステムから削除します。

クライアントでRemove要求を発行し忘れている、不要なBeanインスタンスと対話状態が削除されるため、使用するメモリの最適化ができます。

EJBコンテナのトランザクション完了時間監視機能

EJBコンテナがトランザクション制御を行う場合、トランザクションの開始から完了するまでの時間を監視します。トランザクションが一定時間超過しても完了しない場合、トランザクションの状態を「MarkedRollback」に変更します(注)。

トランザクション中のハングアップや処理遅延が発生したことを検知できます。

プールされたBeanインスタンスのアイドル時間監視機能

プールされたBeanインスタンスが未使用(アイドル状態)となっている時間を監視します。プール内のBeanインスタンスが一定時間超過しても使用されなかった場合には、Beanインスタンスを削除します。

不要になった過度のインスタンスを破棄することによりメモリの最適化ができます。

プールされたスレッドのアイドル時間監視機能

プールされたスレッドが未使用(アイドル状態)となっている時間を監視します。プール内のスレッドが一定時間超過しても使用されなかった場合には、スレッドを削除します。

不要になった過度のスレッドを破棄することによりメモリやリソースの最適化ができます。

EJBタイマーサービス

EJBアプリケーション内でEJBタイマーを登録し、任意の時刻にコールバック処理を実行させることができます。

任意の監視対象を監視できます。

注) トランザクションの状態については、「3.12.6 トランザクションの監視と凍結機能」を参照してください。

時間監視の各機能の設定内容

時間監視の各機能の設定内容について以下に説明します。アプリケーションの最大処理時間監視機能については、「3.4.7 アプリケーション最大処理時間の監視」を参照してください。EJBタイマーサービスについては、他の時間監視機能と異なり、EJBアプリケーション内でタイマーを作成します。EJBタイマーサービスについては、「3.7.6 EJBタイマーサービス」を参照してください。また、プールされたBeanインスタンスのアイドル時間監視機能とプールされたスレッドのアイドル時間監視機能については、「7.7.3 Enterprise Beanインスタンスのプーリング」と「7.7.1 スレッドプーリング」を参照してください。