クラスタシステムとは、2 台以上のサーバマシンを 1 台の仮想サーバマシンとして運用することで、高可用性(High Availability)を実現するシステムです。
1台のサーバマシンでの運用では、サーバマシンや、その上で動作するサーバアプリケーションが停止した場合、再立ち上げが必要となるため、その間、運用が停止してしまいます。
クラスタシステムでは、2 台以上のサーバマシンを使用して、一方のサーバマシンやその上で動作しているアプリケーションにトラブルが発生した場合、そのマシン上で動作していたアプリケーションを他方のマシンで再起動することによって、業務をすぐに再開でき、業務の停止時間を短縮できます。このような異常が発生したサーバから正常なサーバへ業務の制御を切り替えることを「フェールオーバ」といいます。
なお、クラスタシステムでは、このような 2 台以上のサーバマシンを「クラスタ」、クラスタを構成するサーバマシンを「ノード」といいます。
クラスタは次のどれかに分類されます。
スタンバイクラス
業務を行う運用系のノードに対して、その業務を引き継ぐための待機を行う待機系のノードが存在するクラスタです。次の 4 つの形態があります。
1 : 1 運用待機型
1 台の運用系ノードと 1 台の待機系ノードからなるクラスタです。運用系ノードが業務を行い、待機系ノードがその待機を行います。
n : 1 運用待機型
n 台の運用系ノードと 1 台の待機系ノードからなるクラスタです。n 台の運用系ノードはそれぞれ別の業務を行い、これらとは別の待機系ノードがすべての運用系ノードの待機を行います。
相互待機型
2 台の運用系かつ待機系ノードからなるクラスタです。2 台のノードはそれぞれが別の業務を行い、同時に相手の業務の待機を行います。どちらかがダウンした場合は、残っている側のノードが両方の業務を行います。
カスケード型
3 台以上のノードからなるクラスタです。1 台のノードが運用系ノードになり、残りのノードが待機系ノードになります。
スケーラブルクラス
複数台のサーバマシンを用いて並列に作業を行うことにより、性能向上と故障発生時の縮退を目的としたクラスタです。スタンバイ型と異なり、運用系、または待機系という分け方はされません。クラスタ内の 1 台がダウンすると、残りのサーバに縮退して業務を継続します。
参照
詳細は、各OS版の『PRIMECLUSTER 導入運用手引書』を参照してください。