Interstage Application Server 運用ガイド(基本編)
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第3章 メンテナンス(資源のバックアップ/他サーバへの資源移行/ホスト情報の変更)> 3.4 メンテナンスの一括実行

3.4.2 バックアップ・リストア対象資源の定義方法

 バックアップ・リストア対象資源の定義方法を説明します。

 バックアップ・リストア対象資源については、バッチファイル(Windows (R))やシェルスクリプト(Linux)に直接定義します。
 バックアップ・リストア対象資源については、バックアップ・リストア対象定義ファイルに定義します。バックアップ・リストア対象定義ファイルは、任意の名前で作成できます。
 サンプルは以下にあります。

 /opt/FJSVisas/sample/backup_restore/sample.def

 定義内容の詳細については、“資源のバックアップとリストア”や“他サーバへの資源移行”を参照してください。

■記述形式

 バッチファイルの中に、1行に1項目の定義を記述します。

rem [セクション名]
set 定義名 = 定義値

 定義ファイルの中に、1行に1項目の定義を記述します。

[セクション名]
定義名 = 定義値

 シェルスクリプトの中に、1行に1項目の定義を記述します。

# [セクション名]
set 定義名 = 定義値

■定義項目一覧

 バックアップ・リストア対象の項目を、以下に示します。

◆定義項目

セクション名

定義名

定義値の説明

Common

host

移入時に、移入先ホスト名を指定します。
[ISCOM]セクションのsourceと同時に指定することはできません。

system (*1)

拡張システムを操作する場合にシステム名を指定します。省略値は、デフォルトシステムです。

path

資源の退避先ディレクトリを指定します。

target_server

リストア・移入時に、以下から指定します。
 current:リストア
 others :移入

ISCOM

target

操作対象とするかを指定します。
 on :操作対象とする
 off:操作対象としない

source (*1)

リストア・移入時に、リストア定義ファイルを指定します。
リストア時は省略可、移入時は必須です。ただし、[Common]セクションのhostを指定するときは、指定不要です(指定できません)。

GUI

target

操作対象とするかを指定します。
 on :操作対象とする
 off:操作対象としない

JMX

target

操作対象とするかを指定します。
 on :操作対象とする
 off:操作対象としない

ipaddress

移入時にInterstage JMXサービスで使用するIPアドレスを変換する必要がある場合に、IPアドレスを指定します。 (注4)
以下のような場合に指定してください。本項目が指定されなかった場合、IPアドレスの編集は行われません。

  • 資源をバックアップしたサーバで、isjmx.xmlにIPアドレスの指定を行っていた場合
  • 資源をリストアするサーバが複数のIPアドレスを持っており、管理LANのIPアドレスと業務LANのIPアドレスに、別のIPアドレスを指定している場合

jmx_userrep

Interstage JMXサービスのユーザリポジトリ定義をリストア対象とするかを指定します。 (注4)
 on :リストアする(デフォルト)
 off:リストアしない

siteinfo

サイトの移行を行う場合には、“on”を設定します。通常は“off”を設定してください。

OD

target

操作対象とするかを指定します。
 on :操作対象とする
 off:操作対象としない

port(*2)

移入時に、CORBA通信に使用するポート番号を指定します。

db_path(*2)

移入時に、インタフェースリポジトリで使用するデータベースのディレクトリを指定します。
[Common]セクションのhostパラメタが設定されている場合に有効です。[Common]セクションのhostパラメタが設定されていない場合、または指定が省略された場合は、Interstage動作環境定義の"IR path for DB file"パラメタが使用されます。

ES

target

操作対象とするかを指定します。
 on :操作対象とする
 off:操作対象としない

PORB

target

操作対象とするかを指定します。
 on :操作対象とする
 off:操作対象としない

TD

target

操作対象とするかを指定します。
 on :操作対象とする
 off:操作対象としない

OTS

target

操作対象とするかを指定します。
 on :操作対象とする
 off:操作対象としない

IJServer

target

操作対象とするかを指定します。
 on :操作対象とする
 off:操作対象としない

ijserver_host_table

以下の場合の移入時に、変更前と変更後のIPアドレスを記述したファイル名(絶対パス)を指定します。 (注3)

  • スタンドアロンサーバである場合、かつ
  • IJServerとWebサーバを分離して運用している場合、かつ
  • 移入元と移入先で、ServletコンテナやWebサーバのIPアドレスが異なる場合

SOAP

target

操作対象とするかを指定します。
 on :操作対象とする
 off:操作対象としない

source

バックアップ時は、Webサービス情報管理ファイルやセキュリティ環境設定等、バックアップ対象のファイルやディレクトリを指定します。
リストア時は、バックアップ時と同じファイルやディレクトリを指定します。
複数指定できます。 (注1)

JMS

target

操作対象とするかを指定します。
 on :操作対象とする
 off:操作対象としない
注) バックアップ・リストアを実行するためには、CLASSPATHに下記のパスが指定されている必要があります。
CLASSPATH=/opt/FJSVj2ee/lib/isj2ee.jar:/opt/FJSVjms/lib/fjmsprovider.jar

J2EE

target

操作対象とするかを指定します。
 on :操作対象とする
 off:操作対象としない
注) 内部処理においてjarコマンドを使用しているため、jarコマンドが格納されているディレクトリが環境変数PATHに含まれている必要があります。

IHS

target

操作対象とするかを指定します。
 on :操作対象とする
 off:操作対象としない
注) Interstage管理コンソールを使用してSSL定義を設定した場合は、[ISSCS]セクションをバックアップ・リストア対象とする必要があります。

from_v6

on または off
メンテナンスの一括実行のシェルスクリプトを使用してバックアップ・移出したV5.1/V6.0資源を、V7.0以降の環境にリストア・移入する場合に、onを指定します。

option

操作対象資源を、以下から指定します。
 1:環境定義情報
 2:環境定義情報およびパスワードファイル
 3:環境定義情報、パスワードファイル、およびDocumentRootディレクティブで指定したディレクトリ配下
3は、from_v6がoffの場合に有効です。

ihs_host_table

移入時に、ホスト名/IPアドレスを変更する必要がある場合、変更前と変更後のホスト名/IPアドレスを記述したファイル名を指定します。
from_v6がoffの場合に有効です。(注2)

passwd_source

V5.1/V6.0資源のリストア・移入時に、V5.1/V6.0資源のバックアップ・移出時に指定したパスワードファイルのファイル名を指定します。
from_v6がon、かつoptionが2の場合に有効です。

passwd_target

V5.1/V6.0資源のリストア・移入時に、パスワードファイルのリストア・移入先のディレクトリを指定します。
from_v6がon、かつoptionが2の場合に有効です。

UDDI (*1)

target

操作対象とするかを指定します。
 on :操作対象とする
 off:操作対象としない

dsa_dir

バックアップ時は、DSAの格納先ディレクトリを指定します。
リストア時は、バックアップ時と同じディレクトリを指定します。指定したディレクトリが存在する場合には、リストアを実行する前に削除する必要があります。
定義されている場合のみDSAのバックアップ・リストアを行います。

SSOsv

target

操作対象とするかを指定します。
 on :操作対象とする
 off:操作対象としない

SSOac

target

操作対象とするかを指定します。
 on :操作対象とする
 off:操作対象としない

SSOaz

target

操作対象とするかを指定します。
 on :操作対象とする
 off:操作対象としない

ISSCS

target

操作対象とするかを指定します。
 on :操作対象とする
 off:操作対象としない

option

操作対象資源を、以下から指定します。
 1:SSL定義ファイル
 2:Interstage証明書環境の資源(SSL定義ファイルと、証明書環境のファイル)
注)移入のときに有効です。必ず“Interstage証明書環境資源の移入”を参照して選択してください。

IREP

IREP_TARGET

操作対象とするかを指定します。
 on :操作対象とする
 off:操作対象としない

ISCM

ISCM_TARGET

操作対象とするかを指定します。
 on :操作対象とする
 off:操作対象としない

TRFDIR (*1)

target

操作対象とするかを指定します。
 on :操作対象とする
 off:操作対象としない

ipaddress

移入時に負荷計測エージェントで使用するIPアドレスを変更する必要がある場合にIPアドレスを指定します。 (注5)

 *1) Interstage Application Server Enterprise Editionのみ
 *2) Interstage Application Server Standard-J Edition、Enterprise Editionのみ

注1)

セクション[SOAP]では、sourceに、複数のファイルまたはディレクトリを空白で区切って指定できます。
-------------------------------------------------------------------------------
  [SOAP]
    target = on
    source = /opt/FJSVsoap/deplay  /opt/FJSVsoap/deplay/file.db
-------------------------------------------------------------------------------

注2)

セクション[IHS]では、移入時にホスト名/IPアドレスを変更する必要がある場合、ihs_host_tableに、変更前と変更後のホスト名/IPアドレスを記述したファイル名を指定します。
-------------------------------------------------------------------------------
  [IHS]
  target = on
  from_v6 = off
  option = 1
  ihs_host_table = /usr/work/host_table.txt
-------------------------------------------------------------------------------
 なお、host_table.txtは、以下のように記述します。
 (変換前のIPアドレス) > (変換後のIPアドレス)
 (変換前のホスト名) > (変換後のホスト名)
 −コメント行には、各行の先頭にハッシュマーク(#)を記述します。
 −半角スペース、タブは、無視します。
 例)ホスト名およびIPアドレスを以下のように変換する場合
 −変換前:IPアドレス“192.168.0.1”、変換後:IPアドレス“192.168.0.3”
 −変換前:IPアドレス“192.168.0.2”、変換後:IPアドレス“192.168.0.4”
 −変換前:ホスト名“www.fujitsu.com”、変換後:ホスト名“www.interstage.com”
 −変換前:ホスト名“host1.fujitsu.com”、変換後:ホスト名“host2.fujitsu.com”
-------------------------------------------------------------------------------
### Host IP conversion table ###

# IP address conversion definition
  192.168.0.1 > 192.168.0.3
  192.168.0.2 > 192.168.0.4

# Host name conversion definition
  www.fujitsu.com > www.interstage.com
  host1.fujitsu.com > host2.fujitsu.com
-------------------------------------------------------------------------------

注3)

セクション[IJServer]では、以下の場合の移入時に、ijserver_host_tableに変更前と変更後のIPアドレスを記述したファイル名(絶対パス)を指定します。
なお、変換対象のIPアドレスはInterstage管理コンソールの以下の項目です。
セションリカバリ機能使用時、Interstage管理コンソールの以下の項目はIPアドレスの変換対象になりませんので、必要に応じて値を更新してください。
-------------------------------------------------------------------------------
  [IJServer]
  target = on
  ijserver_host_table = /usr/work/host_table.txt
-------------------------------------------------------------------------------
 host_table.txtは、以下のように記述します。
-------------------------------------------------------------------------------
(変換前のIPアドレス) > (変換後のIPアドレス) [(IJServerワークユニット名)]
               :
-------------------------------------------------------------------------------
 変換前のIPアドレス:移入元の環境でのServletコンテナやWebサーバのIPアドレスを指定します。
 変換後のIPアドレス:移入後の環境でのServletコンテナやWebサーバのIPアドレスを指定します。
 IJServerワークユニット名:特定のIJServerに対してのみIPアドレスを変換する場合に、対象とするIJServerワークユニット名を指定します。省略した場合にはすべてのIJServerに対してIPアドレスの変換を行います。
 例)IPアドレスを以下のように変換する場合
 −変換前:IPアドレス“192.168.0.1”、変換後:IPアドレス“192.168.0.3”
 −変換前:IPアドレス“192.168.0.2”、変換後:IPアドレス“192.168.0.4”、変換対象IJServer:“IJServer01”
-------------------------------------------------------------------------------
192.168.0.1 > 192.168.0.3
192.168.0.2 > 192.168.0.4 IJServer01
-------------------------------------------------------------------------------

注4)

セクション[JMX]では、移入時にInterstage JMXサービスのIPアドレスを変更する必要がある場合、ipaddressに、変更後のIPアドレスを指定します。
-------------------------------------------------------------------------------
[JMX]
target = on
ipaddress = 192.168.0.1    # Host IP address
-------------------------------------------------------------------------------
 jmx_userrep定義の記述例です。
-------------------------------------------------------------------------------
[JMX]
JMX_USERREP = off
-------------------------------------------------------------------------------

注5)

セクション[TRFDIR]では、移入時に負荷計測エージェントの使用するIPアドレスを変更する必要がある場合、ipaddressに、変更後のIPアドレスを指定します。
-------------------------------------------------------------------------------
[TRFDIR]
target = on
ipaddress = 192.168.0.1    # Host IP address
-------------------------------------------------------------------------------

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