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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 14.1 運用手引書

A.3.3 シェルスクリプトのカスタマイズ

リストアの前後処理のシェルスクリプトについて、カスタマイズ方法を以下に説明します。

ボリュームグループをリストアする場合

ファイルシステムが構築された論理ボリュームを含むボリュームグループがリストア対象の場合は、前後処理のシェルスクリプトを修正する必要があります。

シェルスクリプトを修正後、前処理のシェルスクリプト(OpcRestore.pre)の130行目のexit文をコメント(“#”)化してください。

注意

  • カスタマイズをしていない状態では、ボリュームグループに対する前処理はエラーとなります。

  • 業務ボリュームがボリュームグループの場合は、リストア後処理において、業務ボリュームをLVMとして使用可能にするためにvgcfgrestoreコマンドによってボリュームグループ構成情報のリストアを実施しています。記載のシェルスクリプトでは、標準のバックアップファイル「/etc/lvmconf/“ボリュームグループ名”.conf」からボリューム構成情報のリストアを行っています。ボリュームグループ構成情報が別ファイルにバックアップされている場合は、シェルスクリプトをカスタマイズしてください。

  • クラスタ運用している場合は、クラスタを構成する各ノードにボリュームグループ構成情報が存在している必要があります。

  • mountコマンドやfsckコマンドなどのOSコマンドのパラメーターやオプションなどは運用に合わせて、適宜修正してください。

  • 共有モードのボリュームグループの場合

    共有モードのボリュームグループの再構成は、後処理のシェルスクリプト(OpcRestore.post)の96-127、133、134および138をコメント化して、後処理のシェルスクリプトではボリュームグループの再構成を実施しないようにしてください。

    リストア実行後に手動で以下の操作を行い、ボリュームグループの再構成を行ってください。

    1. ボリュームグループの停止(業務を構成している全ノードで実行します)

      # /usr/sbin/vgchange -a n <vg_name>
      #
    2. ボリュームグループ構成情報のリストア(ボリュームグループを作成したノードで実行します)

      # /usr/sbin/vgcfgrestore -n <vg_name> <pv_path>
      #
    3. 共有可能なボリュームグループのマーク(ボリュームグループを作成したノードで実行します)

      # /usr/sbin/vgchange -S y -c y <vg_name>
      #
    4. ボリュームグループの起動(業務を構成している全ノードで実行します)

      # /usr/sbin/vgchange -a s <vg_name>
      #

ファイルシステム名

リストア実行時の後処理のシェルスクリプト(OpcRestore.post)の205行目のファイルシステム名は、運用に合わせて適宜修正してください。

VERITAS Cluster Serverでクラスタ運用する場合

VERITAS Cluster Serverでクラスタ運用を行う場合で、業務ボリュームのマウントポイントがクラスタ業務に登録されている場合は、前後処理のカスタマイズが必要となります。

前後処理のシェルスクリプト内のマウント/アンマウント処理を、マウントポイントリソースのオフライン/オンライン処理に変更してください。

また、マウントポイントリソースのオフライン/オンラインを行ってから、実際にボリュームがアンマウント/マウントされるまでに時間差があります。そのため実際にアンマウント/マウントされるまで待ち合わせる処理(sleepやdfコマンドの結果を監視するなど)をオフライン/オンラインの成否を判定する個所の後に追加してください。

以下に前後処理のシェルスクリプトの変更例を示します

[例] リストア前処理のシェルスクリプト(OpcRestore.pre)のアンマウント処理変更

[80、89、139、148行目]

(変更前)

/usr/sbin/umount $mount_point

(変更後)

/opt/VRTSvcs/bin/hares -offline リソース名 -sys システム名

[例] リストア前処理のシェルスクリプト(OpcRestore.pre)のアンマウント待ち処理追加

[110、169行目]

(追加)

while /usr/bin/df -l "$device">/dev/null 2>&1; do :; done

[例] リストア後処理のシェルスクリプト(OpcRestore.post)のマウント処理変更

[152、156、158、171、175、177、223、232行目]

(変更前)

/usr/sbin/mount $device $mount_point
/usr/sbin/mount -F $fs $device $mount_point
/usr/sbin/mount -F $fs $lvname $lv_mount_point

(変更後)

/opt/VRTSvcs/bin/hares -online リソース名 -sys システム名

[例] リストア後処理のシェルスクリプト(OpcRestore.post)のマウント待ち処理追加

[197、251行目]

(追加)

while ! /usr/bin/df -l "$device">/dev/null 2>&1; do :; done