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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 14.1 運用手引書

7.8.2 物理ディスク単位のレプリケーション運用

ボリュームグループの構成が、ボリュームグループ単位での運用条件を満たしていない場合は、物理ディスク単位で操作することによりレプリケーション運用を行うことができます。

物理ディスク単位に運用する場合は、ボリュームグループとしての整合性を保つ必要があることから、ボリュームグループ内のすべての物理ディスクで、同期をとって操作しなければなりません。

ポイント

同期を取る必要がある物理ボリュームを確認する方法については、「9.3.10 stgxfwcmdispdev(デバイス情報表示コマンド)」または『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager GUI使用手引書』の「同一のコピー領域を使用するデバイスの表示」を参照してください。

注意

クラスタ構成で運用する場合、クラスタを構成する全てのサーバにおいて、ボリュームグループを構成する物理ディスクのデバイス名(/dev/(r)dsk/c#t#d#)が同じであり、デバイス名が指すETERNUS ディスクアレイのディスクも同じである必要があります。

図7.52 物理ディスク単位の運用を行う構成の例

7.8.2.1 運用設計

複製元ボリュームがボリュームグループの場合、複製作成後に複製先ボリュームを使用するためには、複製先ボリュームは複製元ボリュームと同一の論理ボリューム構成かつ同一の物理ディスクサイズのボリュームグループである必要があります

図7.53 複製元ボリュームと複製先ボリューム

7.8.2.2 事前準備

7.8.2.2.1 ボリュームグループ構成情報ファイルの退避

レプリケーションの後処理として、ボリュームグループ構成情報ファイルのリストアを行う必要があります。ボリュームグループ構成情報ファイルが退避されていることを確認してください。通常は、以下のファイルに退避されています。

/etc/lvmconf/<ボリュームグループ名>.conf
7.8.2.2.2 複製元ボリューム/複製先ボリュームの設定

複製元ボリューム/複製先ボリュームを設定する際は、ボリュームグループ内のすべての物理ディスクを設定します。

[例]

# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpsetvol /dev/dsk/c1t0d10 /dev/dsk/c1t0d20
swsrpsetvol completed
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpsetvol /dev/dsk/c1t0d11 /dev/dsk/c1t0d21
swsrpsetvol completed
#

7.8.2.3 物理ディスク単位のレプリケーションの実行

ボリュームグループ内のすべての物理ディスクで、同期をとって操作します。

必要な前後処理は、レプリケーションの操作を行う前後にボリュームグループ単位で実施し、各物理ディスクを操作する際には、前後処理を動作させないようにします。

[スナップショット型レプリケーションの例]

(複写元/複写先に対する前処理を行う)

# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -f -t /dev/dsk/c1t0d10 /dev/dsk/c1t0d20
FROM=/dev/dsk/c1t0d10@SV1, TO=/dev/dsk/c1t0d20@SV1 swsrpmake completed
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -f -t /dev/dsk/c1t0d11 /dev/dsk/c1t0d21
FROM=/dev/dsk/c1t0d11@SV1, TO=/dev/dsk/c1t0d21@SV1 swsrpmake completed
#

(複写元/複写先に対する後処理を行う)

[同期型レプリケーションの例]

(複写先に対する前処理を行う)

# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync -t /dev/dsk/c1t0d10 /dev/dsk/c1t0d20
FROM=/dev/dsk/c1t0d10@SV1, TO=/dev/dsk/c1t0d20@SV1 swsrpstartsync completed
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync -t /dev/dsk/c1t0d11 /dev/dsk/c1t0d21
FROM=/dev/dsk/c1t0d11@SV1, TO=/dev/dsk/c1t0d21@SV1 swsrpstartsync completed

(等価性維持状態後)

(複写元に対する前処理を行う)

# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -f -t /dev/dsk/c1t0d10 /dev/dsk/c1t0d20
FROM=/dev/dsk/c1t0d10@SV1, TO=/dev/dsk/c1t0d20@SV1 swsrpmake completed
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -f -t /dev/dsk/c1t0d11 /dev/dsk/c1t0d21
FROM=/dev/dsk/c1t0d11@SV1, TO=/dev/dsk/c1t0d21@SV1 swsrpmake completed
#

(複写元/複写先に対する後処理を行う)

レプリケーションの前後で実施する前後処理は以下。

表7.6 レプリケーションの前後処理

  

前処理

後処理

複写元

  1. ボリュームグループ内のすべての論理ボリュームへのアクセスを停止し、データの整合性を確保します。

  2. ファイルシステムが含まれる場合は、ボリュームグループ内のすべてのファイルシステムをアンマウントします。

ファイルシステムが含まれる場合は、前処理でアンマウントしたボリュームをマウントします。

複写先

  1. ボリュームグループ内のすべての論理ボリュームへのアクセスを停止します。

  2. ファイルシステムが含まれる場合は、ボリュームグループ内のすべてのファイルシステムをアンマウントします。

  1. ボリュームグループを再構成します。

  2. ファイルシステムが含まれる場合は、前処理でアンマウントしたボリュームをマウントします。

ボリュームグループの再構成

ボリュームグループの再構成は、以下の手順で行います。

  1. ボリュームグループの停止

    # /usr/sbin/vgchange -a n /dev/vg02
    #
  2. ボリュームグループ構成情報のリストア

    # /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg02 /dev/rdsk/c1t0d20
    # /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg02 /dev/rdsk/c1t0d21
    #
  3. ボリュームグループの起動

    [クラスタ運用している場合]
    # /usr/sbin/vgchange -c y /dev/vg02
    # /usr/sbin/vgchange -a e /dev/vg02
    
    [クラスタ運用していない場合]
    # /usr/sbin/vgchange -a y /dev/vg02
    #

共有モードのボリュームグループの再構成は、以下の手順で行います。

  1. ボリュームグループの停止(業務を構成している全ノードで実行します)

    # /usr/sbin/vgchange -a n /dev/vg02
    #
  2. ボリュームグループ構成情報のリストア(ボリュームグループを作成したノードで実行します)

    # /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg02 /dev/rdsk/c1t0d20
    # /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg02 /dev/rdsk/c1t0d21
    #
  3. 共有可能なボリュームグループのマーク(ボリュームグループを作成したノードで実行します)

    # /usr/sbin/vgchange -S y -c y /dev/vg02
    #
  4. ボリュームグループの起動(業務を構成している全ノードで実行します)

    # /usr/sbin/vgchange -a s /dev/vg02
    #