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ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 14.1 運用手引書

A.2 バックアップの前後処理

AdvancedCopy Managerでのバックアップは、基本的に業務ボリュームが他のプロセスからアクセスできない状態で処理を行う必要があります。

そのため、通常、前処理では、業務ボリュームをロックします。また、12.2.2.1 swstbackup(バックアップ実行コマンド)にXflushオプションを指定する、あるいは、バックアップ用業務ボリュームロック動作指定ファイルのBufferFlushOnlyをonに設定することで、ロックを実施せずにファイルシステムバッファのフラッシュを実施することもできます。

また、前処理ではバックアップボリュームもロックされます。バックアップボリュームのロックはバックアップ同期処理開始、または、スナップショット処理開始で実施され、バックアップ後処理で解除されます。

通常バックアップ運用の場合

同期処理開始前処理

(バックアップ同期処理開始コマンド内で実施される)

[デフォルト動作]

バックアップボリュームをロックします。

同期処理開始後処理

(クラスタシステム運用の場合、バックアップ同期処理開始コマンド内で実施される)

[デフォルト動作]

バックアップボリュームのマウントを解除します。

バックアップボリュームのロックを解除します。

バックアップ前処理

(バックアップ実行コマンド内で実施される)

[デフォルト動作]

スナップショット型バックアップの場合、または、クラスタシステム運用の同期型バックアップの場合、バックアップボリュームをロックします。

業務ボリュームをロックします

[Xflushオプション指定またはBufferFlushOnly=onの場合]

スナップショット型バックアップの場合、または、クラスタシステム運用の同期型バックアップの場合、バックアップボリュームをロックします。

業務ボリュームのファイルシステムバッファをフラッシュします

バックアップ後処理

(バックアップ実行コマンド内で実施される)

[デフォルト動作]

業務ボリュームのロックを解除します。

バックアップボリュームのマウントを解除します。

バックアップボリュームのロックを解除します

[Xflushオプション指定またはBufferFlushOnly=onの場合]

バックアップボリュームのマウントを解除します。

バックアップボリュームのロックを解除します

Symfoware連携バックアップ運用の場合

同期処理開始処理

バックアップボリュームをロックします。

同期処理開始後処理

[クラスタシステム運用の場合]

  1. バックアップボリュームのマウントを解除します。

  2. バックアップボリュームのロックを解除します。

[非クラスタシステム運用の場合]
処理なし

バックアップ前処理

[スナップショット型バックアップの場合]

  1. バックアップボリュームをロックします。

  2. 業務ボリュームのファイルシステムバッファをフラッシュします。

[同期型バックアップの場合]

  • クラスタシステム運用の場合

    1. バックアップボリュームをロックします。

    2. 業務ボリュームのファイルシステムバッファをフラッシュします。

  • 非クラスタシステム運用の場合
    業務ボリュームのファイルシステムバッファをフラッシュします。

Xflushオプション指定の有無、またはBufferFlushOnlyの値に関係なく、業務ボリュームのファイルシステムバッファをフラッシュします。

バックアップ後処理

  1. バックアップボリュームのマウントを解除します。

  2. バックアップボリュームのロックを解除します。

ユーザー固有の処理を前後処理に追加する必要がある場合は、バックアップ前後処理スクリプトに処理を追加してください。

これらのスクリプトはJScript言語で記述されており、Windows Scripting Host(WSH)上で実行されます。

スクリプトをカスタマイズする場合、エラーコードは以下の規約に従ってください。

表A.1 エラーコードの規約

エラーコード

用途

0-99

使用不可(AdvancedCopy Managerが予約)

100-255

使用可能

注意

後処理に失敗した場合は、資源情報の整合性が不完全になっている可能性がありますので、「12.2.3.1 swstsrsemtch(資源整合コマンド)」を実施してください。

以下に前後処理の動作イメージを示します。

図A.1 同期型バックアップ時の処理方法