[問題発生箇所]
NAT変換(プライベートアドレスとグローバルアドレスの変換をルータなどの機器で実現)を実施されている場合、データコネクション確立処理に失敗する可能性があります。これは、制御コネクション上に流通するFTPプロトコル電文をNAT変換機器が正しくNAT変換しない場合、問題となります。
FTPプロトコル電文として、PORTコマンドまたはPASVコマンド電文でIPアドレス情報が流通します。NAT変換機器で「FTP転送を許可」とした場合、NAT変換機器は応答側制御コネクションポート番号が「21」の時のみFTPプロトコル電文上のIPアドレスをNAT変換します。Information Integratorサーバの応答側制御コネクションポート番号の標準は、「9464」のため、PORTコマンドまたはPASVコマンド電文のIPアドレスがNAT変換されず、データコネクション確立処理が失敗します。
[対処]
NAT変換機器において、応答側制御コネクションポート番号が「21」以外の場合でもNAT変換可能なように設定してください。なお、NAT変換機器により設定方法は異なりますので、NAT変換機器の設定方法を確認してください。「21」以外の場合、NAT変換できない機器がありますので、ご注意してください。
また、応答側制御コネクションポート番号を標準FTPと同じ「21」で設定することでNAT変換の問題を解決することができます。変更手順を以下に説明します。なお、「21」に変更する場合のデメリットとしては、標準FTPサーバとInformation Integratorサーバとの共存ができなくなることです。
起動側システムの設定
相手側ポート番号に「21」を設定します。
Information Integratorサーバの場合:データソース定義シートの「ポート番号」に「21」を指定します。
グローバルサーバ/PRIMEFORCEの場合:ネットワーク定義の該当するKGFGNPTH定義命令のportオペランドに「21」を指定します。
デザインシートを登録します。
Information Integratorサーバの場合:デザインシートを登録します。
グローバルサーバ/PRIMEFORCEの場合:定義作成JCLを実行します。
応答側システムの設定
servicesファイルの設定を変更します。
変更前:
ftp 21/tcp ifitrnf 9464/tcp |
変更後:
#ftp 21/tcp #コメント行にします #ifitrnf 9464/tcp #9464情報を退避し、 ifitrnf 21/tcp #21 へ変更します |
標準FTPサーバを停止します。
動作環境ファイルの「dport」に「20」を設定します。動作環境ファイルについては、“セットアップガイド”を参照してください。
Information Integratorサーバを再起動します。Information Integratorサーバの再起動方法については、“セットアップガイド”を参照してください。