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Interstage Information IntegratorV10.0.0 システム設計ガイド

D.2.2 NAT変換

[問題発生箇所]

NAT変換(プライベートアドレスとグローバルアドレスの変換をルータなどの機器で実現)を実施されている場合、データコネクション確立処理に失敗する可能性があります。これは、制御コネクション上に流通するFTPプロトコル電文をNAT変換機器が正しくNAT変換しない場合、問題となります。

FTPプロトコル電文として、PORTコマンドまたはPASVコマンド電文でIPアドレス情報が流通します。NAT変換機器で「FTP転送を許可」とした場合、NAT変換機器は応答側制御コネクションポート番号が「21」の時のみFTPプロトコル電文上のIPアドレスをNAT変換します。Information Integratorサーバの応答側制御コネクションポート番号の標準は、「9464」のため、PORTコマンドまたはPASVコマンド電文のIPアドレスがNAT変換されず、データコネクション確立処理が失敗します。

[対処]

NAT変換機器において、応答側制御コネクションポート番号が「21」以外の場合でもNAT変換可能なように設定してください。なお、NAT変換機器により設定方法は異なりますので、NAT変換機器の設定方法を確認してください。「21」以外の場合、NAT変換できない機器がありますので、ご注意してください。

また、応答側制御コネクションポート番号を標準FTPと同じ「21」で設定することでNAT変換の問題を解決することができます。変更手順を以下に説明します。なお、「21」に変更する場合のデメリットとしては、標準FTPサーバとInformation Integratorサーバとの共存ができなくなることです。

起動側システムの設定

  1. 相手側ポート番号に「21」を設定します。

    • Information Integratorサーバの場合:データソース定義シートの「ポート番号」に「21」を指定します。

    • グローバルサーバ/PRIMEFORCEの場合:ネットワーク定義の該当するKGFGNPTH定義命令のportオペランドに「21」を指定します。

  2. デザインシートを登録します。

    • Information Integratorサーバの場合:デザインシートを登録します。

    • グローバルサーバ/PRIMEFORCEの場合:定義作成JCLを実行します。

応答側システムの設定

  1. servicesファイルの設定を変更します。

    変更前:

    ftp          21/tcp
    ifitrnf      9464/tcp

    変更後:

    #ftp            21/tcp    #コメント行にします
    #ifitrnf        9464/tcp    #9464情報を退避し、
    ifitrnf         21/tcp     #21 へ変更します
  2. 標準FTPサーバを停止します。

  3. 動作環境ファイルの「dport」に「20」を設定します。動作環境ファイルについては、“セットアップガイド”を参照してください。

  4. Information Integratorサーバを再起動します。Information Integratorサーバの再起動方法については、“セットアップガイド”を参照してください。