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Interstage Information IntegratorV10.0.0 システム設計ガイド

4.2.1 ファイル送受信で扱える通信プロトコル

ファイル送受信(ファイル受信、ファイル送信)で扱える通信プロトコルを以下の表に示します。相手側システムの環境に合わせて、利用するプロトコルを選択してください。

表4.1 ファイル送受信で扱える通信プロトコルの種類

通信プロトコル(※1)

説明

TCP/IP

FTP+

標準FTPにファイルの送信、受信確認などを拡張した富士通独自の通信プロトコルです。

以下の特長があります。

  • 標準FTPでの信頼性問題を解決、高信頼性プロトコル

  • 拡張機能をサポート、データ転送機能に付加価値

本プロトコルを利用する場合、相手側システムにLinkexpressが必要です。

相手側システムにLinkexpressが導入されている場合は、本プロトコルの利用を推奨します。

FTP

TCP/IPのファイル通信プロトコルです。

相手側システムにLinkexpressが導入されていない場合、利用してください。

FTPM

相手側システムがASPの場合に利用する富士通独自の通信プロトコルです。

本プロトコルを利用する場合は、相手側システムに、DTSが必要です。

HTTP

TCP/IPのハイパーテキスト通信プロトコルです。

システムのセキュリティポリシーにより、FTP+/FTPプロトコルを使用できない場合に本プロトコルを利用します。DMZゾーンとイントラネット間のファイル転送などで利用してください。

本プロトコルを利用する場合、収集元システムに、Linkexpressが必要です。なお、本プロトコルを利用する場合は、収集元システム、配付先システムの両方にLinkexpressの導入を推奨します。

HICS(FNA)

富士通独自の通信プロトコルFNAのファイル通信プロトコルです。

FNA3手順の1次側をサポートしているグローバルサーバ/PRIMEFORCE、およびASPと、FNA接続する場合に利用します。

SAN

ディスクアレイ装置を利用したSAN環境上で使用する富士通独自のファイル通信プロトコルです。

LANを利用しないため、大容量ファイル転送、およびセキュリティ保持に優れます。

本プロトコルを利用する場合、相手側システムに、Linkexpressが必要です。

HULFT

相手側システムがHULFTの場合のファイル通信プロトコルです。

※1:利用するプロトコルによって、使用できる機能が異なります。プロトコルごとの機能範囲については、“A.1 通信プロトコルごとの利用可能機能一覧”を参照してください。


注意

Linuxでは、HICS(FNA)、SANは、利用できません。


なお、すべての転送プロトコルは、冗送設計となっています。冗送設計とは、ファイル送受信の起動側システム(ファイル送受信の要求側)と応答側システムで正常/異常の判断が異なる場合、起動側システムで異常を検知します。起動側システムで異常を検知した場合、ファイル送受信のリトライ処理が可能となり、応答側システムでは二重(冗送)でデータを受信することがあります。

このため、冗送が発生することを考慮して、システム運用の設計を行ってください。

ただし、FTPプロトコルを除くその他のプロトコルでは、最終応答電文の通知に失敗した場合のみ冗送が発生します。最終応答電文の通知失敗は非常に稀なタイミングです。