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 Apcoordinatorユーザーズガイド

20.2.1 Flashの作成

Flash連携機能では、Flashが提供するActionScriptのうち、LoadVarsオブジェクトおよびXMLオブジェクトによる通信をサポートしています。

ActionScriptとはFlashが提供するスクリプト言語で、ムービーの制御やサーバアプリケーションとの通信が可能です。

ActionScriptはボタンのクリックや、キーの入力などのイベントによって動作が開始します。

ActionScriptの詳細はFlash MXのマニュアルを参照してください。

以下ではLoadVarsオブジェクトおよびXMLオブジェクトを利用したFlashの作成方法について説明します。

LoadVarsを使用する場合

LoadVarsオブジェクトを使用した場合の動作概要を次に示します。

LoadVarsオブジェクトを利用した場合、HTMLのフォームを送信した場合と同様に、キーと値の組みがサーバに送信されます。

送信されたキーは、サーバ側のデータBeanのプロパティと対応して値が格納されます。例えば、value="1"というデータを送信した場合、データBeanのvalueフィールドに"1"が格納されます。ただし、Apcoordinatorで予約されているキー(uji_bean、uji_xmlBean、uji_verb)はデータBeanに格納されません。

以下の例では、mypkg.MyDataBeanに対して、value1="3"、value2="4"、calMethod="add"というデータと、"myverb"というコマンドを送信しています。

 1:   on (release) {
 2:      myLoadVars = new LoadVars();
 3:      myLoadVars.uji_bean="mypkg.MyDataBean";
 4:      myLoadVars.uji_verb = "myverb";
 5:      myLoadVars.value1="3";
 6:      myLoadVars.value2="4";
 7:      myLoadVars.calMethod="add";
 8:      repData = new LoadVars();
 9:      repData.onLoad = myOnLoad;
10:      myLoadVars.sendAndLoad("http://[ホスト名]/[サーブレット名]", repData);
11:   
12:      function myOnLoad(success){
13:         if(success){
14:            // サーバとの通信が成功した場合の処理
15:            _root.textarea.text = repData.message;
16:         }
17:      }
18:   }
1行目

ActionScriptが起動するためのイベントハンドラです。この例ではボタンのクリックが解除されたときにActionScriptが起動します。

2行目

LoadVarsオブジェクトを作成しています。

3行目-4行目

Apcoordinatorに必要なリクエストパラメタを設定しています。上記例ではuji_beanリクエストパラメタに"mypkg.MyDataBean"を、uji_verbリクエストパラメタに"myverb"を設定しています。Flash連携機能ではこの他にuji_xmlBeanリクエストパラメタを指定することができます。

リクエストパラメタ名

機能

省略時の動作

uji_bean

送信データを格納するデータBeanをパッケージ名を含めて指定します。XMLデータBeanに送信データを格納する場合は"com.fujitsu.uji.xml.XmlDataBean"を指定してください。

指定されていない場合はデータBeanを作成しません。

uji_xmlBean

送信データをXMLデータBeanに格納する場合のルート要素名を指定します。

XMLデータBeanに送信データを格納する場合は省略できません

uji_verb

コマンドを指定します。

コマンドを送信しません。

5行目-7行目

送信するデータを設定しています。この例では次のデータを設定しています。データBeanに設定される場合には、キーがデータBeanのプロパティ名と対応し、XMLデータBeanに設定される場合はキーがXMLのルート要素直下の要素名に対応します。

キー

value1

3

value2

4

calMethod

add

8行目-9行目

返却されたデータを格納するためのオブジェクトを生成し、通信が完了した場合に呼び出すイベントを登録しています。

10行目

サーバにデータを送信し返却値を受け取ります。データを送信する場合に使用するメソッドによって返却されたデータの受け取り方が異なります。

sendAndLoadメソッドを使用する場合

sendAndLoadメソッドに指定したオブジェクトに返却値が格納されます。指定できるものはLoadVarsオブジェクトかXMLオブジェクトです。

sendメソッドを使用する場合

サーバアプリケーションからの返却値がそのままブラウザに表示され、画面遷移が発生します。Webアプリケーションとしての処理を継続する場合はJSP名を返却してください。

12行目-17行目

通信が成功した場合の処理を記述します。ここでは、テキスト(textareaオブジェクト)にrepDataのmessage変数の値を代入して画面に表示しています。

XMLを使用する場合

XMLオブジェクトを使用した場合の動作概要を次に示します。

XMLオブジェクトを利用した場合、サーバ側にXMLデータが送信され、ビジネスクラスではXMLデータBeanとして受け取ることが可能です。

このとき、コマンドや格納先のXMLデータBean(XMLデータBeanを拡張した場合)を指定することはできません。

以下では"<root><data>mydata</data></root>"というXMLデータを送信する例を示します。

 1:   on (release) {
 2:      myXML = new XML("<root><data>mydata</data></root>");
 3:      repXML = new XML();
 4:      repXML.onLoad = myOnLoad;
 5:      myXML.sendAndLoad("http://[ホスト名]/[サーブレット名]", repXML);
 6:      
 7:      function myOnLoad(success){
 8:         if(success){
 9:               // サーバとの通信が成功した場合の処理
10:               _root.textarea.text=repXML.toString();
11:         }
12:      }
13:   }
1行目

ActionScriptが起動するためのイベントハンドラです。この例ではボタンのクリックが解除されたときにActionScriptが起動します。

2行目

XMLオブジェクトを作成しています。この例ではコンストラクタでXMLデータを生成しています。

3行目-4行目

返却されたデータを格納するためのオブジェクトを生成し、通信が完了した場合に呼び出すイベントを登録しています。

5行目

サーバにデータを送信し返却値を受け取ります。データを送信する場合に使用するメソッドによって返却されたデータの受け取り方が異なります。

sendAndLoadメソッドを使用する場合

sendAndLoadメソッドに指定したオブジェクトに返却値が格納されます。指定できるものはLoadVarsオブジェクトかXMLオブジェクトです。

sendメソッドを使用する場合

サーバアプリケーションからの返却値がそのままブラウザに表示され、画面遷移が発生します。Webアプリケーションとしての処理を継続する場合はJSP名を返却してください。

7行目-12行目

通信が成功した場合の処理を記述します。ここでは、テキスト(textareaオブジェクト)にrepXMLが保持しているXMLデータを文字列として代入し、画面に表示しています。

サーバ例外の通知

サーバアプリケーションで例外が発生した場合、ActionScriptオブジェクトには"uji_flashException"をキーにして例外情報が通知される場合があります。サーバアプリケーションからの例外の通知方法については“アプリケーション例外が発生した場合のクライアントへの通知方法”参照してください。

サーバアプリケーションが正常に終了しているかどうかは"uji_flashException"を参照してください。LoadVarsオブジェクトの場合は"uji_flashException"変数を、XMLオブジェクトの場合は、ルート要素直下のテキストノードを参照してください。チェックの例を次に示します。

文字エンコーディングについて

Flash Player 6では、デフォルトの文字エンコーディングがUTF-8になっています。ただし、Flashコンテンツの1フレーム目のフレームスクリプト最上部に次の一行を加えることで、文字エンコーディングを"Shift_JIS"にすることができます。詳細はAdobe社のホームページを参照してください。

System.useCodepage = true;

また、Webcoordinatorアプリケーションでは、初期化パラメタuji.defaultEncodingを利用することで文字エンコーディングを指定することができます。ご使用の環境に合わせて、次の表を参考に文字エンコーディングを設定してください。

UTF-8を使用する場合

Shift_JISを使用する場合

[Flashの設定]
不要

[Apcoordinatorの設定]
web.xmlでuji.defaultEncoding初期化パラメタに"UTF-8"を記載

[Flashの設定]
"System.useCodepage = true;"を記載

[Apcoordinatorの設定]
web.xmlでuji.defaultEncoding初期化パラメタに"Shift_JIS"を記載