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 Apcoordinatorユーザーズガイド

17.2.2 ファイルをダウンロードする

ファイルをダウンロードする場合には、JSPと出力ストリームが競合するため、JSPは使用できません。そのため、サーブレットを作成して、サーブレットからダウンロードするようにします。

サーブレットは、UjiServletを継承して作成します。メソッドを作成する必要はありませんが、クラスローダがアプリケーションのJavaクラスをロード可能にするために、アプリケーションの中にサーブレットクラスを持つ必要があります。

package updown;

public class DownloadServlet extends com.fujitsu.uji.http.UjiServlet {
    public DownloadServlet() {
    }
}

ダウンロードのための入力フォームでは、action="download"を追加します。ここで指定したdownloadはサーブレットの識別名で、任意に指定可能です。例ではダウンロードファイル名を固定にして隠し項目で作成しています。データBean updown.DownloadParamの作成については、一般的なWebcoordinatorアプリケーションと同じなので省略します。

<FORM action="download">
    <INPUT name="uji.verbs" type="hidden" value="download"> 
    <INPUT name="uji.bean" type="hidden" value="updown.DownloadParam"> 
    <INPUT name="file" type="hidden" value="downloadfilename">
    <INPUT name="download" type="submit" value="ダウンロード"> 
</FORM>

ビジネスクラスでは、復帰値をvoidに代えてObjectとします。ダウンロードするファイルをMimeSource、File、InputStreamで返します。復帰値がMimeSource、File、InputStreamの場合は、ファイルとみなしてダウンロードを開始します。復帰値がStringの場合は、エラー等を表示するための画面のJSPファイル名とみなします。ビジネスクラスでsetResponseBean等の処理をしてuji:includeなどを記述した(uji:dispatchは書けません)JSPファイルを返すと、Webcoordinatorのアプリケーションに戻すことができます。

....
    //
    public Object download(DispatchContext context, DownloadParam dataBean) 
      throws FileNotFoundException {
        String name = dataBean.getFile();
        File file = new File("c:\\downloadarea", name);
        InputStream is = new BufferedInputStream(new FileInputStream(file));
        MimeSource ms = new MimeSource(is, name);
        return ms;
    }

ダウンロードするファイルをMimeSourceクラスで返した場合は、ファイル名のエンコーディングを指定することができます。Content-Dispositionヘッダは、attachment; filename="ファイル名"の 形式で出力されます。 ファイル名は、指定された文字エンコーディングに従って、バイト列に変換され、Content-Dispositonヘッダに設定されます。 文字エンコーディングを設定していない場合は、"Shift_JIS"として処理します。

        MimeSource ms = new MimeSource(is, name);
        ms.setFileNameEnc("windows-31j");

コマンドマップは一般的なWebcoordinatorアプリケーションと共用になります。

updown.DownloadParam;download=updown.UploadHandler.download  

サーバに配置する場合はweb.xmlを編集し、サーブレットマッピングを定義します。web.xmlの詳細については、“Webアプリケーション環境定義ファイル(web.xml)”で説明します。以下はdownloadというサーブレットを定義するため、servlet、servlet-mappingを追加しています。

<web-app xmlns="http://java.sun.com/xml/ns/j2ee"
      xmlns:xsi="http://www.w3.org/2001/XMLSchema-instance"
      xsi:schemaLocation="http://java.sun.com/xml/ns/j2ee 
          http://java.sun.com/xml/ns/j2ee/web-app_2_4.xsd"
      version="2.4">
  <servlet>
    <servlet-name>download</servlet-name>
    <servlet-class>updown.DownloadServlet</servlet-class>
  </servlet>
  <servlet-mapping>
    <servlet-name>download</servlet-name>
    <url-pattern>/download</url-pattern>
  </servlet-mapping>
</web-app>

注意

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  • ブラウザの初回起動後、ファイルのダウンロード機能を使用してファイルのダウンロードを行った場合、「ファイルの情報を取得しています」のダイアログが表示されたまま、処理が完了しません。

この場合には、ダイアログの[キャンセル]ボタンを押して処理を中止し、再度、ダウンロードを行ってください。