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Interstage Application Server 高信頼性システム運用ガイド

A.4.1 クラスタサービスの設定手順(Sun Clusterの場合)

  クラスタシステムに関連する環境設定を行います。以下の作業を行います。

A.4.1.1 状態遷移用メソッドの修正

●状態遷移用メソッドのサンプル

  Interstageでは状態遷移用メソッドを利用し、Interstageの起動/停止および切り替え処理を行います。Interstageでは以下のディレクトリ配下に状態遷移用メソッドのサンプルを提供します。使用者は状態遷移用メソッドを環境に合わせて修正する必要があります。

      /opt/FJSVisas/etc/HA/SunCluster

  Interstageでは以下の状態遷移用メソッドのサンプルを提供します。

  これらの状態遷移メソッドのうち、使用している機能に該当する状態遷移プロシジャを使用します。


  以下のサービスは、SunClusterに対応していません。

●サンプルの利用方法

  使用者は以下の手順で状態遷移用メソッドの修正を行います。

  1. 状態遷移用メソッドの複写

  2. 状態遷移用メソッドの内容の修正

[状態遷移用メソッドの複写]

  Interstageより提供しているすべての状態遷移用メソッドのサンプルを使用者の任意のディレクトリ配下に複写してください。また、当該メソッド名がInterstage以外で使用するメソッド名と同名の場合、当該メソッド名を変更するか、Interstage以外で使用するメソッド名を変更してください。


  INTERSTAGE_start_netを/var/is_ha配下に複写する場合

  # cp /opt/FJSVisas/etc/HA/SunCluster/INTERSTAGE_start_net /var/is_ha

[状態遷移用メソッドの内容の修正]

  複写した状態遷移用メソッドの内容の修正方法を以下に説明します。

INTERSTAGE_start_netINTERSTAGE_stop_netINTERSTAGE_abort_netの修正

  以下の修正を行ってください。
  "LHOST"に論理ホスト名を設定してください。

  LHOST="論理ホスト名"

  また、INTERSTAGE_start_netに関しては、以下の場合、修正を行ってください。
  ネーミングサービスおよびインタフェースリポジトリが何らかの異常で停止した場合でも、待機側に切り替えたくない場合は、状態遷移プロシジャ内のIS_ISV_WATCH_MODEに"0"を設定してください。通常は"1"が設定されており、切り替えの対象となっています。切り替えたい場合は、修正の必要はありません。

ネーミングサービスまたはインタフェースリポジトリが異常終了しても、クラスタサービスを切り替えたくない場合

  IS_ISV_WATCH_MODE="0"

OTS_RMP_listの修正

  データベース連携サービスを利用する場合には、当ファイルを修正する必要があります。運用ノードで起動するリソース管理プログラムへのパスおよびリソース定義名を設定します。そのため、以下の修正を行ってください。
  "DEF_NAME"に起動するリソース管理プログラムへのパスおよびリソース定義名を記述してください。

/home/ots/resource1 を resource1 で、/home/ots/resource2 を resource2で起動したい場合

  DEF_NAME="/home/ots/resource1 resource1 /home/ots/resource2 resource2"

OTS_RMP_start_netOTS_RMP_stop_netOTS_RMP_abort_netの修正

  データベース連携サービスを利用する場合には、以下の修正を行ってください。
  なお、"SVC_PROG_TAG"については、特に修正する必要はありません。

  "LHOST"に論理ホスト名を設定してください。

  LHOST="論理ホスト名"

  "OTS_RMP_LIST_FILE"に"OTS_RMP_list"ファイルを絶対パスで設定してください。

  OTS_RMP_LIST_FILE="OTS_RMP_listファイル名"

TDWU_listの修正

  ワークユニットを使用する場合、運用ノードで起動するワークユニット名および切り替え時に引き継ぐワークユニット名を設定します。そのため、以下の修正を行ってください。
  "WU_NAME"に起動および引き継ぐワークユニット名を記述してください。
  また、トランザクションアプリケーションのワークユニット、ラッパーワークユニットおよびユーティリティワークユニットは、TDWU_listを修正してください。

WU1、WU2を起動および引き継ぎを行いたい場合

    WU_NAME="WU1 WU2"

記述するワークユニット名は半角ブランクで区切ってください。

TDWU_start_netTDWU_stop_netTDWU_abort_netの修正

  ワークユニットを使用する場合、以下の修正を行ってください。

  "LHOST"に論理ホスト名を設定してください。

  LHOST="論理ホスト名"

  "WU_LIST_FILE"に"TDWU_lists"ファイルを絶対パスで設定してください。

  WU_LIST_FILE="TDWU_listファイル名"

ES_listの修正

  イベントサービスを利用する場合には、当ファイルを修正する必要があります。
  運用ノードで起動するユニット名、イベントチャネルグループ名を設定します。そのため、以下の修正を行ってください。
  "ES_UNIT"に起動する拡張ユニットのユニット名を半角ブランクで区切って記述してください。
  "ES_CHNL"に起動するイベントチャネルグループ名を半角ブランクで区切って記述してください。

ユニットext01、ext02、およびイベントチャネルグループmix、mix1を起動したい場合

  ES_UNIT="ext01 ext02"
  ES_CHNL="mix mix1"

ES_start_netES_stop_netES_abort_netの修正

  イベントサービスを利用する場合には、以下の修正を行ってください。
  なお、"SVC_PROG_TAG"については、特に修正する必要はありません。

  "LHOST"に論理ホスト名を設定してください。

  LHOST="論理ホスト名"

  "ES_LIST_FILE"に"ES_list"ファイルを絶対パスで設定してください。

  ES_LIST_FILE="ES_listファイル名"

SOAP_start_netSOAP_stop_netSOAP_abort_netの修正

  以下の修正を行ってください。

  "LHOST"に論理ホスト名を設定してください。

  LHOST="論理ホスト名"

  使用するJava環境に合わせて設定してください。

  JAVA_HOME="Javaのインストールパス"

IREP_start_net,IREP_stop_net,IREP_abort_netの修正

  "LHOST"に論理ホスト名を設定してください。

  LHOST="論理ホスト名"

  使用する共用ディスクパスを設定します。

  共用ディスクパスを“/repository”として指定する場合

  DIRECTORY=/repository

) 共用ディスクパスには、リソース登録済みのパスを指定してください。

  修正を行った後、修正したプロシジャには実行権限を付与してください。

INTERSTAGE_fm_monitorの修正

  Interstageではフォルトモニタ用のプログラム(INTERSTAGE_fm_monitor)を提供します。以下の修正を行ってください。
  なお、"SVC_ PROG_TAG"については、特に修正する必要はありません。

  "LHOST"に論理ホスト名を設定してください。

  LHOST="論理ホスト名"

  "INTERSTAGE_SERVICE"にデータサービス名を設定してください。現状"INTERSTAGE"が設定されています。

  INTERSTAGE_SERVICE="データサービス名"

INTERSTAGE_fm_startINTERSTAGE_fm_stopの修正

  "LHOST"に論理ホスト名を設定してください。

  LHOST="論理ホスト名"

  "FAULT_PROG"にフォルトモニタ用のプログラムファイルを絶対パスで設定してください。

  FAULT_PORG="フォルトモニタ用プログラム絶対パス"

  "SVC_PROG_TAG"にプロセス監視機能に登録するネームタグを設定してください。

  SVC_PROG_TAG="ネームタグ"

SOAP_fm_startSOAP_fm_stopの修正

  "LHOST"に論理ホスト名を設定してください。

  LHOST="論理ホスト名"

  "FAULT_PROG"にフォルトモニタ用のプログラムファイルを絶対パスで設定してください。

  FAULT_PORG="フォルトモニタ用プログラム絶対パス"

  "SVC_PROG_TAG"にプロセス監視機能に登録するネームタグを設定してください。

  SVC_PROG_TAG="ネームタグ"

SOAP_fm_monitorの修正

  Interstageではフォルトモニタ用のプログラム(SOAP_fm_monitor)を提供します。以下の修正を行ってください。

  "LHOST"に論理ホスト名を設定してください。

  LHOST="論理ホスト名"

  "INTERSTAGE_SERVICE"にデータサービス名を設定してください。現状"SOAP"が設定されています。

  INTERSTAGE_SERVICE="データサービス名"

IREP_fm_start,IREP_fm_stopの修正

  "LHOST"に論理ホスト名を設定してください。

  LHOST="論理ホスト名"

  "FAULT_PROG"にフォルトモニタ用のプログラムファイルを絶対パスで設定してください。

  FAULT_PROG="フォルトモニタ用プログラム絶対パス"

  IREP_fm_monitorの格納先をメソッドの複写先に設定してください。

  /export/home/guest/irep_clu_sampleに複写した場合

  FAULT_PROG=”/export/home/guest/irep_clu_sample/IREP_fm_monitor”

IREP_fm_monitorの修正

  Interstageではフォルトモニタ用のプログラム(IREP_fm_monitor)を提供します。以下の修正を行ってください。

  "LHOST"に論理ホスト名を設定してください。

  LHOST="論理ホスト名"

  Sun Cluster3.Xの場合は、以下のようにプロシジャを編集してください。リソース名"rscGrp_IREP_1"とフェイルオーバ時に切り替えるノード名"node1"を環境に合わせて設定してください。

  # $SUNCLUSTER_HOME/bin/hactl -g -s $IREP_SERVICE -l $LHOST
  $SUNCLUSTER_HOME/bin/scswitch -z -g rscGrp_IREP_1 -h node1

A.4.1.2 状態遷移用メソッドの登録

  上記で修正したメソッドをクラスタシステムに登録を行います。これらのメソッドのうち、xxx_start_net(xxxはINTERSTAGE、OTS_RMP、TDWU、ES、SOAP、IREPが入る)はSTART_NETとして登録してください。xxx_stop_net(xxxはINTERSTAGE、OTS_RMP、TDWU、ES、SOAP、IREPが入る)はSTOP_NETとして、また、xxx_abort_net(xxxはINTERSTAGE、OTS_RMP、TDWU、ES、SOAP、IREPが入る)はABORT_NETとして登録してください。
  また、xxx_fm_start(xxxはINTERSTAGE、SOAP、IREPが入る)はFM_STARTメソッド、xxx_fm_stop(xxxはINTERSTAGE、SOAP、IREPが入る)はFM_STOPメソッドとして登録してください。TDWU_list、INTERSTAGE_fm_monitor、SOAP_fm_monitorに関しては、登録しないでください。
  メソッドの登録方法については、Sun Clusterのマニュアルを参照してください。
  メソッドが以下の依存順序で呼び出されるように登録してください(番号の大きいものが小さいものに依存します)。

  1. IREP_start, IREP_stop, IREP_abort

  2. INTERSTAGE_start,INTERSTAGE_stop,INTERSTAGE_abort

  3. OTS_RMP_start, OTS_RMP _stop, OTS_RMP _abort

  4. TDWU_start,TDWU_stop,TDWU_abort

  5. ES_start, ES_stop, ES_abort

  6. SOAP_start, SOAP_stop, SOAP_abort