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Interstage Application Server 高信頼性システム運用ガイド

2.1 IPCOMによる縮退を利用した高信頼化システム

■高信頼化の方式

  複数台のサーバを同一システムとして処理を並列に行い、クライアントからの処理を自動的に分散させます。サーバ異常時はサーバを切り離して、残りのサーバで運用を行います。
  また、IPCOMでは、任意のワークユニットの異常終了時にも同様の運用が行えます。

■高信頼化の目的

  サーバ間の負荷調整を自動的に行いたい。

■特徴

  複数のサーバを1つのシステムとして使用できるため、業務に対する負荷を分散させることができます。そのため、大規模なシステムを構築する場合に適しています。
  サーバマシン異常に対する高信頼化を構築可能です。クライアントからの負荷を自動的に分散させます。また、サーバ追加を容易に行うことができます。IPCOMに関しては、二重化構成とし、高信頼化することを推奨します。

■業務復旧までの時間

  DB共用を使用していない場合は、ノードダウン時も業務が停止することはありません。
  DB共用の場合は、ダウンしたサーバで使用していたテーブルに関しては、復旧まで約数十秒必要です。ただし、トランザクション数によってはさらに時間がかかる場合もあります。

■運用方法

  IPCOMを使用した負荷分散システムを構築するためには、複数台のサーバに対してIPCOMを1台(二重化構成の場合は2台)用意します。
  IPCOMが監視を行い、ノードダウン時は縮退を行います。
  また、IPCOMが停止した場合、システム全体に影響がありますので、IPCOMを二重化することを推奨します。IPCOMの二重化については、“IPCOMのマニュアル”を参照してください。

■システム構築における選択肢

  IPCOMによる縮退を利用した高信頼化システムを構築する場合、以下の選択肢があります。

  以下に組み合わせを示します。

DB使用形態

DB未使用

DB非共用

DB共用

使用DBMS

DBMS製品

ノード間でのDB共用に対応したDBMS製品

パターン

パターン1

パターン2

パターン3


  DB共用型については、クラスタシステムが必要となります。

■必須製品

必須製品

Interstage Application Server Enterprise Edition

IPCOM  1)

DBMS製品  2)

使用するクラスタシステム製品と、クラスタシステム製品が必要とする製品  3)

1)IIOP負荷分散に対応したIPCOMが必要です。IIOP負荷分散の詳細については“IPCOMのマニュアル”を参照してください。

2)DB未使用時は不要です。
    また、DB共用の場合は、ノード間でのDB共用に対応したDBMS製品が必要です。

3)DB共用型の場合のみ、必要です。

パターン1 (DB未使用)の構成図

  以下に、IPCOMによる縮退で、DBMSを使用しない場合を示します。

パターン2 (DB非共用)の構成図

  以下に、IPCOMによる縮退で、DBMSを共用しない(ノード間で非共用)場合を示します。

パターン3 (DB共用)の構成図

  以下に、IPCOMによる縮退で、DBMSを共用する(ノード間で共用)場合を示します。