Action
一つのメッセージの処理を表します。BPSSを用いる場合、Business Transactionの送信側(Requesting Business Activity)または受信側(Responding Business Activity)の役割に相当します。ebMSの通信パラメタのActionには、CPAのThisPartyActionBinding要素のaction属性に設定されている文字列を使用します。[MSG][CPPA][BPSS]
Business Collaboration
ビジネス上の何らかの結果を得ることを目的として、ビジネス当事者間で実行される順序が定義されたビジネストランザクション群です。[BPSS][CPPA]
Business Transaction
2社間で行われるビジネスの原子的な単位です。一つのメッセージ送信または1往復の送受信がBusiness Transactionとして定義されます。[BPSS][CPPA]
Canonical XML
正規化されたXML文書です。同じ内容のXML文書には一意なCanonical XMLが定まります。XML Signatureを用いる場合、署名するXML文書のダイジェスト値を求める必要がありますが、その際には文書を正規化し、Canonical XMLに対してダイジェスト値を計算します。
CHANNELセクション
ebMS環境定義のセクションであり、イベントデータを送受信するために、送信用または受信用として使用するイベントチャネル(送信イベントチャネルまたは受信イベントチャネル)の情報を記述します。
Conversation
一つ以上のメッセージによって形成されるビジネス上のある一つの処理単位(例えば一つの発注など)です。どこからどこまでが一つの処理単位かはアプリケーションが任意に決めることができます。[MSG]
ConversationId
Conversationの識別子です。一つのConversationを形成する複数のメッセージは、それを示すためにどのメッセージも全て同じConversationIdを持ちます。ConversationIdは特定のCPAにおける通信内でのみ一意です。[MSG]
conversation情報保持最大時間
Conversationの情報を保持する時間のことです。
CPA (Collaboration Protocol Agreement)
ビジネス当事者間のメッセージ交換についての合意です。CPPAの規約に基づいたXML文書として記述されます。[CPPA]
CPA-ID
ebMSでCPAを特定する識別子です。このIDはebMS環境で一意である必要があります。CPA-IDには、CPAのCollaborationProtocolAgreement要素のcpaid属性に設定されている文字列を使用します。また、通信パラメタのCPAIdには、利用するCPAのCPA-IDを設定します。
CPA管理機能
CPAの情報を利用した処理を最適化するために、CPAからebMSが必要とする情報を抽出し、管理する機能です。CPA管理機能は、ebMSへのCPAの登録、参照、削除などの管理コマンド群を提供します。
CPA管理ディレクトリ
CPAの情報を利用した処理を最適化するために、CPAからebMSが必要とする情報を抽出したファイルを管理するディレクトリです。
CPA有効期間
CPAの記述内容が効力を持つ期間です。CPAのStart要素に記述された時刻が有効期間の開始時刻となり、End要素に記述された時刻が有効期間の終了時刻になります。
CPP (Collaboration Protocol Profile)
ビジネス当事者のメッセージ交換能力(ビジネス的な能力および技術的な能力)についての情報です。[CPPA]
Digest値
署名の対象から算出したハッシュ値です。ダイジェスト計算によって算出されます。
DMZ(DeMilitarized Zone 非武装地帯)
Web、DNS、FTPなどの公開サーバをインターネット側からの不正な攻撃から守るため、ファイアウォールにより設けられたセグメントのことです。
DUNS(Data Universal Numbering System)
1962年にD&Bが開発した9桁の企業識別コードです。ISOやUN/EDIFACTによって推奨されており、企業識別コードの事実上の標準規格です。
ebMS
ebXML Message Serviceのことです。
ebMS環境定義
ebMSを動作させるために必要な環境定義のことです。
ebMS制御用ファイル
ebMS環境定義を元にして、ebMSの制御情報を管理するファイルのことです。
Endpoint
メッセージを受信するアドレスです。具体的にはURIで示します。[CPPA]
JAVA2 keytool
Javaのセキュリティツールです。鍵を作成したり、JARファイルに電子署名をつけたり、鍵の管理をしたりするのに使用します。
JAVA2_CERTセクション
ebMS環境定義のセクションであり、XML署名/認証機能を使用する際に作成した証明書/鍵鍵管理環境の情報を記述します。
MANAGERセクション
ebMS環境定義のセクションであり、ebMSを運用するために必要な情報を記述します。
MessageId
メッセージの識別子です。ebMS内で一意です。[MSG]
MIME (Multipurpose Internet Mail Extensions)
インターネットの電子メールで、1行の文字数制限や、メールの最大サイズ制限などを解消し、かつ、マルチメディア・データといった文字以外のデータを送受信可能にするための規約です。
namespace
URIによって識別され、XML文書の中で名前の一意性を保つために用いられます。同一の名前であっても、それが所属するnamespace(名前空間)が異なれば、別の意味を持っているとみなします。
Payload
アプリケーションがebMSに対して送信を依頼したビジネス上のデータのことです。[MSG]
Party
ビジネス文書を作成、送信、受信、中継することができる会社、部門、組織、個人などのことです。[MSG][CPPA]
Party-ID
ebMSでPartyを特定する識別子です。このIDはCPA中で一意である必要があります。Party-IDには、CPAのPartyId要素に設定されている文字列を使用します。また、通信パラメタのFromPartyIdおよびToPartyIdには、それぞれ送信側Partyと受信側PartyのParty-IDを設定します。
PartyId
Partyに付けられた一意な識別子です。例えばDUNS番号などが相当します。CPAのPartyId要素に設定します。また、ebMSのParty-IDとして使用します。[MSG][CPPA]
SequenceNumber
送信側アプリケーションが複数のメッセージの送信をebMSに依頼する場合に、それらのメッセージが受信側アプリケーションに届くべき順序を示す番号です。SequenceNumberは特定のConversation/送信側ebMSの組合せ内でのみ一意です。[MSG]
Service
一つのビジネスプロセスを実現するための実行可能なActionの集合です。BPSSを用いる場合、BPSSドキュメントのIDがServiceに対応します。具体的にはProcessSpecification要素のuuid属性で示します。ebMSの通信パラメタのServiceには、CPAのService要素に設定されている文字列を使用します。[MSG][CPPA][BPSS]
SOAP(Simple Object Access Procotol)
非集中/分散環境における情報交換のための軽量のプロトコルです。XML文書を交換するのに適したプロトコルです。ebXMLでは、このプロトコルを用いてメッセージの送受信を行います。
SOAP Messages with Attachments
SOAPメッセージをMIMEエンベロープに入れて運ぶ方式です。
SOAPサービス
SOAPの仕様に準拠したInterstageの通信基盤です。
SYSTEMセクション
ebMS環境定義のセクションであり、ebMSを制御するために必要な情報を記述します。
S/MIME
RSAと電子メール・ベンダ各社で作り上げたインターオペラブルなメッセージ通信の標準であり、以下を統合したものです。
MIME: インターネット上でさまざまなファイルを扱えるようにしたメッセージ通信のデファクト標準
公開鍵暗号方式のPKCS#7および#10: 標準的な暗号化方式
X.509電子認証(ディジタルID): ユーザ間の認証を行うための仕組み
RSA公開鍵暗号方式 (RSA Public KeyCryptosystem)
URI(UniformResourceIdentifier)
URIは、この世界に存在するさまざまなリソースを識別するために、一意の名前を与える構文です。インターネット上のリソースを指し示すURL(Uniform Resource Locator)を更に拡張したものです。URLでは、HTTPやFTPなどのプロトコルを指し示すことができますが、URIではそれに加えて、書籍のISBNコードなど、インターネット上に存在しないリソースを指し示すこともできます。
URL(UniformResourceLocator)
インターネット上に存在するさまざまな情報が存在する場所を一意に特定できるようにするための情報、またはそのための情報の記述様式です。
URN(UniformResourceName)
書籍のISBNコードなど、インターネット上に存在しないリソースを特定できるようにするための情報です。
UTC(Coordinated Universal Time)
協定世界時とも呼ばれる基準時刻です。示す時刻はGMT(グリニッジ標準時)とほぼ同じです。
XML Document
XML(Extensible Markup Language)で記述された文書です。
XML Signature
XML署名情報とその生成および検証の方法についての仕様です。
XML署名/認証機能
サーバ間で交換されるメッセージを署名/認証する機能です。
エラー通知処理
受信したメッセージにebXML上の誤りがある場合、送信元にエラーの通知を行う処理です。
改ざん
ネットワーク上の第三者による、メッセージ内容の書き換え・変更・消去の行為です。
証明書/鍵管理環境
署名・認証に使用する証明書および鍵の管理環境です。
証明書取得申請書
証明書発行局へ証明書の発行を依頼するための申請書です。
証明書発行局
公開鍵暗号方式で本人確認のために使われる証明書を発行する信頼できる中立的な第三者機関です。
公開鍵暗号方式
暗号鍵と復号鍵に異なる鍵を利用する方式です。暗号鍵は公開し、復号鍵は秘密にして、情報の送り手は受け手の公開した暗号鍵を用いて暗号化し、受け手は秘密としている自分の復号鍵を用いて復号化します。このため、多対多の通信に適しています。また、異なる鍵を用いて、送り手の確認や通信の事実の認否などを行う相手認証(電子署名)を実現できます。代表的な方式にRSAがあります。
コンフィグレーションファイル
ebMS全体の動作環境を設定するファイルのことです。
再送処理
送信したメッセージに対して一定時間経過しても受領通知が返信されない場合、送信したメッセージを再度送信する処理です。
受信イベントチャネル
メッセージを受信した際に、通信パラメタとペイロードが格納されるイベントチャネルです。
受信機能
ebXMLに準拠したメッセージを受信する機能です。
受信当事者
ebXMLを使用し取引を行う当事者の受信側の当事者です。ebMSでメッセージを受信する場合、ToPartyで示されています。
出力契機番号
通信ログの出力契機を示す番号であり、メッセージ交換の経過を示します。
受領通知
メッセージを正常に処理した旨を送信元に通知するメッセージのことです。
情報種別番号
通信ログとして出力される情報を示す番号のことです。出力契機によって出力される情報が異なります。
証明書
電子署名の正当性を確認するための電子的な証明書です。印鑑証明書に相当します。
証明書連鎖
証明書と、その発行を行った証明書発行局の証明書とのつながりのことです。証明書発行局自身を他の証明書発行局が認証し、証明書を発行する場合もあります。
署名
電子メールやオンライン取引などにおいて、発信されたメッセージが正当な発信者から発信され、改ざんやなりすましが途中で行われていないことを示すための方法です。手書きのサインに対して、デジタル・サインといいます。公開鍵暗号方式と呼ばれる暗号化技術を使って実現されています。
署名値
メッセージの内容をCPAに記述したアルゴリズムで数値化します。送信側で計算した値と、受信側で再計算した値で署名の認証を行います。
接頭辞
XMLの要素・属性名の前に付く何文字かの文字で、その要素・属性が属している名前空間を特定します。要素・属性名との区切り文字は“:”です。
送信イベントチャネル
アプリケーションからebMSに対して、通信パラメタとペイロードを受け渡す際に使用するイベントチャネルです。
送信機能
ebXMLに準拠したメッセージを送信する機能です。
送信処理
ebMS環境定義に記述されている送信イベントチャネルに、アプリケーションがイベントデータを格納することを契機にメッセージを送信します。
属性
XMLの要素に属し、要素の開始タグ内に記述されています。
ダイジェスト計算
署名の際に必要となるメッセージのダイジェスト(Digest値)の計算です。
中間証明書
証明書連鎖によって順序立てられた複数の証明書のつながりで、先頭と終端を除いた証明書のことです。
通信ログ
他サーバとのメッセージ交換についての経過を示す情報のことです。
デジタル署名
デジタル署名は、サインにたとえられるものです。署名を改ざんできる可能性があった従来の通信文とは異なり、デジタル署名は偽造できません。デジタル署名は一意の秘密鍵によって作成され、通信の受取人は相手の公開鍵を使ってその署名を検証できます。
なりすまし
ネットワーク上の第三者が送信者の情報を利用してメッセージを送信することです。
認証
署名されたメッセージが、作成後改変されていないことを確認することです。
否認
送信者がメッセージを送信したという事実を認めない行為です。
秘密鍵
メールの盗聴を防止するための電子的な鍵です。共通鍵(秘密鍵)暗号方式と呼ばれる暗号化技術で使用される暗号鍵の一つです。
秘密鍵暗号方式
暗号化に用いる暗号鍵と復号化に用いる復号鍵に同じ鍵を利用する方式です。暗号化した情報の送り手と受け手はそれぞれ同じ鍵を秘密に持つ必要があり、代表的な方式にDES(Data Encryption Standard)があります。
秘密鍵ファイル
暗号化のための秘密鍵が格納されたファイルのことです。
プロセス仕様ドキュメント
ビジネスプロセスを記述した文書です。狭義には BPSS に従って記述された文書を指します。
マルチペイロード
一つのメッセージが複数のペイロードで構成されていることです。
メッセージ再送機能
受領通知によりメッセージの送達確認を行い、メッセージの喪失を防ぐ機能です。メッセージ再送機能では、CPAに設定したリトライインターバルおよびリトライ回数の間、メッセージが相手に届いたことを確認できるまで、メッセージを再送します。
メッセージ順序性保証機能
メッセージにSequenceNumberを付与することでメッセージの順序性を保証する機能です。同一のConversationId内において、送信依頼を行った順に受信側のアプリケーションにメッセージを渡します。
メッセージ重複チェック機能
メッセージにMessageIdを付与することでメッセージの重複をチェックする機能です。受信側のアプリケーションにメッセージを重複して渡すことを防ぐことができます。
リライアブル機能
送信したメッセージを確実に一通だけ受信側に届けるための機能です。この機能を利用することで、ネットワーク異常等によるデータ喪失をアプリケーションで対処する必要がなくなり、高信頼なシステムを容易に構築することが可能となります。
ログ取得機能
ebMSでは他サーバとのメッセージ交換についての経過を常時ロギングします。ebMSを利用する上位サービスはこの通信ログを利用して、メッセージの送達状態や、エラー状態を監視することができます。