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Interstage Application Server ebXML Message Serviceユーザーズガイド

3.1.3 セットアップ

  セットアップでは、以下の2つの作業があります。

3.1.3.1 ebMS環境定義の作成

  ebMS環境を作成する前に、ebMS環境定義の作成をする必要があります。ebMS環境定義は、テキスト編集ツールを使用して記述してください。以下にebMS環境定義の記述方法を示します。

  なお、記述規約については、“付録A 定義記述規約”を参照してください。

  ebMS環境定義は、以下のセクションから構成されます。

  ebMS環境定義のセクションの指定方法を示します。

SYSTEM

MANAGER

JAVA2_CERT

CHANNEL

ebMS環境を作成しebMS環境定義を登録する機能

ebMS環境定義の追加登録または削除する機能

×

×

×

  ○:セクションの省略が不可
  △:セクション全体の省略が可
  ×:セクションの指定が不可

  ebMS環境定義は、以下の形式で記述します。

記述形式

[SYSTEM]
sysenvdir = ebMS制御用ファイルの格納場所

[MANAGER]
recverror = 受信エラーとなったイベントデータの格納先イベントチャネル名
proxyname = プロキシサーバ名
proxyport = プロキシポート番号

[JAVA2_CERT]
keystore = XML署名用証明書のキーストアディレクトリ

[CHANNEL]
kind = イベントチャネル種別識別子
name = イベントチャネル名
holdtime = conversation情報保持最大時間
party = PartyId
endpoint = Endpoint

記述内容の説明

a) SYSTEMセクション

  ebMSを制御するために必要な情報を記述します。セクション全体を省略または一つだけセクションを記述できます。以下に記述内容を示します。

キーワード

省略

データ型

記述方法

記述内容の説明

sysenvdir

文字列

255バイト以内の絶対パス名で指定します。キーワードの省略は、セクション全体を省略することで行います。省略した場合の省略値を以下に示します。

C:\Interstage\F3FMebms\ebms

/opt/FJSVebms/ebms

ebMS制御用ファイルの格納場所を指定します。なお、ebMS制御用ファイルは、ebMSが動作するために必要な情報を格納しておくファイルで、ユーザが直接使用するものではありません。環境作成時、指定ディレクトリに約30MバイトのebMS制御用ファイルが作成されますので、あらかじめディスク容量の確保が必要です。

b) MANAGERセクション

  ebMSを運用するために必要な情報を記述します。セクション全体を省略または一つだけセクションを記述できます。以下に記述内容を示します。

キーワード

省略

データ型

記述方法

記述内容の説明

recverror

文字列

66バイト以内の英数字、“:”(コロン)および“_”(アンダースコア)で指定します。“グループ名::イベントチャネル名”で指定します。セクション全体またはキーワードを省略した場合、受信エラーになったイベントデータは破棄されます。

受信したebXMLメッセージに異常があった場合に、そのメッセージのヘッダーを格納するイベントチャネル名を指定します。

proxyname

文字列

255バイト以内で指定します。セクション全体またはキーワードを省略した場合、プロキシは使用しません。

ebMSが通信時に使用するプロキシサーバ名を指定します。proxynameキーワードを指定する場合は、proxyportキーワードも必ず指定してください。proxynameキーワードを省略する場合は、proxyportキーワードも必ず省略してください。

proxyport

数値

1~65535の整数で指定します。セクション全体またはキーワードを省略した場合、プロキシは使用しません。

ebMSが通信時に使用するプロキシポート番号を指定します。

c) JAVA2_CERTセクション

  XML署名を行う際にsoapSetSSLコマンドで作成した証明書/鍵管理環境の情報を記述します。本セクションは、送信側と受信側の両方のebMSに記述する必要があります。セクション全体を省略または一つだけセクションを記述できます。以下に記述内容を示します。

キーワード

省略

データ型

記述方法

記述内容の説明

keystore

文字列

XML署名を行う場合、255バイト以内の絶対パス名を指定します。XML署名を行わない場合、セクション全体を省略します。

証明書/鍵管理ディレクトリを指定します。Interstage証明書環境を使用する場合には固定名を指定してください(*1)。 旧署名環境を使用する場合は、“3.2.4 旧バージョンの機能を使用する場合の設定”を参照してください。

(*1) 以下の値を指定してください。


C:\Interstage\etc\security\env\keystore

/etc/opt/FJSVisscs/security/env/keystore

d) CHANNELセクション

  イベントデータを送受信するために、送信用または受信用として使用するイベントチャネル(送信イベントチャネルまたは受信イベントチャネル)の情報を記述します。送信イベントチャネルの場合、この定義で対応付けられた送信イベントチャネルからイベントデータを取得します。受信イベントチャネルの場合、この定義で対応付けられた受信イベントチャネルにイベントデータを格納します。CHANNELセクションは、1~128個まで定義できます。以下に記述内容を示します。

キーワード

省略

データ型

記述方法

記述内容の説明

kind

文字列

SEND:送信イベントチャネル
RECV:受信イベントチャネル
キーワードを省略した場合、“SEND”となります。

イベントチャネルの使用用途を指定します。

name

不可

文字列

66バイト以内の英数字、“:”(コロン)および“_”(アンダースコア)で指定します。“グループ名::イベントチャネル名”で指定します。

イベントチャネル名を指定します。ここで指定するイベントチャネル名はグループ名を含めた名前を指します。

holdtime

数値

1d~99dまたは1h~99hを指定します。キーワードを省略した場合、“3d”となります。

conversation情報保持最大時間を指定します。ここで指定した時間を超えて同一ConversationIdが使用されない場合は、当該conversationの管理情報を削除します。それ以降、当該ConversationIdが使用された場合は、新たな会話として扱います。dは日、hは時間を意味します。半角英数字で指定してください。

party

(送信)

文字列

受信イベントチャネルの場合、省略は不可です。
255バイト以内で指定します。

受信用PartyIdを指定します。CPA内に定義している値を設定してください。
受信イベントチャネルを複数使用する場合は、partyキーワードとendpointキーワードの組み合わせが一意になるように指定してください。

endpoint

(送信)

文字列

受信イベントチャネルの場合、省略は不可です。
255バイト以内の“http://”または“https://”で始まる文字列を指定します。

受信用Endpointを指定します。サーバ名またはIPアドレスの後ろにはebMS用のSOAPルータを、Servletサービス(JServlet)上でWebアプリケーションとして動作させるためのURL(/ebms/servlet/ebXMLListener)を指定します。
サーバ名またはIPアドレスは、自サーバを指定してください。
受信イベントチャネルを複数使用する場合は、partyキーワードとendpointキーワード(プロトコル、サーバの指定を除く)の組み合わせが一意になるように指定してください。

記述例

  以下にebMS環境定義の記述例を示します。

[SYSTEM]
sysenvdir = C:\ebMS\ebms

[MANAGER]
recverror = RECVERR::CHANNEL001
proxyname = proxy.interstage.com
proxyport = 8080

[JAVA2_CERT]
keystore = C:\java2key

[CHANNEL]
kind = SEND
name = GRP1::CHANNEL001
holdtime = 3d

[CHANNEL]
kind = RECV
name = GRP2::CHANNEL001
holdtime = 3d
party = FUJITSU
endpoint = http://www.ebms.fujitsu.com/ebms/servlet/ebxmlListener

[SYSTEM]
sysenvdir = /ebMS/ebms

[MANAGER]
recverror = RECVERR::CHANNEL001
proxyname = proxy.interstage.com
proxyport = 8080

[JAVA2_CERT]
keystore = /java2key

[CHANNEL]
kind = SEND
name = GRP1::CHANNEL001
holdtime = 3d

[CHANNEL]
kind = RECV
name = GRP2::CHANNEL001
holdtime = 3d
party = FUJITSU
endpoint = http://www.ebms.fujitsu.com/ebms/servlet/ebxmlListener

3.1.3.2 ebMS環境の作成

  ebMS環境定義を使用して、ebmssetupコマンドでebMS環境を作成します。

  以下にebmssetupコマンド(ebMS環境を作成しebMS環境定義を登録する機能)の入力例を示します。ebmssetupコマンドの詳細については、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“ebXML Message Service運用コマンド”を参照してください。

------------------------------------------------------------------
ebmssetup -f ebmsdef.txt
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  なお、ebMS環境を再作成する場合は、ebMS環境を削除した後、再度、上記のebmssetupコマンドを実行してください。ebMS環境の削除は、ebmsunsetupコマンドで行います。

  以下にebmsunsetupコマンドの入力例を示します。ebmsunsetupコマンドの詳細については、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“ebXML Message Service運用コマンド”を参照してください。

------------------------------------------------------------------
ebmsunsetup
------------------------------------------------------------------