セットアップでは、以下の2つの作業があります。
ebMS環境定義の作成
ebMS環境の作成
ebMS環境を作成する前に、ebMS環境定義の作成をする必要があります。ebMS環境定義は、テキスト編集ツールを使用して記述してください。以下にebMS環境定義の記述方法を示します。
なお、記述規約については、“付録A 定義記述規約”を参照してください。
ebMS環境定義は、以下のセクションから構成されます。
SYSTEMセクション
MANAGERセクション
JAVA2_CERTセクション
CHANNELセクション
ebMS環境定義のセクションの指定方法を示します。
SYSTEM | MANAGER | JAVA2_CERT | CHANNEL | |
---|---|---|---|---|
ebMS環境を作成しebMS環境定義を登録する機能 | △ | △ | △ | ○ |
ebMS環境定義の追加登録または削除する機能 | × | × | × | ○ |
○:セクションの省略が不可
△:セクション全体の省略が可
×:セクションの指定が不可
ebMS環境定義は、以下の形式で記述します。
記述形式
[SYSTEM] |
記述内容の説明
ebMSを制御するために必要な情報を記述します。セクション全体を省略または一つだけセクションを記述できます。以下に記述内容を示します。
キーワード | 省略 | データ型 | 記述方法 | 記述内容の説明 |
---|---|---|---|---|
sysenvdir | 可 | 文字列 | 255バイト以内の絶対パス名で指定します。キーワードの省略は、セクション全体を省略することで行います。省略した場合の省略値を以下に示します。 | ebMS制御用ファイルの格納場所を指定します。なお、ebMS制御用ファイルは、ebMSが動作するために必要な情報を格納しておくファイルで、ユーザが直接使用するものではありません。環境作成時、指定ディレクトリに約30MバイトのebMS制御用ファイルが作成されますので、あらかじめディスク容量の確保が必要です。 |
ebMSを運用するために必要な情報を記述します。セクション全体を省略または一つだけセクションを記述できます。以下に記述内容を示します。
キーワード | 省略 | データ型 | 記述方法 | 記述内容の説明 |
---|---|---|---|---|
recverror | 可 | 文字列 | 66バイト以内の英数字、“:”(コロン)および“_”(アンダースコア)で指定します。“グループ名::イベントチャネル名”で指定します。セクション全体またはキーワードを省略した場合、受信エラーになったイベントデータは破棄されます。 | 受信したebXMLメッセージに異常があった場合に、そのメッセージのヘッダーを格納するイベントチャネル名を指定します。 |
proxyname | 可 | 文字列 | 255バイト以内で指定します。セクション全体またはキーワードを省略した場合、プロキシは使用しません。 | ebMSが通信時に使用するプロキシサーバ名を指定します。proxynameキーワードを指定する場合は、proxyportキーワードも必ず指定してください。proxynameキーワードを省略する場合は、proxyportキーワードも必ず省略してください。 |
proxyport | 可 | 数値 | 1~65535の整数で指定します。セクション全体またはキーワードを省略した場合、プロキシは使用しません。 | ebMSが通信時に使用するプロキシポート番号を指定します。 |
XML署名を行う際にsoapSetSSLコマンドで作成した証明書/鍵管理環境の情報を記述します。本セクションは、送信側と受信側の両方のebMSに記述する必要があります。セクション全体を省略または一つだけセクションを記述できます。以下に記述内容を示します。
キーワード | 省略 | データ型 | 記述方法 | 記述内容の説明 |
---|---|---|---|---|
keystore | 可 | 文字列 | XML署名を行う場合、255バイト以内の絶対パス名を指定します。XML署名を行わない場合、セクション全体を省略します。 | 証明書/鍵管理ディレクトリを指定します。Interstage証明書環境を使用する場合には固定名を指定してください(*1)。 旧署名環境を使用する場合は、“3.2.4 旧バージョンの機能を使用する場合の設定”を参照してください。 |
(*1) 以下の値を指定してください。
C:\Interstage\etc\security\env\keystore
/etc/opt/FJSVisscs/security/env/keystore
イベントデータを送受信するために、送信用または受信用として使用するイベントチャネル(送信イベントチャネルまたは受信イベントチャネル)の情報を記述します。送信イベントチャネルの場合、この定義で対応付けられた送信イベントチャネルからイベントデータを取得します。受信イベントチャネルの場合、この定義で対応付けられた受信イベントチャネルにイベントデータを格納します。CHANNELセクションは、1~128個まで定義できます。以下に記述内容を示します。
キーワード | 省略 | データ型 | 記述方法 | 記述内容の説明 |
---|---|---|---|---|
kind | 可 | 文字列 | SEND:送信イベントチャネル | イベントチャネルの使用用途を指定します。 |
name | 不可 | 文字列 | 66バイト以内の英数字、“:”(コロン)および“_”(アンダースコア)で指定します。“グループ名::イベントチャネル名”で指定します。 | イベントチャネル名を指定します。ここで指定するイベントチャネル名はグループ名を含めた名前を指します。 |
holdtime | 可 | 数値 | 1d~99dまたは1h~99hを指定します。キーワードを省略した場合、“3d”となります。 | conversation情報保持最大時間を指定します。ここで指定した時間を超えて同一ConversationIdが使用されない場合は、当該conversationの管理情報を削除します。それ以降、当該ConversationIdが使用された場合は、新たな会話として扱います。dは日、hは時間を意味します。半角英数字で指定してください。 |
party | 可 (送信) | 文字列 | 受信イベントチャネルの場合、省略は不可です。 | 受信用PartyIdを指定します。CPA内に定義している値を設定してください。 |
endpoint | 可 (送信) | 文字列 | 受信イベントチャネルの場合、省略は不可です。 | 受信用Endpointを指定します。サーバ名またはIPアドレスの後ろにはebMS用のSOAPルータを、Servletサービス(JServlet)上でWebアプリケーションとして動作させるためのURL(/ebms/servlet/ebXMLListener)を指定します。 |
kindキーワードのキーワード値が“SEND”と“RECV”で異なる場合は、nameキーワードのキーワード値に同一イベントチャネル名を指定することはできません。
受信イベントチャネルのpartyキーワードとendpointキーワード(プロトコル、サーバの指定を除く)の組み合わせが他の受信イベントチャネルと一致した場合、該当するイベントチャネルにおけるメッセージの分配は保証しません。
Conversation情報の保存時間は以下の式で表されます。
holdtimeキーワードの値 + CPAの“PersistDuration”の値
endpointキーワードでは、ポート番号が省略された場合には各プロトコルのデフォルトポート番号を使用します。そのため、以下のようなEndpointを指定した場合には、それぞれ同じEndpointを指定したものと判断します。
http://www.ebms.fujitsu.com/ebms/servlet/ebxmlListenerと
http://www.ebms.fujitsu.com:80/ebms/servlet/ebxmlListener
https://www.ebms.fujitsu.com/ebms/servlet/ebxmlListenerと
https://www.ebms.fujitsu.com:443/ebms/servlet/ebxmlListener
記述例
以下にebMS環境定義の記述例を示します。
[SYSTEM] |
[SYSTEM] |
ebMS環境定義を使用して、ebmssetupコマンドでebMS環境を作成します。
以下にebmssetupコマンド(ebMS環境を作成しebMS環境定義を登録する機能)の入力例を示します。ebmssetupコマンドの詳細については、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“ebXML Message Service運用コマンド”を参照してください。
------------------------------------------------------------------ ebmssetup -f ebmsdef.txt ------------------------------------------------------------------
なお、ebMS環境を再作成する場合は、ebMS環境を削除した後、再度、上記のebmssetupコマンドを実行してください。ebMS環境の削除は、ebmsunsetupコマンドで行います。
以下にebmsunsetupコマンドの入力例を示します。ebmsunsetupコマンドの詳細については、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“ebXML Message Service運用コマンド”を参照してください。
------------------------------------------------------------------ ebmsunsetup ------------------------------------------------------------------