トランザクションサービス(OTS)は、データベース連携サービスが提供するOTSシステムおよびJTS用リソース管理プログラム(JTSRMP)を含んだトランザクション機能です。サイト内に複数配置することが可能ですが、サーバグループに配置することはできません。
トランザクションサービス(OTS)は、各種アプリケーションで分散トランザクション機能またはグローバルトランザクション機能を利用する場合に必要になります。各種アプリケーションとの連携方法は、スタンドアロンサーバと同じです。
トランザクションサービス(OTS)は、単体運用の管理対象サーバのみに作成することができます。
■ トランザクションサービス(OTS)の配置について
トランザクションサービス(OTS)は、各種アプリケーションにおけるグローバルトランザクション連携で必要となるOTSシステムが含まれます。そのため、グローバルトランザクション連携を利用する場合は、サイト内にトランザクションサービス(OTS)を配置してください。通常、トランザクションサービス(OTS)は、サイト内の複数台のサーバに作成する必要はありませんが、サイトを以下のような構成にする場合、複数のサーバに配置する必要があります。
サイト内でOTSシステムにかかる負荷を分散する場合
“最大トランザクション多重度”の定義値を超えたグローバルトランザクションの要求量が発生する場合は、サイト内に複数のトランザクションサービス(OTS)を作成することで、負荷を分散します。
障害発生時の影響を局所化する場合
トランザクションサービス(OTS)に含まれるOTSシステムは、グローバルトランザクション連携の管理を行います。そのため、トランザクションサービス(OTS)のサーバがダウンした場合は、サイト内でグローバルトランザクション連携を行っているアプリケーションすべてに影響を与えます。トランザクションサービス(OTS)を複数作成することで、障害発生時の影響範囲を局所化することができます。
トランザクションサービス(OTS)をサイト上で新規作成する場合、“システムのモード”が“sys”でセットアップされます。
■ マルチサーバ環境における設計および運用上の考慮点
トランザクションサービス(OTS)の配置先
トランザクションサービス(OTS)は、サーバ間に跨がったトランザクションを管理する機能を提供しています。サーバグループで同種サービスの一括操作を実施すると、トランザクションの整合性を保証することが困難になります。そのため、トランザクションサービス(OTS)をセットアップした管理対象サーバをサーバグループに参加させることはできません。ただし、管理対象サーバを複数選択して操作することは可能です。
CORBAアプリケーション向けのトランザクションサービスの運用モデル
サイトに所属しているサーバグループおよび管理対象サーバ上で、CORBAアプリケーションを利用したグローバルトランザクション連携を運用する場合は、データベース連携サービスが提供するコマンドを利用して行ってください。詳細は、“Interstage Application Server OLTPサーバ運用ガイド”の“分散トランザクション機能の運用”および“アプリケーション作成ガイド(データベース連携サービス編)”を参照してください。
■ J2EEアプリケーション向けトランザクションサービスの運用モデル
マルチサーバ環境におけるトランザクションサービスの運用モデルは、トランザクションサービス(OTS)とトランザクションサービス(JTSRMP)が分散された形態になります。ただし、スタンドアロンサーバと同様、トランザクションサービス(OTS)に含まれるJTSRMPを利用し、リソースを共存させた形態を利用することは可能です。マルチサーバ環境を有効に使う場合は、リソース分離型を推奨します。
IJServerワークユニットは、トランザクションサービス(JTSRMP)が配置されたサーバグループ上で動作させます。アプリケーションを分離して配置した場合は、EJBアプリケーションを配置したサーバグループが対象になります。