本製品は本製品で設定したアクセスパスおよび、ファイバチャネルスイッチに対して1対1 WWPN ゾーニングが設定されている場合のアクセスパスを削除できます。なお、本製品からアクセスパスの削除ができる環境はファイバチャネルスイッチ環境だけです。
アクセスパスの状態がアクセスパス定義矛盾の場合も、アクセスパスの削除は可能です。定義矛盾のアクセスパスを画面上で選択して当作業を実施してください。
サーバノード(HBA)-サーバノード(HBA)、ストレージ(CA)-ストレージ(CA)間のファイバチャネルスイッチの1対1の WWPN ゾーニングによるアクセスパスの削除はファイバチャネルスイッチのプロパティのゾーニング情報で削除を実施してください。
スイッチのゾーン状態をゾーニング設定なし(No Security)状態に変更する目的でのアクセスパスの削除はできません。本製品は、ユーザーのアクセスパスの削除要求を処理する際にスイッチのゾーニング設定がすべて削除される場合、ダミーのゾーンを作成します。ゾーニングの削除によってゾーンセキュリティがなくなった場合、運用中のディスク領域に不用意なアクセスが発生する恐れがありますが、作成されたダミーゾーンでデータ破壊が防止されます。
スイッチのゾーン状態をゾーニング設定なし(No Security)状態に変更する場合は、手動でスイッチを No Security 状態にしてください。なお、作成されたダミーゾーンは、アクセスパスが追加されても削除されません。
留意事項
権限レベルが「特権管理者」である運用管理アカウントだけが、アクセスパス削除を行えます。
ファイバチャネルスイッチ内において、ポートゾーニングや WWNN ゾーニング、複数ポートの WWPN ゾーニングなどの1対1の WWPN ゾーニング設定以外で定義されているアクセスパスの削除はできません(本製品では1対1 WWPN ゾーニング設定だけを行います)。このような場合は、ファイバチャネルスイッチのプロパティのゾーン情報からゾーンを削除するか、直接ファイバチャネルにログインし、設定を変更してください。
メニューの[表示(V)]-[最新の情報に更新(R)]、または[F5]を選択して、アクセスパス設定に関連するファイバチャネルスイッチにカスケードされているすべてのファイバチャネルスイッチが正しく認識されていることを確認してください。一時的にカスケードから外れているファイバチャネルスイッチが存在している状態でアクセスパス変更が実施されると、以前のカスケード接続を簡単に復旧できない状態となります。(このような状態に陥った場合は、一時的にカスケードから外れていたファイバチャネルのゾーニング情報をファイバチャネルスイッチの cfgClear コマンドなどで削除することで、再度カスケード接続が可能となります。)
FC ルーティング機能の LSAN ゾーンで構成されているアクセスパスを本製品で削除する場合は、事前に、LSAN ゾーンを手動で装置から削除しておいてください。
サーバノードの設定
Windows サーバノードで富士通製マルチパスディスク制御機構または msdsm を使用している場合は、アクセスパス削除の前に必ずサーバノードのシャットダウンを実施してください。サーバノードを運用したまま削除をすると、Windows のパス検出論理が働き、以後のシャットダウン時に膨大な時間が掛かってしまいます。
運用管理サーバを兼ねている Windows サーバノードで富士通製マルチパスディスク制御機構または msdsm のアクセスパスを本製品で削除する場合は、運用管理サーバをシャットダウンさせ、アクセスパス対象FCケーブルを切断後、運用管理サーバを立ち上げ、アクセスパスの削除してください。
Unix の場合、アクセスパス削除の前に対象パスに対して umount を実施してください。
物理減設
ETERNUS マルチパスドライバ 2.0.1 以上を使用し、かつ削除するアクセスパスの物理接続が、ゾーン設定が1つも設定されていないファイバチャネルスイッチに接続している場合、アクセスパス削除を実行するケーブルを抜くなどの方法であらかじめ物理的に減設してください。
設定されているアクセスパスを削除します。状態が[アクセスパス定義矛盾]となっており、正しく設定されていないアクセスパスの削除も可能です。
[Solaris OS(GRマルチパスドライバ、MPHD、MPLB環境の場合)]マルチパスの設定の解除を実施します。各コマンドのパラメーター仕様は、各ドライバのマニュアルを参照してください。
GR マルチパスドライバ、MPLB 2.2 以上の場合
# mplbconfig コマンドの -d オプションを実行して、マルチパスインスタンスからパスの削除を実施してください。
MPLB 2.1 以下、MPHD の場合
# iompadmコマンドの destroy を実行してください。
MPLB 2.1 以下、MPHD の場合は、パスの増減設コマンドをサポートしていません。そのため、上記コマンドでマルチパスインスタンスの削除を実施してください。
[Solaris OS(GRマルチパスドライバ、MPHD、MPLB、HDDV 環境の場合)]HDDVの解放
非活性増設設定/通常設定(hddvadm -m)環境の場合、対象サーバノード上で以下のコマンドを実行してください。
# hddvadm -i
hddv.conf が sd.conf に移動し、mphd.conf/mplb.conf ファイルも退避されます。
[Windows]富士通製マルチパスディスク制御機構または msdsm が設定されている場合は、Windows サーバノードをシャットダウンしてください。本製品は、この環境で Windows サーバノードが起動中の場合、アクセスパス削除を抑止します。
本製品上で、対象アクセスパスを左クリックで選択し、メニューの[操作(C)]-[アクセスパス(P)]-[削除(D)]を選択するか、左クリックで選択した後、右クリックしポップアップメニューの[アクセスパス]-[削除]を選択します。
削除するアクセスパス表示を選択し、問題がなければ<OK>ボタンを選択し、削除を実行します。(Windows 2000 および Windows Server 2003 で使用しているアクセスパスを削除すると、アクセスパスに設定されていた LUN 数分のデバイスに対する警告メッセージが表示されます。)
[Solaris OS(エージェントあり)]アクセスパス削除後はサーバノードを再起動するまでは、当該アクセスパスの状態がアクセスパス定義矛盾(黄)となることがあります(サーバノードに WWPN バインディング設定がされていた場合)。
[ETERNUS マルチパスドライバ 2.0.1 以上の場合] grmpdautoconf コマンドを実行し、パス減設を実施します。
(コマンド仕様の詳細は、『ETERNUS マルチパスドライバ ユーザーズガイド』を参照してください。)
# /usr/sbin/grmpdautoconf -d
注意
HBA が PW008FC2A,PW008FC2-G,PW008FC3,GP7B8FC1A,GP7B8FC1-G,GP7B8FC1,SE0X7F11F,SE0X7F12F の場合、grmpdautoconf コマンドの実行で、/kernel/drv/fjpfca.conf に記述されている port プロパティが削除される場合があります。 grmpdautoconf 実行後、必要に応じて再設定を実施してください。設定内容は、「4.1.1 Solaris OSサーバノード(ホスト)」を参照してください。
[GR720、GR730(V11L21より前の版数)、GR740、GR820、GR840(V03L52P1939より前の版数)の場合] GR を再起動します。本製品から設定した GR の設定を反映するために装置の再起動が必要です。ただし、指定以外の版数、または GR740、GR820、GR840 の P19 の一部の版数(お問い合わせください)では GR 側で活性構成設定反映機能をサポートしているため、再起動は不要です。
[Solaris OS] 以下の作業でサーバノードにストレージを認識させます
ETERNUS マルチパスドライバ 2.0.1 以上、または GR マルチパスドライバ、MPLB、MPHD、HDDV で活性増設(hddvadm -M)環境の場合、以下のコマンドを実行してください。パスの減設後は、必ずサーバノードのファイバチャネルカード定義を有効にするためにサーバを再起動する必要があります。
# /usr/sbin/shutdown -y -i6 -g0 (サーバ再起動) # disks -C (Solaris 7 OS 以上で実施)
GR マルチパスドライバ、MPLB 2.2 以上、MPHD、HDDV で、非活性増設・通常設定(hddvadm -m)環境の場合、以下のコマンドを実行してください。
sd.conf ファイルで削除したターゲット ID が使用されない場合、sd.conf を編集し使用されなくなるターゲット ID を削除してください。(他のデバイスに対して使用している場合、削除してはいけません。)
# touch /reconfigure
# /usr/sbin/shutdown -y -i5 -g0
シングルユーザーモードで立ち上げてください。
# hddvadm -m(sd.conf の必要部が hddv.conf に移動し、退避した mphd.conf/mplb.conf ファイルが復活します。)
# touch /reconfigure
# /usr/sbin/shutdown -y -i6 -g0(定義ファイル復活によって、各種ドライバのインスタンス(mplb/mphd/hddv)が構築されます。)
# disks -C (Solaris 7 OS 以上で実施)
MPLB 2.1 以下の環境の場合
sd.conf ファイルで削除したターゲット ID が使用されない場合、sd.conf を編集し使用されなくなるターゲット ID を削除してください。(他のデバイスに対して使用している場合、削除してはいけません。)
# touch /reconfigure
# /usr/sbin/shutdown -y -i5 -g0
シングルユーザーモードで立ち上げてください。
# hddvadm -m(sd.conf の必要部が hddv.conf に移動し、退避した mphd.conf/mplb.conf ファイルが復活します。)
# touch /reconfigure
# /usr/sbin/shutdown -y -i6 -g0
# disks -C (Solaris 7 OS 以上で実施)
#iompadm コマンド の new コマンドでマルチパスを再度構築します。
ハードディスクドライバ(HDDV)とマルチパス制御(GR マルチパスドライバ、MPHD、MPLB)の両方とも使用していない環境の場合
# touch /reconfigure
# /usr/sbin/shutdown -y -i6 -g0
# disks -C (Solaris 7 OS 以上で実施)
本製品上からのアクセスパスの確認をしてください。
[Windows]装置を再起動してください。
[Linux]装置を再起動してください。
[HP-UX]装置を再起動してください。
[その他のサーバノード]デバイス削除認識をさせるための作業を行ってください。
サーバノード側のストレージアフィニティ(WWPN バインディング)は削除されますが、関連する /kernel/drv/sd.conf の LUN 設定は安全性を考慮し削除しません。定義を削除する必要がある場合は、直接サーバノード側の /kernel/drv/sd.conf ファイルを編集してください。