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TeamWARE Office 200X V3.0L10 管理者ガイド

15.7.2 バックアップユーティリティの操作

ユーザインターフェース

指定形式

tobkup -l level -d topath -b pathname [-id identifier]

tobkup -l level -d topath -y pathname[,pathname...] [-id identifier]

tobkup [-l level] -d topath -t

オペランドの説明
-l :

levelにレベル番号(0/1/2)を指定します。

-d :

topathにTeamWARE Officeのプログラムをインストールしたディレクトリのパス名をフルパスで指定します。

-b :

pathnameにバックアップ先の出力ファイル名または装置名をフルパスで指定します。
Windows Server®の場合、バックアップ先が磁気テープのときには¥¥.¥TAPEnを指定してください。nは0から9の番号で、ドライブに割り当てられた順に割り振ってください。テープ装置が1台しか搭載されていない場合は¥¥.¥TAPE0となります。
テープ装置は、NTBACKUPで使用可能デバイスに限ります。DLTやLTOなどのNTBACKUP以外のバックアップソフトウェアが必要な装置は使用することはできません。
Windows Server® 2008ではテープ装置を利用できません。
UNIX系システムでは、ファイル、キャラクターデバイスが指定できます。ブロックデバイスは指定できません。このオプションを指定した場合には、-yオプションを指定することはできません。

-y :

pathnameにバックアップ先のファイル名または装置名をフルパスで指定します。このオプションを指定した場合、「Input (y) or (n) when ready」などの、ユーザからの入力を待つメッセージ出力を抑止するとともに、ユーザへの確認はすべて"y"であると認識して動作します。また、バックアップ元が大容量で、バックアップ先をマルチボリュームにしたい場合には、",(カンマ)"で区切ると47個までファイル名または装置パス名を指定できます。
バッチ処理で本ユーティリティを使用する場合などに使用します。このオプションを指定した場合には、-bオプションを指定することはできません。

-t :

ほかのバックアップ ツールで採取したフルバックアップをレベル0バックアップとして利用する場合に指定します。-dオプションで指定されるディレクトリについて、バックアップ情報の"レベル0バックアップを行った時間"を現在の時間に変更し、ほかのバックアップツールによるものであることを記録します。詳細については、"15.6.2 バックアップ情報"を参照してください。
-lオプションで指定されるレベルは無視します。

-id :

identifierに8文字以内の半角英数字の識別子を指定します。バックアップ先として指定された媒体の識別子と当オペランドで指定された識別子が一致しない場合はエラー復帰します。
また、当オペランドが指定されない場合は、バックアップ先の識別子の有無にかかわらずバックアップを行います。なお、バックアップ先に識別子が付加されていた場合、識別子は削除されます。

注意

  • -yオプションは、テープや光磁気ディスクなど、カートリッジの交換の必要なバックアップ媒体でのマルチボリューム時には使用できません。また、バックアップ媒体がハードディスクの場合でも、-yオプションで指定されたバックアップ先媒体の合計容量が不足していた場合には、エラーメッセージを出力したあと、ユーザからの入力を待たずにただちに停止するので注意してください。

  • Windows Server®上でテープ装置上にバックアップ([tobkup]コマンド)を行うと、"Media error"のメッセージが出力されることがあります。これは使用する磁気テープが、未初期化のテープですので、必ずWindows Server®システムの管理ツール「バックアップ」([ntbackup]コマンド)の[テープの消去]コマンドを実行してからご使用ください。テープヘッダのみ書き直す[クイック消去]をお勧めします。[テープの消去]が終了したらWindows Server®システムの管理ツール「バックアップ」を必ず終了させてから[tobkup]コマンドを使用してください。

  • 磁気テープやUNIX系システムでキャラクターデバイスを使用する場合、1つの媒体に複数のバックアップを作成することはできません。

  • UNIX系システムでは、バックアップ先にファイルを指定した場合、1つのファイルへの書き込みは最大2GBまでとなります。バックアップ対象のデータが2GBを超え、かつ-yオプションを使用する場合は、バックアップファイルを複数指定してください。バックアップ対象のデータが3GBである場合の-yオプションを使用した例を、以下に示します。
      # tobkup -l 0 -d /to -y /dsk1/level0_1, /dsk1/level0_2

  • ディレクトリサーバにおいて、差分バックアップユーティリティによるバックアップを行った後は、必ず[toxdconf]コマンドを使用してエンタープライズディレクトリのバックアップを行ってください。ただし、エンタープライズディレクトリサービスを無効にしている場合、[toxdconf]コマンドによるバックアップを採取する必要はありません。

  • [tobkup]コマンドは差分情報を収集するため、媒体に差分データを出力するまでに時間がかかる場合があります。10万ファイルで約30分程度です。ただし、所要時間は動作環境に依存し、TeamWARE Officeのデータベースのファイル数にしたがって変化します。

  • UNIX系システムで、データベース(database ディレクトリ)をTeamWARE Officeのインストールディレクトリ(/to)と異なるパーティションに作成する場合、オンラインバックアップ中の更新データはTeamWARE Office のインストールディレクトリ配下に蓄積されます。TeamWARE Office のインストールディレクトリのパーティションに空きスペースが少ない場合、スペース不足のエラーなどが発生し、システムの運用に支障が出ることが考えられます。この場合は、マウントポイントを添付ファイル用データベースの一つ上のディレクトリに指定してください。
    <例>
    添付ファイル用データベースが"/to/server/mail/database"の場合、通常、作業用ディレクトリは"/to/server/mail/database.abu"に作成されます。データベースの配置を変える場合は、マウントポイントを"/to/server/mail"に設定してください。

指定形式

tobkweb arc

tobkweb rm

オペランドの説明
arc :

Webサービス固有のデータ(Webサービス用の「メールの署名」データ、「個人メモ」データ、「共有ブックマーク」データ)から、差分バックアップ可能なファイルを作成します。

rm :

Webサービス固有のデータ(Webサービス用の「メールの署名」データ、「個人メモ」データ、「共有ブックマーク」データ)から作成した、差分バックアップ可能なファイルを削除します。

差分バックアップユーティリティの操作方法

ここでは、以下の項目について、実際に画面上に表示される内容と操作方法を説明します。

差分バックアップユーティリティを実行するときは、UNIX系システムを使用している場合はTeamWARE Officeのシステム管理者のID、Windows Server®を使用している場合はTeamWARE Officeのシステム管理者のユーザ名でログインしてください。

なお、以降の操作例の文頭に記述される"#"マークは、UNIX系システムのコマンドのコマンドプロンプトを意味します。"C:¥teamware¥server>"は、Windows Server®でのコマンドプロンプトを意味します。パス名の表記方法はUNIX系システムのものに従っていますが、Windows Server®で行う場合は、Windows Server®のパス名の指示に従ってください。コマンドラインへの入力例は、Windows Server®およびUNIX系システムの両方の例を記述しますが、それ以降はUNIX系システムの例のみ記述します。

フルバックアップ(レベル0バックアップ)

操作方法
  1. バックアップ媒体を準備します。テープや光磁気ディスクの場合は装置に媒体をセットし、ディスクなどの場合はアクセスが可能な状態にします。

  2. コマンドラインより、以下のコマンドを入力します。

    • UNIX系システムの場合:

      #  tobkup -l 0 -d /to -b /dev/rmt0
    • Windows Server®の場合:

      C:¥teamware¥server>  tobkup -l 0 -d C:¥teamware¥server -b ¥¥.¥TAPE0
  3. バックアップコマンドが起動し、以下のメッセージが表示されます。

    Backup has started.
    TeamWARE OFFICE is not running.                  ◆サーバが起動していないことを表示します。
    
    Started backup as follows.
    ------------------------------------
    Level: 0                                         ◆バックアップレベルを表示します。
    Directory of TeamWARE OFFICE:/to                 ◆TeamWARE Officeのインストールディレクトリ、
    File or device for back up: /dev/rmt0              バックアップ先のパス名を表示します。
    ------------------------------------
    Input (y) or (n) when ready.... 
  4. "Input (y) or (n) when ready...."に"y"を入力します。バックアップを中断する場合は"n"を入力します。
    バックアップが開始され、以下のメッセージが表示されます。

    Now backing up to /dev/rmt0 (Level: 0 Volume: 1) ◆バックアップレベル/ボリュームを表示します。
    Finished backup (start21:017.0  end21:02:47)     ◆バックアップの開始・終了時刻を表示します。
    Directory+file          :  2217/  2217
    Backup Capacity (byte)  :  6922240/6922240       ◆バックアップ済バイト数/全バックアップ対象の
                                                       バイト数を表示します。
    Mark on the current media
    [TeamWARE OFFICE Backup Level:0 Vol:1 2008.08.06 21:017.0 ]
    Backup has ended.

差分バックアップ(レベル1、レベル2バックアップ)

差分バックアップ(レベル1、レベル2バックアップ)は、[tobkup]コマンドの-lオプションの指定以外はレベル0バックアップと同じ手順で行います。操作の手順については、上記のレベル0バックアップの操作方法を参照してください。

バックアップ先の媒体がいっぱいになった場合

バックアップ中にバックアップ先の媒体がいっぱいになった場合、そのあとの操作を指示する画面が表示されますので、目的とする操作の番号を指定します。以下のどちらかの操作を指定できます。

以下に、それぞれの場合について操作方法を説明します。

同じバックアップ先に次の媒体をセットする場合

操作方法
  1. バックアップ媒体 (テープまたは光磁気ディスク)を装置にセットします。

  2. コマンドラインより、以下のコマンドを入力します。

    • UNIX系システムの場合:

      #  tobkup -l 0 -d /to -b /dev/rmt0
    • Windows Server®の場合:

      C:¥teamware¥server>  tobkup -l 0 -d C:¥teamware¥server -b ¥¥.¥TAPE0

    バックアップコマンドが起動し、以下のメッセージが表示されます。

    Backup has started.
    TeamWARE OFFICE is not running.
    
    Started backup as follows.
    --------------------------------------------------
    Level: 0 
    Directory of TeamWARE OFFICE:/to 
    File or device for back up: /dev/rmt0 
    --------------------------------------------------
    Input (y) or (n) when ready....
  3. "Input (y) or (n) when ready...."に対し、バックアップを継続する場合は"y"を中断する場合は"n"を指定します。
    "y"を入力するとバックアップが開始され、以下のメッセージが表示されます。

    Now backing up to /dev/rmt0 (level: 0  Volume: 1)
    
    /dev/rmt0 backup media is full.
    What would you like to do next?
    --------------------------------------------------
    Exchange media for backup (Use the same storage device)
    Input other file or device.
    Quit.
    -------------------------------------------------- 
    Input number(1,2 or 3)→
  4. "1"を指定します。
    以下のメッセージが表示されます。

    mark on the current media                                  
    [TeamWARE OFFICE Backup Level:0 Vol:1 2008.08.06 21:26:59] 
    Remove the media, and set new one
    Push return key when ready ...
  5. 現在の媒体を取り出し、[TeamWARE OFFICE Backup Level:0 Vol:1 2008.08.06 21:26:59]と記録します。新しい媒体をセットし、[RETURN]キーを押します。
    このとき、誤って現在のバックアップ媒体を上書きしないように注意してください。

別のバックアップ先を指定する場合

操作方法
  1. バックアップ先のディスクをアクセスが可能な状態にします。
    コマンドラインより、以下のコマンドを入力します。

    • UNIX系システムの場合:

      #  tobkup -l 0 -d /to -b /dev/rmt0
    • Windows Server®の場合:

      C:¥teamware¥server> tobkup -l 0 -d C:¥teamware¥server -b ¥¥.¥TAPE0

    バックアップコマンドが起動し、以下のメッセージが表示されます。

    Backup has started.
    TeamWARE OFFICE is not running now.
    
    Started backup as follows.
    --------------------------------------------------
    Level: 0 
    Directory of TeamWARE OFFICE:/to 
    File or device for back up: /dev/rmt0 
    --------------------------------------------------
    Input (y) or (n) when ready....
  2. "Input (y) or (n) when ready...."に対し、バックアップを継続する場合は"y"を、中断する場合は"n"を指定します。
    "y"を指定すると、バックアップが開始され、以下のメッセージが表示されます。

    Now backing up to /dev/rmt0 (level: 0  Volume: 1)
    
    /dev/rmt0 backup media is full. 
    What would do you like to do next?
    --------------------------------------------------
    Exchange media for backup (Use the same storage device)
    Input other file or device
    Quit.
    -------------------------------------------------- 
    Input number(1,2 or 3)→
  3. 2.のメッセージに対し、"2"を指定します。
    以下のメッセージが表示されます。

    Mark on the current media
    [TeamWARE OFFICE Backup Level:0 Vol:1 2008.09.01 22:217.5]
    
    Input the full path of the file or device for backup.
    → 
  4. 3.のメッセージに対し、次のバックアップ先のフルパス名を指定します。
    以下のメッセージが表示されます。
    以下は、/backup/1000を指定した例です。

    -------------------------------------------------
    File or device for backup: /backup/1000         ◆指定したフルパス名が表示されます。
    --------------------------------------------------
    Input (y) or (n) when ready....
  5. 4.で指定したフルパス名が正しければ"y"を、誤っていれば"n"を指定します。
    ここで"n"が指定されると、再度4.のバックアップ先の入力を促すメッセージが出力されます。

ほかのバックアップツールで採取したフルバックアップを
レベル
0バックアップとして使用する場合

ほかのバックアップツールで採取したフルバックアップをレベル0バックアップとして利用する場合は、その直後に必ず本バックアップユーティリティが管理するバックアップ情報にレベル0バックアップの記録を行ってください。この操作を行わなかった場合、そのあとのレベル1およびレベル2のバックアップができない、またはハードウェアクラッシュなどでシステムを再インストールした場合のリストアが正しく行えないことがあります。

操作の手順は以下のとおりです。

操作方法

コマンドラインより、以下のコマンドを入力します。

  • UNIX系システムの場合:

    #  tobkup -d /to -t
  • Windows Server®の場合:

    C:¥teamware¥server> tobkup -d C:¥teamware¥server -t

コマンドが起動し、以下のメッセージが表示されます。

Backup has started.
TeamWARE OFFICE is not running now.

Recorded Level 0 backup with the current time
[2008.08.06 23:13:56]
Backup has ended.

注意

レベルの違うバックアップは、異なる媒体に行い、誤って上書きしないように十分注意してください。