Interstage Application Server チューニングガイド
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第5章 システムのチューニング> 5.1 Application Serverのサーバ機能運用時に必要なシステム資源> 5.1.4 イベントサービスのシステム環境の設定

5.1.4.1 システムパラメタ

 一般的なイベントサービスが使用する共用メモリ、セマフォのシステムパラメタのチューニングについて説明します。
 イベントサービスの他に共用メモリ、セマフォ、メッセージキューを使用するアプリケーションが存在する場合、そのアプリケーションが使用する資源にイベントサービスの資源量を加算してください。

システムパラメタの変更方法

 /etc/sysctl.confを編集し、パラメタ値を変更します。変更後は“sysctl -p /etc/sysctl.conf”を実行するか、システムをリブートしてください。

 イベントサービスで必要となるシステム資源について、以下に示します。

 以降の説明で、「種類」の意味は以下のとおりです。

共用メモリ

パラメタ

種類

必要数

備考(内容)

kernel.shmmax

設定値

1040バイト × イベントチャネル最大作成数(注1)
 
+ 600Kバイト

共用メモリの最大セグメントサイズ
(グローバルトランザクションを使用しない場合)

1040バイト × イベントチャネル最大作成数(注1)
 
+ 184バイト
 × 同時実行可能なグローバルトランザクション数(注2)
 + 600Kバイト

共用メモリの最大セグメントサイズ
(グローバルトランザクションを使用する場合)

17 × 1024 × 1024
 + 576 × トランザクションの多重度
 + 88 × (システム用データ格納域の数
  + イベントデータ用データ格納域の数)
 + ユニットで使用する共用メモリサイズ
  
× 1024 × 1024 バイト (ユニット単位に加算) (注3)

共用メモリの最大セグメントサイズ
(不揮発運用の場合)

イベントデータの平均サイズ(注4)
 
× MessageQueueDirectorのイベントチャネル連携サービスのサービス定義で指定したCHANNELセクションのpackmsg_cntキーワード値
 × 23 − 42 × 1024 × 1024 バイト
ただし、上記値が0より小さい場合は、設定不要。

共用メモリの最大セグメントサイズ(MessageQueueDirectorのイベントチャネル連携サービスのパッキング転送機能を使用する場合)

kernel.shmmni

加算値

4

共用メモリの識別子数
(揮発運用の場合)

kernel.shmmni

加算値

100以上の値 (ユニット単位に加算)

共用メモリの識別子数
(不揮発運用の場合)

(注1)
イベントチャネル最大作成数 =
 静的生成イベントチャネル最大作成数+動的生成イベントチャネル最大作成数
(注2)
同時実行可能なグローバルトランザクション数 =
 イベントサービスの構成情報管理コマンド(essetcnf)による-gtrnmaxオプションの設定値
(注3)
トランザクションの多重度 =
 ユニット作成コマンド(esmkunit)によるユニット定義tranmaxの設定値
システム用データ格納域の数 =
 ユニット作成コマンド(esmkunit)によるユニット定義sysqnumの設定値
イベントデータ用データ格納域の数 =
 ユニット作成コマンド(esmkunit)によるユニット定義userqnumの設定値
ユニットで使用する共用メモリサイズ =
 ユニット作成コマンド(esmkunit)によるユニット定義shmmaxの設定値
 (ユニットで使用する共用メモリサイズが42より小さい場合は、42)
(注4)
[アプリケーション内で送受信するイベントデータの平均サイズが2Kバイト以内の場合]
 イベントデータの平均サイズ =
  ((アプリケーション内で送受信するイベントデータの平均サイズ+1)/512)×512バイト
  (小数点以下は、切り上げ)
[アプリケーション内で送受信するイベントデータの平均サイズが2Kバイトを超える場合]
 イベントデータの平均サイズ =
  2K+((アプリケーション内で送受信するイベントデータの平均サイズ-2K)/16K)×16Kバイト
  (小数点以下は、切り上げ)

セマフォ

 セマフォの設定値は、各パラメタの値を以下の形式で指定します。
  kernel.sem = para1 para2 para3 para4

パラメタ

種類

必要数

備考(内容)

para1

設定値

29

セマフォ識別子あたりの最大セマフォ数

para2

加算値

6 以上

システム全体のセマフォ数
(揮発運用の場合)

para2

加算値

ユニット数 × 29 + 13以上

システム全体のセマフォ数
(不揮発運用の場合)

para3

設定値

29

セマフォコールあたりの最大演算子数

para4

加算値

ユニット数 × 256

システム全体のセマフォ識別子数

メッセージキュー

パラメタ

種類

必要数

備考(内容)

kernel.msgmax

設定値

2,048以上

メッセージの最大サイズ
(不揮発運用の場合)

kernel.msgmnb

設定値

4,096以上

待ち行列上の最大バイト数
(不揮発運用の場合)

kernel.msgmni

加算値

ユニット数 × 9

メッセージキューIDの数
(不揮発運用の場合)


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