バックアップの前後処理のシェルスクリプトについて、カスタマイズ方法を以下に説明します。
ボリュームグループをバックアップする場合
ファイルシステムが構築された論理ボリュームを含むボリュームグループがバックアップ対象の場合は、前後処理のシェルスクリプトを修正する必要があります。
シェルスクリプトを修正後、前処理のシェルスクリプト(OpcBackup.pre)の75行目のexit文をコメント(“#”)化してください。
前処理のシェルスクリプト(OpcBackup.pre)の79~148行目、および後処理のシェルスクリプト(OpcBackup.post)の78~153行目について、ファイルシステムが構築された全ての論理ボリュームに対してアンマウント/マウント処理が実施されるように記述を適宜修正してください。(“X”)で示す箇所は実際の環境に合わせて変更してください。また、複数の論理ボリュームが対象となる場合は、前処理のシェルスクリプト(OpcBackup.pre)の115~147行目および、後処理のシェルスクリプト(OpcBackup.post)の116~147行目のコメントをはずし、これらの処理をボリューム数分記述してください。
注意
カスタマイズをしていない状態では、ボリュームグループに対する前処理はエラーとなります。
注意
バックアップボリュームがボリュームグループの場合は、バックアップ前処理において、バックアップボリュームを非活性にします。
注意
mountコマンドなどのOSコマンドのパラメーターやオプションなどは運用に合わせて、適宜修正してください。
VERITAS Cluster Serverでクラスタ運用する場合
VERITAS Cluster Serverでクラスタ運用を行う場合で、業務ボリュームのマウントポイントがクラスタ業務に登録されている場合は、前後処理のシェルスクリプトのカスタマイズが必要となります。
前後処理のシェルスクリプト内のマウント/アンマウント処理を、マウントポイントリソースのオフライン/オンライン処理に変更してください。
また、マウントポイントリソースのオフライン/オンラインを行ってから、実際にボリュームがアンマウント/マウントされるまでに時間差があります。そのため実際にアンマウント/マウントされるまで待ち合わせる処理(sleepやdfコマンドの結果を監視するなど)をオフライン/オンラインの成否を判定する個所の後に追加してください。
以下に前後処理のシェルスクリプトのカスタマイズ例を示します。
[例] バックアップ前処理のシェルスクリプト(OpcBackup.pre)のアンマウント処理変更
[85、94、116、119、127行目]
(変更前) | /usr/sbin/umount $mount_point |
(変更後) | /opt/VRTSvcs/bin/hares -offline リソース名 -sys システム名 |
[例] バックアップ前処理のシェルスクリプト(OpcBackup.pre)のアンマウント待ち処理追加
[114,148行目]
(追加) | mount_status="mounted" |
[例] バックアップ後処理のシェルスクリプト(OpcBackup.post)のマウント処理変更
[88、97、121、130行目]
(変更前) | /usr/sbin/mount $lvname $lv_mount_point |
(変更後) | /opt/VRTSvcs/bin/hares -online リソース名 -sys システム名 |
[例] バックアップ後処理のシェルスクリプト(OpcBackup.post)のマウント待ち処理追加
[115、148行目]
(追加) | mount_status="not_mounted" |