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ETERNUS SFAdvancedCopy Manager 13.4 運用手引書

7.8.2 物理ディスク単位のレプリケーション運用

ボリュームグループの構成が、ボリュームグループ単位での運用条件を満たしていない場合は、物理ディスク単位で操作することによりレプリケーション運用を行うことができます。

物理ディスク単位に運用する場合は、ボリュームグループとしての整合性を保つ必要があることから、ボリュームグループ内のすべての物理ディスクを同期をとって操作しなければなりません。

ポイント

同期を取る必要がある物理ボリュームを確認する方法については、「9.3.10 デバイス情報表示コマンド(stgxfwcmdispdev)」または『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager GUI使用手引書』の「同一のコピー領域を使用するデバイスの表示」を参照してください。

注意

クラスタ構成で運用する場合、クラスタを構成する全てのサーバにおいて、ボリュームグループを構成する物理ディスクのデバイス名(/dev/(r)hdisk#)が同じであり、デバイス名が指すETERNUSのディスクも同じである必要があります。

図7.51 物理ディスク単位の運用を行う構成の例

7.8.2.1 運用設計

複製元ボリュームがボリュームグループの場合、複製作成後に複製先ボリュームを使用するためには、複製先ボリュームは複製元ボリュームと同一の論理ボリューム構成かつ同一の物理ディスクサイズのボリュームグループである必要があります

図7.52 複製元ボリュームと複製先ボリューム

7.8.2.2 事前準備

7.8.2.2.1 複製元ボリューム/複製先ボリュームの設定

複製元ボリューム/複製先ボリュームを設定する際は、ボリュームグループ内のすべての物理ディスクを設定します。

[例]

# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpsetvol /dev/hdisk10 /dev/hdisk20
swsrpsetvol completed
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpsetvol /dev/hdisk11 /dev/hdisk21
swsrpsetvol completed
#

7.8.2.3 物理ディスク単位のレプリケーションの実行

ボリュームグループ内のすべての物理ディスクを同期をとって操作します。

必要な前後処理は、レプリケーションの操作を行う前後にボリュームグループ単位で実施し、各物理ディスクを操作する際には、前後処理を動作させないようにします。

[スナップショット型レプリケーションの例]

(複写元/複写先に対する前処理を行う)

# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -f -t /dev/hdisk10 /dev/hdisk20
FROM=/dev/hdisk10@SV1, TO=/dev/hdisk20@SV1 swsrpmake completed
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -f -t /dev/dsk/c1t0d11 /dev/dsk/c1t0d21
FROM=/dev/hdisk11@SV1, TO=/dev/hdisk21@SV1 swsrpmake completed
#

(複写元/複写先に対する後処理を行う)

[同期型レプリケーションの例]

(複写先に対する前処理を行う)

# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync -t /dev/hdisk10 /dev/hdisk20
FROM=/dev/hdisk10@SV1, TO=/dev/hdisk20@SV1 swsrpstartsync completed
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync -t /dev/hdisk11 /dev/hdisk21
FROM=/dev/hdisk11@SV1, TO=/dev/hdisk21@SV1 swsrpstartsync completed

(等価性維持状態後)

(複写元に対する前処理を行う)

# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -f -t /dev/hdisk10 /dev/hdisk20
FROM=/dev/dsk/c1t0d10@SV1, TO=/dev/dsk/c1t0d20@SV1 swsrpmake completed
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -f -t /dev/hdisk11 /dev/hdisk21
FROM=/dev/hdisk11@SV1, TO=/dev/hdisk21@SV1 swsrpmake completed
#

(複写元/複写先に対する後処理を行う)

レプリケーションの前後で実施する前後処理は以下。

表7.6 レプリケーションの前後処理

  

前処理

後処理

複写元

  1. ボリュームグループ内のすべての論理ボリュームへのアクセスを停止し、データの整合性を確保します。

  2. ファイルシステムが含まれる場合は、ボリュームグループ内のすべてのファイルシステムをアンマウントします。

ファイルシステムが含まれる場合は、前処理でアンマウントしたボリュームをマウントします。

複写先

  1. ボリュームグループ内のすべての論理ボリュームへのアクセスを停止します。

  2. ファイルシステムが含まれる場合は、ボリュームグループ内のすべてのファイルシステムをアンマウントします。

  3. ボリュームグループを非活性状態にします。

  1. ボリュームグループを再構成します。

  2. ファイルシステムが含まれる場合は、前処理でアンマウントしたボリュームをマウントします。

ボリュームグループの非活性化

ボリュームグループの非活性化は、以下の手順で行います。

# /usr/sbin/varyoffvg vg02
#

ボリュームグループの再構成

ボリュームグループの再構成は、以下の手順で行います。

  1. chdevコマンドを使用して、一時的に複写先ボリュームをLVMから削除します。

    # /usr/sbin/chdev -l hdisk20 -a pv=clear
    # /usr/sbin/chdev -l hdisk21 -a pv=clear
  2. exportvgコマンドを使用して、複写先ボリュームをエクスポートします。

    # /usr/sbin/exportvg vg02
  3. 論理ボリューム名の対応ファイル作成します。

    lvol11:lvol21
    loglv11:loglv21
    lvol12:lvol22
    loglv12:loglv22
  4. recreatevgコマンドを使用して、複写先ボリュームのLVM管理情報を書き換えます。

    # /usr/sbin/recreatevg -l <論理ボリューム名の対応ファイル> -L /fs -y vg02 hdisk20 hdisk21
  5. chfsコマンドを使用して、マウントポイントを変更します。

    # /usr/sbin/chfs -m /mnt21 /fs/mnt11
    # /usr/sbin/chfs -m /mnt22 /fs/mnt12