| Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド (CORBAサービス編) | 
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| 第5章 アプリケーションの開発(C++言語) | > 5.5 varクラス | 
Any_varクラスはAny型データを扱うためのいくつかのメンバ関数を提供します。
  class Any_var {
    public: 
        Any_var();                              // デフォルトコンストラクタ
        Any_var( Any *);                        // Any*コンストラクタ
        Any_var( const Any_var & );             // コピーコンストラクタ
        ~Any_var();                             // デストラクタ
        Any_var  &operator=( Any * );           // Any*代入演算子
        Any_var  &operator=( const Any_var & ); // 代入演算子
        Any       *operator->();                // ポインタ演算子
        operator  Any*()    const;              // 交換演算子
    private: 
        Any       *_ptr; 
  };
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 Any_varクラスのメンバ  | 
 意味  | 
| 
 デフォルトコンストラクタ  | 
 インスタンス生成時、_ptrを0に初期化します。  | 
| 
 Any*コンストラクタ  | 
 インスタンス生成時、パラメタで指定されたAnyポインタを_ptrに代入します。  | 
| 
 コピーコンストラクタ  | 
 インスタンス生成時、指定されたパラメタの_ptrのデータのコピーを作成し、自身の_ptrに設定します。  | 
| 
 デストラクタ  | 
 _ptrの指す領域を解放します。  | 
| 
 Any* 代入演算子  | 
 右辺で指定されたAny*ポインタを_ptrに代入します。  | 
| 
 代入演算子  | 
 右辺で指定されたAny_varの_ptrに設定されているデータのコピーを作成し、そのポインタを_ptrに設定します。  | 
| 
 ポインタ演算子  | 
 _ptrに設定されているデータを取り出します。  | 
| 
 交換演算子  | 
 _ptrに設定されているデータを取り出します。  | 
デフォルトコンストラクタは、インスタンス生成時、_ptrに0を設定します。デフォルトコンストラクタの使用例と処理内容を以下に示します。
  CORBA::Any_var any;        // デフォルトコンストラクタが起動されます。
  CORBA::Any_var::CORBA::Any_var()
  {
      _ptr = 0; 
  }
Any*コンストラクタは、インスタンス生成時、パラメタで指定されたAnyポインタを_ptrに代入します。Any*コンストラクタの使用例と処理内容を以下に示します。
  CORBA::Any *data = new CORBA::Any();
  CORBA::Long x = 3; 
  (*data) <<= x; 
  CORBA::Any_var  any(data);    // Any*コンストラクタが起動されます。
  CORBA::Any_var::Any_var( Any *p ) 
  {
      _ptr = p; 
  }
コピーコンストラクタは、インスタンス生成時、パラメタで指定されたAny_var変数に設定されている_ptrのコピーを作成し、自身の_ptrに代入します。コピーコンストラクタの使用例と処理内容を以下に示します。
  CORBA::Any *data = new CORBA::Any();
  CORBA::Long x = 3; 
  (*data) <<= x; 
  CORBA::Any_var  any(data);     // Any*コンストラクタが起動されます。
  CORBA::Any_var  any2( any );   // コピーコンストラクタが起動されます。
  CORBA::Any_var::Any_var( const CORBA::Any_var &r ) 
  {
      ...    // rの_ptrを取り出し、そのコピーを_ptrに設定します。
  }
デストラクタは、インスタンス解放時、_ptrに設定されている領域を解放します。デストラクタの使用例と処理内容を以下に示します。
  func()
  {
      CORBA::Any *data = new CORBA::Any();
      CORBA::Long x = 3; 
      (*data) <<= x; 
      CORBA::Any_var  any(data);  // Any*コンストラクタが起動されます。
      CORBA::Any_var  *any2 = new Any_var( any ); 
      // コピーコンストラクタが起動されます。
      delete any2;    // デストラクタが起動されます。
  }   // 自動変数anyの解放時にデストラクタが起動されます。
  CORBA::Any_var::~Any_var()
  {
      delete _ptr; 
  }
Any*代入演算子は、右辺で指定されたAny*ポインタを_ptrに設定します。すでに_ptrにデータが設定されている場合には、解放した後、処理を行います。Any*代入演算子の使用例と処理内容を以下に示します。
  CORBA::Any_var  var_data; 
  CORBA::Any *data = new CORBA::Any();
  CORBA::Long x = 3; 
  (*data) <<= x; 
  var_data = data; // Any *代入演算子が起動されます。
  CORBA::Any_var::operator=( Any *p ) 
  {
      if( _ptr ) 
          delete _ptr; 
      _ptr = p; 
  }
  CORBA::Any_var::operator=( const Any_var &r ) 
  {
      if( _ptr ) 
          delete _ptr; 
      ...    // rの_ptrを取り出し、そのコピーを_ptrに設定します。
  }
代入演算子は、右辺で指定されたAny_varのptrに設定されているデータのコピーを作成し自身の_ptrに代入します。すでに_ptrにデータが設定されている場合には、解放した後、処理を行います。代入演算子の使用例と処理内容を以下に示します。
  CORBA::Any_var  var_data; 
  CORBA::Any *data = new CORBA::Any();
  CORBA::Long x = 3; 
  (*data) <<= x; 
  var_data = data;    // Any *代入演算子が起動されます。
  CORBA::Any_var var_data2 = var_data; 
                     // 代入演算子が起動されます。
ポインタ演算子は、_ptrに設定されているポインタを返します。ポインタ演算子の使用例と処理内容を以下に示します。
  CORBA::Any_var  var_data; 
  CORBA::Any *data = new CORBA::Any();
  CORBA::Long x = 3; 
  (*data) <<= x; 
         
  CORBA::Long  *p = var_data->value();
  // ポインタ演算子が起動され、CORBA::Any *データが取り出され、
  // そのCORBA::Any*データに対してvalueメソッドを起動します。
  CORBA::Any_var::operator->()
  {
      return _ptr; 
  }
交換演算子は、_ptrに設定されているポインタを返します。交換演算子の使用例と処理内容を以下に示します。
  CORBA::Any_var  var_data; 
  CORBA::Any *data = new CORBA::Any();
  CORBA::Long x = 3; 
  (*data) <<= x; 
  CORBA::Any  *p = (CORBA:;Any*)var_data; 
  // 交換演算子が起動され、CORBA::Any *データが取り出されます。
  CORBA::Any_var::operator CORBA::Any*()
  {
      return _ptr; 
  }
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