本日起動予定のジョブネットが、起動されないまま日変わり時刻を越えてしまった場合に、スケジュールの再作成を行わずに、翌日にスケジュールを持ち越すことができます。翌日までスケジュールを持ち越した場合、前日の残りの起動条件を待ち合わせます。
持ち越しが行われると、ガントチャートなどのジョブネット状態の監視ウィンドウやコマンドで、ジョブネットの状態を持ち越し状態として確認できます。
持ち越しの対象となるジョブネットは、以下の条件にすべて該当する場合のみになります。
[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[基本情報]シートの[起動条件]において、時刻起動が1つだけ、または[メッセージ事象発生時のみ起動]が指定されている
[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[メッセージ]シートで、[日変わり時刻到来時に持ち越し処理を行う]が指定されている
待ち合わせるメッセージ事象が発生しないため未起動のまま日変わり時刻を越えている
注意
[メッセージ事象発生時のみ起動]が指定されているジョブネットの持ち越しについて
[メッセージ事象発生時のみ起動]で[起動日のみ有効]が指定されているジョブネットを持ち越した場合、持ち越された日が非起動日であったときは、メッセージ事象の発生は無視されます。持ち越された日が非起動日であった場合でも、メッセージ事象の発生により、ジョブネットを起動させたいときには、あらかじめ[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[メッセージ]シートの[起動日のみ有効]を設定せずにジョブネットを登録しておいてください。
持ち越しを行う場合は、以下のどちらかの方法によって定義します。定義方法を以下に説明します。
[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[基本情報]シートおよび[メッセージ]シートによる定義
図4.39 [ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[基本情報]シート
ジョブネットを時刻により起動する場合に、起動する時刻を指定します。
特定のメッセージ事象が発生した時にだけ、ジョブネットを起動する場合に指定します。
図4.40 [ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[メッセージ]シート([メッセージ事象発生時のみ起動]が指定されていない場合)
メッセージ事象が発生しても、起動時刻になるまで、ジョブネットの起動を待つ場合に指定します。
ジョブネットが未実行のまま日変わり時刻を迎えた場合に、前日の起動予定日時を持ち越したいときに指定します。
[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[基本情報]シートの[起動条件]で、[メッセージ事象発生時のみ起動]を指定した場合、以下の[ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[メッセージ]シートが表示されます。
図4.41 [ジョブネットのプロパティ]ウィンドウ-[メッセージ]シート([メッセージ事象発生時のみ起動]を指定している場合)
[メッセージ事象発生時のみ起動]を指定し、ジョブネットが未実行のまま日変わり時刻を迎えた場合に、前日の起動予定日時を持ち越したいときに指定します。Systemwalker Operation Manager V13.1.0以前のサーバに接続した場合は、指定できません。
jobschsetnetコマンドによる定義
jobschsetnetコマンドによる定義方法、および定義済のジョブネットの表示方法について説明します。
jobschsetnetコマンドによる定義方法
ジョブネット制御文に以下の指定をします。
時刻起動(単一起動)は、starttimeオペランドを指定して、ジョブネットの起動時間を設定します。
メッセージ事象発生時のみ起動は、msgonlyオペランドにONを設定します。
日変わり時刻到来時の持ち越し処理は、carryoverオペランドにSET(指定あり)を指定します。
-nentまたは-ncheオペランドを指定してjobschsetnetコマンドを実行します。“定義ファイル”には、1.で編集したジョブネット制御文を格納したファイル名を指定します。
jobschsetnetコマンドおよびジョブネット制御文については、“Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”の“ジョブスケジューラコマンド”を参照してください。
定義済みのジョブネットの表示方法
定義済のジョブネットは、jobschprintコマンドに-a(-A)オプションまたは-rオプションを指定して表示することができます。-a(-A)オプションを指定した場合、時刻起動は“Start Time”に、メッセージ事象発生時のみ起動は“<MSG>”に、日変わり時刻到来時に持ち越し処理を行う指定は“Carry Over:”に表示されます。-rオプションを指定した場合、時刻起動は“starttime”に、メッセージ事象発生時のみ起動は“msgonly”に、日変わり時刻到来時に持ち越し処理を行う指定は“carryover”に表示されます。
jobschprintコマンドについては、“Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”の“ジョブスケジューラコマンド”を参照してください。
なお、日変わり時刻到来時の持ち越し処理については、メッセージ事象制御文のcarryoverオペランドにSET(指定あり)を指定し、jobschsetnetコマンドの-sentオペランドを指定して制御文を登録することもできます。
詳細については、Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”の“ジョブスケジューラコマンド”を参照してください。
参考
持ち越し状態のジョブネットに対して持越解除操作を行うことにより、持ち越したスケジュールを破棄し、新たなスケジュールを作成することができます。