本項では、運用形態に応じて利用する機能について説明します。
サービス・アプリケーション起動機能は、以下に示す機能によって、OS起動時に業務環境を自動的に構築します。本節では、各機能について概要を説明します。
サービス起動機能【Windows版】
アプリケーション起動機能
サーバの電源が投入され、OSが起動する時に、あらかじめ設定されたサービススケジュールに従って、サービスを自動的に起動します。サービススケジュールとは、起動するサービスとその起動順序を指定した情報のことです。
起動したサービスは、電源を切断する前に、起動とは逆の順序で終了します。
イベント監視機能を使用すると、“システム異常を知らせるメッセージの出力”などのイベントが発生した時に、“システム管理者へショートメールの送信”や“イベントに対処するアプリケーションの起動”といったアクションを、人手を介さずに自動的に行うことができます。自動的に実行するアクションは、平日や休日、あるいは時間帯によって替えることができます。
イベントログファイルに出力されるメッセージ。
形式は、Windowsサーバのイベントビューアで確認できます。
ログファイルに出力されるテキストの増分。
増分がメッセージとして監視されます。形式は、“ラベル名+メッセージ(1行単位)”です。
Systemwalker Centric Manager(システム監視)で扱うメッセージ。
定義先システムより論理的階層が下位に位置する、システム監視エージェントより送られてくる中継メッセージです。Systemwalker Centric Managerを導入している場合に監視できます。
形式は、Systemwalker Centric Managerの監視画面のイベント一覧で確認できます。
メッセージの読上げ、WAVファイルの再生、またはBEEP音による通知
E-Mailで任意の文書を通知
ポップアップメッセージで任意のメッセージを通知
ショートメールで任意のメッセージを通知
SNMPトラップを発行
アプリケーションを起動
メッセージ監視(Systemwalker Centric Managerを導入している場合)
該当するイベントをSystemwalker Centric Managerの監視画面のイベント一覧に表示
任意のメッセージをイベントログに出力
リモートコマンド(Systemwalker Centric Managerを導入している場合)
Systemwalker Centric Managerのシステム監視を介して、リモートコマンドを発行
アクション管理機能を使用すると、イベント監視機能によって自動実行される、音声通知、メール送信、ポップアップメッセージ通知およびショートメール通知を監視および操作することができます。本節では、各機能について概要を説明します。
アクションの監視・操作
アクションの実行API
アクション管理機能では、アクションの実行状況を監視することができます。監視したいアクション種別だけをアクション管理ウィンドウに表示させることができるので、アクションの実行状況を一目で監視できます。また、アクションの情報は一覧表示だけでなく、アクションごとに詳細な情報を表示することもできます。
さらに、アクションに対して、実行の一時停止や削除などの操作を行うことができます。実行されるアクションが多いなどの理由でアクションが実行されない時に、アクションの実行順序を変更して、ほかのアクションよりも先に実行させることができます。
アクション管理機能は、アクションを実行するためのAPIを提供しています。
例えば、このAPIを使って作成したプログラムをジョブスケジューラのジョブとして登録することで、アクションをスケジューリングしたり、ジョブが異常終了した時にシステム管理者へショートメールを送信することができます。
アクションの実行APIの詳細は、“Systemwalker Operation Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。
バックアップ連携は、ARCserve(データを自動バックアップするプログラムです)の機能を、コマンドを使って利用できるようにする機能です。
バックアップ連携を使ってできる処理内容の概要を以下に示します。
ジョブスクリプトを実行する
データをバックアップする
バックアップしたデータをリストアする
ファイル/ディレクトリをコピーする
バックアップに使用する媒体をフォーマットする など
バックアップ連携を使用する場合、ARCserveは必須です。ARCserveのコマンド(cabatch)を使用することで連携できます。
連携方法は、ARCserveのマニュアルを参照してください。
なお、バックアップ連携コマンドをジョブスケジューラに登録して、ARCserveのジョブスクリプトに従って自動的に処理させる運用もできます。
ARCserveのコマンド(cabatch)をジョブスケジューラに登録して運用するイメージを以下に示します。
運用イメージ
業務連携は、サーバとサーバ間またはサーバとクライアント間での業務データなどのやりとりを、コマンドで実行できるようにする機能です。
業務連携機能を使ってできる処理の概要を以下に示します。
ファイルを転送する
ファイルを圧縮/伸長する
ファイルを操作する
アプリケーションを起動する
リモートアクセスを制御する【Windows版】
クライアントの電源投入/切断を制御する
業務連携のコマンドを使うことで、今までJCLやバッチファイルを作成して行っていた以下のような処理も簡素化されます。
サーバとサーバ間での処理例
サーバ上で圧縮したデータファイルを他のサーバに転送する。
転送先のサーバ上でファイルを伸長した後、アプリケーションを起動する。
処理結果を転送元のサーバに送り返して、元のデータを更新する。
サーバとクライアント間での処理例
クライアントの電源を投入する。
サーバ上で圧縮したデータファイルをクライアントに転送する。
転送先のクライアント上でファイルを伸長した後、アプリケーションを起動する。
処理結果を転送元のサーバに送り返して、元のデータを更新する。
処理完了後、クライアントの電源を切断する。
なお、業務連携コマンドをジョブスケジューラに登録して、自動的に処理させるのが、業務連携の基本的な運用形態です。