Interstage Application Server/Interstage Web Server チューニングガイド
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第7章 JDK/JREのチューニング> 7.2 FJVM

7.2.6 Java VM終了時における状態情報のメッセージ出力機能

 特別なメッセージ出力などがないまま、Javaプロセスが予想外の状態で終了してしまった場合の原因の1つとして、Javaアプリケーションが以下のいずれかの処理を実行した場合が考えられます。

 以降は、java.lang.System.exit()(以降、System.exit()と略する)で代表して説明します。

 System.exit()の実行によりJavaアプリケーションが明示的にJavaプロセスを終了させた場合、Java VM側から見ると正常な仕様動作であるため、Java VMとして特別なメッセージ出力などは行いません。このため、ソースがないなど、内部処理動作の詳細が不明なJavaアプリケーションが予想外の状態で終了した場合には、ソース確認などが行えないため、System.exit()が実行されたかどうかを確認することができません。

 このためFJVMでは、Javaプロセス終了時にSystem.exit()が実行されたかどうかを確認可能にするための機能を、「Java VM終了時における状態情報のメッセージ出力機能」として実装しています。
 Java VM終了時における状態情報のメッセージ出力機能は、図1のオプションを指定した場合に有効となります。

図1 Java VM終了時における状態情報のメッセージ出力機能を有効にするオプション

-XX:+VMTerminatedMessage

 本機能が有効な場合、JavaプロセスがSystem.exit()の実行で終了した場合には、System.exit()を実行したスレッドのスタックトレース情報などが、図2のような形で標準出力へ出力されます。スタックトレース情報の出力の有無および内容を確認することにより、System.exit()実行の有無を確認することができます。
 なお、標準出力への出力結果は、FJVMのログ情報としてファイルへも格納されます。ファイル名や格納先はJava VM異常終了時のログ出力時と同じです。“FJVMログ”を参照してください。

 そして、本機能が有効な場合で、かつJavaプロセス終了時に図2のようなスタックトレースの情報が出力されなかった場合(「#### JavaVM terminated: *」から始まるメッセージ出力だけの場合)は、System.exit()が使用されず、Javaアプリケーション側の制御論理として終了したと考えられます。
 また、本機能が有効な場合で、かつJavaプロセス終了時に図2のような情報が何も出力されなかった場合は、ネイティブモジュールの中からCランタイムのexit()関数呼び出しによりJavaプロセスが終了したなど、別原因によるJavaプロセスの終了だと考えられます。

図2 Java VM終了時における状態情報のメッセージ出力機能による出力例

Thread dump at JVM_Halt(status code=1234):
"main" prio=5 tid=0x00286240 nid=0x394 runnable [6f000..6fc10]
at java.lang.Shutdown.halt(Native Method)
at java.lang.Shutdown.exit(Shutdown.java:211)
- locked <0x16b66d48> (a java.lang.Class)
at java.lang.Runtime.exit(Runtime.java:90)
at java.lang.System.exit(System.java:715)
at JVM_Halt.main(JVM_Halt.java:5)

#### JavaVM terminated: Java HotSpot(TM) Server VM (1.5.0_FUJITSU_MODIFIED-B** mixed mode),
[pid=21388] TimeMillis=1169451586436 Time=Mon Jan 22 16:39:46 2007

 図2の出力例の場合、JVM_Halt.main()がSystem.exit()を実行し、その結果としてJavaプロセスが終了したことを確認することができます。


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