ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 13.2 -HP-UX-
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第7章 レプリケーション運用> 7.8 LVMボリュームの運用

7.8.2 物理ディスク単位のレプリケーション運用

ボリュームグループの構成が、ボリュームグループ単位での運用条件を満たしていない場合は、物理ディスク単位で操作することによりレプリケーション運用を行うことができます。

物理ディスク単位に運用する場合は、ボリュームグループとしての整合性を保つ必要があることから、ボリュームグループ内のすべての物理ディスクを同期をとって操作しなければなりません。

同期を取る必要がある物理ボリュームを確認する方法については、「デバイス情報表示コマンド(stgxfwcmdispdev)」または『ETERNUS SF AdvancedCopy Manager GUI使用手引書』の「同一論理グループ内デバイス確認」を参照してください。

クラスタ構成で運用する場合、クラスタを構成する全てのサーバにおいて、ボリュームグループを構成する物理ディスクのデバイス名(/dev/(r)dsk/c#t#d#)が同じであり、デバイス名が指すETERNUSのディスクも同じである必要があります。

[図: 物理ディスク単位の運用を行う構成の例]

7.8.2.1 運用設計 

複製元ボリュームがボリュームグループの場合、複製作成後に複製先ボリュームを使用するためには、複製先ボリュームは複製元ボリュームと同一の論理ボリューム構成かつ同一の物理ディスクサイズのボリュームグループである必要があります

[図: 複製元ボリュームと複製先ボリューム]

7.8.2.2 事前準備 

7.8.2.2.1 ボリュームグループ構成情報ファイルの退避 

レプリケーションの後処理として、ボリュームグループ構成情報ファイルのリストアを行う必要があります。ボリュームグループ構成情報ファイルが退避されていることを確認してください。通常は、以下のファイルに退避されています。

/etc/lvmconf/<ボリュームグループ名>.conf

7.8.2.2.2 複製元ボリューム/複製先ボリュームの設定 

複製元ボリューム/複製先ボリュームを設定する際は、ボリュームグループ内のすべての物理ディスクを設定します。

例:

# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpsetvol /dev/dsk/c1t0d10 /dev/dsk/c1t0d20
swsrpsetvol completed
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpsetvol /dev/dsk/c1t0d11 /dev/dsk/c1t0d21
swsrpsetvol completed
#

7.8.2.3 物理ディスク単位のレプリケーションの実行 

ボリュームグループ内のすべての物理ディスクを同期をとって操作します。

必要な前後処理は、レプリケーションの操作を行う前後にボリュームグループ単位で実施し、各物理ディスクを操作する際には、前後処理を動作させないようにします。

スナップショット型レプリケーションの例

(複写元/複写先に対する前処理を行う)
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -f -t /dev/dsk/c1t0d10 /dev/dsk/c1t0d20
FROM=/dev/dsk/c1t0d10@SV1, TO=/dev/dsk/c1t0d20@SV1 swsrpmake completed
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -f -t /dev/dsk/c1t0d11 /dev/dsk/c1t0d21
FROM=/dev/dsk/c1t0d11@SV1, TO=/dev/dsk/c1t0d21@SV1 swsrpmake completed
#
(複写元/複写先に対する後処理を行う)

同期型レプリケーションの例

(複写先に対する前処理を行う)
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync -t /dev/dsk/c1t0d10 /dev/dsk/c1t0d20
FROM=/dev/dsk/c1t0d10@SV1, TO=/dev/dsk/c1t0d20@SV1 swsrpstartsync completed
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpstartsync -t /dev/dsk/c1t0d11 /dev/dsk/c1t0d21
FROM=/dev/dsk/c1t0d11@SV1, TO=/dev/dsk/c1t0d21@SV1 swsrpstartsync completed
(等価性維持状態後)
(複写元に対する前処理を行う)
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -f -t /dev/dsk/c1t0d10 /dev/dsk/c1t0d20
FROM=/dev/dsk/c1t0d10@SV1, TO=/dev/dsk/c1t0d20@SV1 swsrpmake completed
# /opt/FJSVswsrp/bin/swsrpmake -f -t /dev/dsk/c1t0d11 /dev/dsk/c1t0d21
FROM=/dev/dsk/c1t0d11@SV1, TO=/dev/dsk/c1t0d21@SV1 swsrpmake completed
#
(複写元/複写先に対する後処理を行う)

レプリケーションの前後で実施する前後処理は以下。

[表: レプリケーションの前後処理]

 

前処理

後処理

複写元

  1. ボリュームグループ内のすべての論理ボリュームへのアクセスを停止し、データの整合性を確保します。

  2. ファイルシステムが含まれる場合は、ボリュームグループ内のすべてのファイルシステムをアンマウントします。

  1. ファイルシステムが含まれる場合は、前処理でアンマウントしたボリュームをマウントします。

複写先

  1. ボリュームグループ内のすべての論理ボリュームへのアクセスを停止します。

  2. ファイルシステムが含まれる場合は、ボリュームグループ内のすべてのファイルシステムをアンマウントします。

  1. ボリュームグループを再構成します。

  2. ファイルシステムが含まれる場合は、前処理でアンマウントしたボリュームをマウントします。

■ボリュームグループの再構成

ボリュームグループの再構成は、以下の手順で行います。

  1. ボリュームグループの停止

    # /usr/sbin/vgchange -a n /dev/vg02
    
    #

  2. ボリュームグループ構成情報のリストア

    # /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg02 /dev/rdsk/c1t0d20
    
    # /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg02 /dev/rdsk/c1t0d21
    
    #

  3. ボリュームグループの起動

    [クラスタ運用している場合]
    # /usr/sbin/vgchange -c y /dev/vg02
    
    # /usr/sbin/vgchange -a e /dev/vg02
    
    [クラスタ運用していない場合]
    # /usr/sbin/vgchange -a y /dev/vg02
    
    #

共有モードのボリュームグループの再構成は、以下の手順で行います。

  1. ボリュームグループの停止(業務を構成している全ノードで実行します)

    # /usr/sbin/vgchange -a n /dev/vg02
    
    #

  2. ボリュームグループ構成情報のリストア(ボリュームグループを作成したノードで実行します)

    # /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg02 /dev/rdsk/c1t0d20
    
    # /usr/sbin/vgcfgrestore -n /dev/vg02 /dev/rdsk/c1t0d21
    
    #

  3. 共有可能なボリュームグループのマーク(ボリュームグループを作成したノードで実行します)

    # /usr/sbin/vgchange -S y -c y /dev/vg02
    
    #

  4. ボリュームグループの起動(業務を構成している全ノードで実行します)

    # /usr/sbin/vgchange -a s /dev/vg02
    
    #

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