Interstage Application Server SOAPサービス ユーザーズガイド

3.2.3 Webサービス・マネージャの環境構築

　Webサービス・コンテナごとにWebサービス・マネージャの環境設定を行います。
　Webサービス・マネージャの環境設定は、Webサービス・コンテナのWebアプリケーション環境設定(web.xml)ファイルで、サーブレットコンテキストの初期化パラメタ定義(context-paramタグ)のparam-nameタグとparam-valueタグを使用して指定します。

• Webサービス・マネージャの動作(開発環境/運用環境)モード
• Webサービス情報管理ファイルの場所
• Webサービス情報管理ファイルへのアクセス権限(管理者/使用者)

パラメタ名	説明
deploy_filepath	Webサービス・マネージャがWebサービス情報を管理するWebサービス情報管理ファイル存在するディレクトリ名を指定します。 　本パラメタを省略した場合は、Webアプリケーションのルートディレクトリ(サーブレット・コンテナ環境設定ファイルのContextタグのdocBase属性で指定)とみなします。
operation_mode	Webサービス・マネージャの動作モードを指定します。 develop：開発環境モード employ：運用環境モード 本パラメタを省略した場合は"develop"が指定されたとみなします。
web_app_kind	Webサービス・マネージャのWebサービス情報管理ファイルに対するアクセス権限を指定します。 admin：管理者権限(Webサービス情報管理ファイルの更新可) user：使用者権限(Webサービス情報管理ファイルの更新不可) 　本パラメタを省略した場合は"user"が指定されたとみなします。

　

　通常Webサービス・マネージャの環境構築はInterstage Application Serverのインストール時に以下の内容で自動設定されています。

• deploy_filepath
  %IS_HOME%F3FMsoap\DeployService
  /opt/FJSVsoap/etc/DeployService
• operation_mode：develop
• web_app_kind：admin

　設定内容を変更する場合は、Interstage運用管理用Servletサービスで環境設定されているWebサービス・コンテナのWebアプリケーション環境設定(web.xml)ファイルで、サーブレットコンテキストの初期化パラメタ定義(context-paramタグ)のparam-nameタグとparam-valueタグを変更してください。

■deploy_filepath(Webサービス情報管理ファイルのパス)パラメタ

　Webサービス情報管理ファイルが存在するディレクトリ名を指定します。
　ファイル名は"server-config.wsdd"固定です。
　本パラメタを省略した場合は、Webアプリケーションのルートディレクトリが、指定されたとみなします。
　相対パスを指定した場合は、Webアプリケーションのルートディレクトリからの相対パスとみなします。

• Webアプリケーションの環境設定は、Webアプリケーション起動時に1度だけ読み込まれます。
  Webアプリケーションの環境設定を変更した場合は、Webサービス・コンテナが動作しているサーブレット・コンテナを再起動(jscontstop/jscontstartコマンド)する必要があります。
• Webサービス情報管理ファイル("server-config.wsdd")が指定されたディレクトリ下に存在しない場合、Webサービス・マネージャは新規にWebサービス情報管理ファイルを作成します(ディレクトリが存在しない場合はディレクトリも作成します)。このため、当パラメタを変更する場合には、既存のWebサービス情報管理ファイルを変更先のディレクトリ下にコピーしておく必要があります。コピーしない場合は既存データと新規登録分のデータが分散して登録され、同時に使用することができなくなります。

■operation_mode(Webサービス情報管理ファイルの更新チェック)パラメタ

　Webサービス・マネージャの動作モードを指定します。

• develop(開発環境モード)
  クライアントシステムのアプリケーションからのリクエストごとにWebサービス情報の更新確認(登録/変更/削除)を行い、更新されている場合はWebサービス情報管理の再読み込みを行います。
• employ(運用環境モード)
  Webサービス・コンテナ(Webアプリケーション)起動時に1度だけWebサービス情報管理ファイルからすべてのWebサービス情報を読み込みます。

　Webサービス・コンテナ起動後にsoapmodifyddコマンド等でWebサービス情報を更新した場合は、対象のWebサービス情報管理ファイルを使用しているWebサービス・コンテナが動作しているサーブレット・コンテナを再起動(jscontstop/jscontstartコマンド)する必要があります。
　本パラメタを省略、または"develop"，"employ"以外を指定した場合は、"develop"が指定されたとみなします。

■web_app_kind(Webサービス情報管理ファイルの更新権限)

　Webサービス情報管理ファイルのアクセス権限を指定します。

• admin(管理者権限)
  soapmodifyddコマンドに-deploy, -undeploy, -replaceオプションを指定して、Webサービス情報の登録内容を更新することができます。
• user(使用者権限)
  soapmodifyddコマンドに-deploy, -undeploy, -replaceオプションを指定しても、Webサービス情報の登録内容を更新することはできません。

　管理者権限のWebサービス・マネージャを新たに定義する場合は、既存の管理者権限のWebサービス・マネージャとWebサービス情報管理ファイルの格納場所を異なるものにしてください。

• 同じサービスを提供する管理者権限と使用者権限のWebサービス・マネージャで、それぞれが同じWebサービス情報管理ファイルを指すようにdeploy_filepathパラメタを指定してください。
• 使用者権限のWebサービス・マネージャで、deploy_filepathパラメタに指定されたディレクトリ下にWebサービス情報管理ファイルが存在しなかった場合は、ファイルがない旨メッセージをログに出力し、問い合わせに失敗します。
• 管理者権限のWebサービス・マネージャでは、内部で保持しているサービス登録内容とWebサービス情報管理ファイルの内容が常に一致しているため、operation_modeでの指定は無効になります。
• 同じサービスを提供する使用者権限と管理者権限のWebサービス・マネージャでは、operation_modeの値を同じにしてください。そろえておかないとサーブレットの再起動は必要ないのに再起動を促すメッセージが出力されるなど、メッセージと実動作の整合が取れません。

　以下にWebアプリケーション環境設定(web.xml)の例を示します。

• deploy_filepathには"C:\Interstage\F3FMsoap\etc\DeployService"を指定しています。
• operation_modeは開発環境モード("develop")を指定しています。
• web_app_kindは使用者権限("user")を指定しています。

　　　：(省略)
　<servlet>
　　<servlet-name>
　　　WSContainer
　　</servlet-name>
　　<servlet-class>
　　　com.fujitsu.interstage.soapx.transport.http.SoapxServlet
　　</servlet-class>
　</servlet>
　<context-param>
　　<param-name>deploy_filepath</param-name>
　　<param-value>C:\Interstage\F3FMsoap\etc\DeployService</param-value>
　</context-param>
　<context-param>
　　<param-name>operation_mode</param-name>
　　<param-value>develop</param-value>
　</context-param>
　<context-param>
　　<param-name>web_app_kind</param-name>
　　<param-value>user</param-value>
　</context-param>
　　　：(省略)

　以下にWebアプリケーション環境設定(web.xml)の例を示します。

• deploy_filepathには"/opt/FJSVsoap/etc/DeployService"を指定しています。
• operation_modeは開発環境モード("develop")を指定しています。
• web_app_kindは使用者権限("user")を指定しています。

　　　：(省略)
　<servlet>
　　<servlet-name>
　　　WSContainer
　　</servlet-name>
　　<servlet-class>
　　　com.fujitsu.interstage.soapx.transport.http.SoapxServlet
　　</servlet-class>
　</servlet>
　<context-param>
　　<param-name>deploy_filepath</param-name>
　　<param-value>/opt/FJSVsoap/etc/DeployService</param-value>
　</context-param>
　<context-param>
　　<param-name>operation_mode</param-name>
　　<param-value>develop</param-value>
　</context-param>
　<context-param>
　　<param-name>web_app_kind</param-name>
　　<param-value>user</param-value>
　</context-param>
　　　：(省略)