Interstage Application Server チューニングガイド
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第3章 システムのチューニング

3.3 IPC資源のカストマイズ

 ここでは、その他に必要となるカストマイズ項目について説明します。

System V IPC資源のIPCキーのカストマイズについて

 Interstageでは、Interstageを構成するプロセス間通信のために、OSが提供するSystem V IPC資源(メッセージキュー、セマフォ、共有メモリ)を使用しています。このIPC資源は、作成時に指定する値(IPCキー値)により、システムで一意に識別されます。

 IPCキー値は、システムで一意でなければなりませんが、任意の値を使用することが可能なため、ほかのIPC資源を使用する製品およびアプリケーションプログラムと重複することがあります。

 IPCキー値の重複が発生した場合、Interstageでは、以下のようなメッセージを出力して、IPCキー値の重複を通知します。


 IPCキー値の重複を検出したときにコンポーネントトランザクションサービスが出力するメッセージの例

 TD: エラー: td11038:必要なIPC資源が使用中のため獲得できませんでした(key=%x path=%s)

 この場合、IPCキー値に対応したIPC資源を使用しているInterstageのサービスの各機能は使用できません。

 このような状態に対処するため、Interstageでは以下に示す方法で、Interstageが使用するIPCキー値をカストマイズすることが可能です。IPCキー値の重複発生を通知するメッセージが出力された場合は、この対処により運用することができます。

概要

 IPCキー値は4バイト(32ビット)で構成されますが、そのうちの下位12ビット(16進3桁)に任意の値を定義することで、ほかの製品が使用するIPCキー値と重複しないようにします。なお、上位残りの20ビットは、Interstageが決定します。

IPCキー値の定義方法

 以下のIPCキー値定義ファイルを新規に作成し、16進3桁でIPCキー値の下位12ビットを指定します。

共通定義ファイル:
/var/opt/FJSVisas/system/default/FJSVisas/etc/ipc_key

FFF


 この定義例の場合、Interstageが使用する上位20ビットを0x01280とすると、IPCキー値は、16進表示で、以下のようになります。

0x01280FFF

注意事項


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