Symfoware Server 解説書 - FUJITSU - |
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第5章 Symfoware Serverの機能 | > 5.4 高信頼化 |
Symfoware Serverでは、可用性を高めるためにフェイルオーバを実現しています。
Symfoware Serverのフェイルオーバが対応するクラスタシステムには、以下があります。クラスタシステムの機能差の詳細については、“各プラットフォームの機能差”を参照してください。
Symfoware Serverのフェイルオーバを利用すると、複数のサーバ(以降、ノードと呼びます)を使ったクラスタシステムを構築して、運用系のRDBシステムと待機系のRDBシステムでシステムを二重化します。
運用系のRDBシステムのダウン時に待機系のRDBシステムに業務を引き継ぐことができます。その間にダウンしたノードをリカバリさせることで、業務再開の時間を短縮できます。
Symfoware Serverのフェイルオーバには、作業を引き継ぐサーバの状態(可用性のレベル)により、スタンバイ機能とホットスタンバイ機能の2つの機能があります。
フェイルオーバを実現するための運用をフェイルオーバ運用と呼びます。
フェイルオーバについての詳細は、“クラスタ導入運用ガイド”を参照してください。
フェイルオーバの概要について、以下に示します。
Symfoware Serverのフェイルオーバの機能について以下に説明します。
運用系のRDBシステムのダウン後に、待機系のRDBシステムでSymfoware Serverを起動する方式です。一般的に言うウォームスタンバイに相当します。
あらかじめ、待機系のRDBシステムでSymfoware Serverを起動させた状態で待機させる方式です。
ホットスタンバイ機能はスタンバイ機能に比べて、ダウン後の再起動時間がないため、格段に可用性が向上します。以降、スタンバイ機能は、ホットスタンバイ機能と一緒に説明します。
フェイルオーバ運用の目的は、ノードダウンに伴う業務活動への影響を最小にすることにあります。
Symfoware Serverのフェイルオーバ運用のホットスタンバイ機能の適用効果について以下に示します。なお、スタンバイ機能では、基本システムでの開始時間のみが短縮されます。
フェイルオーバ運用について、以下の機能を説明します。
プレオープン
キャッシュ・リカバリ
待機ノードでのアプリケーションのコネクション
プレオープンとは、待機モードでデータベースを事前にオープンしておく機能です。
フェイルオーバ運用では、待機ノードに、あらかじめ運用ノードと同等の業務動作環境を展開しておくことができます。プレオープンしておくと、切替え時に業務動作環境の展開処理が不要となり、速やかな業務再開が可能です。
Symfoware Serverでは待機ノードにあらかじめ運用ノードと同様にデータベース読込み用のバッファプールを定義しておくことが可能です。切替え時でのダウンリカバリではその大容量のバッファプールが使用可能であるため、オンバッファ効果の向上により、データベースの入出力効率がシステムデフォルトのバッファプールを使用する場合と比較して格段に向上します。さらに、リカバリ後はユーザ定義のバッファプールをそのまま運用に使用できるため、速やかな業務再開が可能となります。
Symfoware Serverでは、待機ノードにおいても、事前にアプリケーションを起動できます。待機ノードのアプリケーションは、CONNECT文を発行し入力データ待ち状態にすることができます。システムダウンからの業務は、アプリケーションの起動を待つことなく送信データの送り先を切り替えるだけで、高速に再開することができます。
フェイルオーバ運用における運用形態には以下があります。
1つのノードで1つの運用系または待機系が動作する形態です。この形態は、運用系の異常時にフェイルオーバすることで業務の継続が可能なため、信頼性の高いシステムが構築できます。
1つのノードで1つの運用系が動作し、その他の複数のノードで待機系が動作する形態です。この形態は、1:1運用待機と比べ、二重故障が発生しても業務の継続が可能となり、可用性の高いシステムが構築できます。また、長期的なノードの保守やノードの故障により1つのノードを起動できない場合でも、運用待機の構成を保証することができます。
複数の運用系のノードに対して待機系を1つのノードに集約させて動作する形態です。この形態は、運用系の異常時にフェイルオーバすることで業務の継続が可能なため、信頼性の高いシステムが構築できます。
複数の運用ノードに対して複数の待機専用ノードを配置する形態です。
この形態は、N:1運用待機と比べ、二重故障が発生しても業務の継続が可能となり、可用性の高いシステムが構築できます。また、長期的なノードの保守やノードの故障により1つのノードを起動できない場合でも、運用待機の構成を保証することができます。
フェイルオーバ運用における運用形態には以下があります。
1つのノードで、1つのインスタンス(運用または待機)が動作する形態です。この形態は、複数の運用ノードで連続してノードダウンが発生した場合でも、処理能力を保証できるため、信頼性の高いシステムが構築できます。1つの運用インスタンスに対して、1つの待機インスタンスを配置します。
1つのノードが、複数の待機インスタンスを持ち、その他のノードは、1つのノードにつき1つの運用インスタンスが動作する形態です。この形態は、運用ノードがダウンした時の処理能力を保証し、かつ待機ノード用コストを削減することができます。
なお、1つのノードがノードダウンした後に、再びN:1の運用待機型の運用形態に戻すためには、切戻しの操作(業務の停止が必要)を行い、システムの形態を初期状態にします。
Connection Managerと、データベースサーバのフェイルオーバ運用と組み合わせることで、待機系のRDBシステムへの事前接続が可能となります。これにより、データベースサーバの異常発生時に、速やかな待機系のRDBシステムへの切替えを実現することができます。
また、待機系のRDBシステムへの切替えが発生しても、アプリケーションでコネクションの再接続処理を行う必要はありません。
コネクション自動切替えについて、以下に示します。
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