Systemwalker Centric Manager Global Enterprise Edition説明書 - Solaris(TM) オペレーティングシステム - |
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第1章 Systemwalker Centric Manager GEEの概要 |
企業内業務の再編、企業間の統合、そしてグローバルな企業間連携など、企業のビジネスがダイナミックに変化している今、システムの運用管理の複雑さ、困難さはさらに増しつつあります。
また、24時間365日無停止連続運転、ビジネスの継続性、人手によるTCO(Total Cost of Ownership)削減が既に限界にきていることなど、運用管理に求められるハードルはますます高くなっています。
これらの問題を解決するため、Systemwalkerでは、PSM(Policy-based Systems Management)という運用管理のコンセプトに基づいた運用を提供します。
Systemwalkerでは、システム構築時に管理者が定義したシステム稼働要件をポリシーといいます。このポリシーに従ってITシステムの効率的な運用を実現するために、以下のマネージメント機能を提供しています。
IT基盤の構成/関係を可視化し、導入/設定、アプリケーションへの資源割当てを自律化する資源管理機構により適切なIT資源環境を提供します。
想定したとおりにサービスが提供されているかを把握/分析します。IT基盤と運用作業のサービス品質を常時把握し、問題の改善を支援することで、サービス品質を向上します。
ビジネスの視点でITシステム全体を把握・制御し、最適な運用を実現します。
ソフトウェアの配付、業務アプリケーションの稼働監視、障害発生時のリカバリなど日々の運用管理作業を効率よく、低コストで行うための運用管理環境を提供します。
ここでは、ライフサイクル・マネージメントの機能について説明します。ライフサイクル・マネージメントでは、ITリソースのライフサイクルを管理します。ライフサイクル・マネージメントは以下のフェーズから構成され、それぞれのフェーズを支援する管理機能がシームレスに連動することで、一連の管理作業を効率良く行うことができます。
さらに、ライフサイクル・マネージメントの共通管理機構として、フレームワークを提供します。フレームワークはネットワークやシステム、アプリケーション等の情報を収集して、それらの相互の関係とともに管理します(構成情報の管理)。
ライフサイクル・マネージメントの4つのフェーズは、このフレームワーク上で動作します。
以下に、Systemwalker Centric Manager GEEで提供するライフサイクルマネージメントの概要を説明します。Systemwalker Centric Manager GEEでは、Systemwalker Centric Manager EEで実現する機能のほかに、以下のことが行えます。
グローバルサーバのハード監視機能による監視(日本語環境のみ)
TCP/IPプロトコルによるネットワーク資源の管理
グローバルサーバからのメッセージの監視
サブシステムの稼働監視
グローバルサーバを中継サーバとして利用し、配下のクライアントへ資源を配付
各機能の説明は、“グローバルサーバを監視する”〜“コンソール操作制御”を参照してください。
ネットワークやシステム全体の構成情報を収集し、一元管理します。
ネットワークに接続されたネットワーク機器やサーバ、クライアントは自動的に検出され、ネットワークの構成情報を一目で把握することができます。収集されたネットワークやシステムの情報は、ネットワーク構成の視点での管理のほか、業務を構成する要素として、業務の視点でも管理できます。
構成情報の管理により、大規模で複雑なネットワーク、システムにおいても、トラブルの早期発見/対処、円滑な運用が実現できます。また、業務のビューで管理することで、複数のサーバやネットワークをまたがって展開される複雑な業務も、容易に管理できます。
サーバまたはクライアントで使用するアプリケーションやデータなどの資源を一元管理し、対象のサーバやクライアントにオンラインで配付することができます。
グローバルサーバをホストとして運用している環境の上位にUNIX運用管理サーバを置き、運用管理サーバからグローバルサーバおよびグローバルサーバ配下のシステムの管理を行うことができます。
資源は、業務構成に従って配付されるので、業務の環境を効率良く整備できます。また、配付する資源は世代管理され、配付ミスの防止と配付負荷の削減を実現します。
ネットワークやシステム、アプリケーションの稼働状況、障害発生、性能状況をGUIを使用した画面で集中的に監視します。
ネットワークやシステム、アプリケーションの稼働状況や障害の発生を、業務構成に基づいて監視できるので、障害の発生箇所や原因の特定、障害の影響範囲の把握が容易にでき、迅速な対応が可能となります。
障害として監視する内容は、エラーメッセージを出力する障害のほか、あらかじめ管理者が設定したルールどおりに稼働していないアプリケーションも障害として監視できます。さらに、性能情報にあらかじめしきい値を設定しておくことで、障害を未然に防ぐことが可能となります。
GEEでは、基幹系マルチサーバ(グローバルサーバ、SURE、UNIX、Windows、OS/390)のメッセージを一元管理します。
ハードウェアの監視が可能です。電源制御、ハード異常および設備異常を監視できます。また、コンソール操作制御機能を使用することで、不正な操作を防止することができます。
運用中にネットワークやシステム、業務で発生するさまざまな障害の復旧作業を効率的に行うことができます。
トラブルが発生したサーバやクライアントの復旧作業を現地に出向かず、管理者のPC端末からリモートで対処することが可能です。管理者はトラブルの発生したクライアントの画面を自席で参照でき、画面を共有しながらリモートで操作することにより、トラブルを解決できます。リモートでの電源操作や、ほかの管理ツール(LAN管理など)を監視画面([Systemwalkerコンソール])と連携し、操作することもできます。さらに、管理者の障害復旧作業自体を、自動化することも可能です。
トラブル(ハードウェア/ソフトウェア障害、運用ミス、操作ミス)情報は障害票で管理することができます。トラブルが発生したら障害票を発行し、適切な担当者に回送することにより、トラブルに確実に対処できます。対処情報は障害票に記録しておくことができ、この障害票をデータベースで一元管理することによって、過去に発生したトラブルの状況を把握することができます。また、障害票とは別に、トラブルの対処情報を事前に登録しておくこともでき、トラブル発生時に参照することでも、トラブルに迅速に対処できます。なお、MSP・XSPシステムを監視する場合には、システムメッセージガイド(CD-ROM)によりメッセージ説明を自動的に表示することが可能です。
収集/管理されたトラブルの発生情報、性能情報などは、それまでの運用や、ネットワーク、システムを評価するために利用できます。
ネットワークのトラフィック量やサーバ性能の分析は、サーバの増設/移設、ネットワークの再編の指針とすることができます。また、トラブルの発生傾向を分析し、潜在的な問題点を発見できます。これらの評価は、収集/管理された情報をもとに、グラフ等で分析ができます。
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