PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書 4.2 (Linux版)
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付録H 共用ディスク装置のリソース登録

H.4 共用ディスク装置のリソース登録手順

クラスタシステムを構成する任意の 1 ノードで、以下の手順を実施します。

  1. システム管理者権限でログイン

    クラスタシステムを構成する任意の 1 ノードに、システム管理者権限でログインします。


  2. 共用ディスク定義ファイルの作成

    共用ディスク定義ファイルとは、クラスタシステムの各ノードと各共用ディスク装置の物理的な接続構成を記述するファイルです。以下の形式で記述します。

    リソースキー名 デバイス名 ノード識別名
    リソースキー名 デバイス名 ノード識別名


    "リソースキー名"、"デバイス名"、"ノード識別名" には、以下の値を記述します。

    リソースキー名
    リソースキー名には、共用ディスク装置のデバイスごとの共用関係を示すリソースの名前を指定します。同一のディスクに対しては、同じ名前を指定する必要があります。リソースキー名は、"shd 番号" の形式で指定します。"shd" は固定文字列です。"番号" は 4 桁の任意の数字です。複数の共用ディスクがある場合、"番号" には異なる数字を指定してください。
    [例] /dev/sdb と /dev/sdc が複数のノードに共用接続されている場合
        /dev/sdb のリソースキー名: shd0001
        /dev/sdc のリソースキー名: shd0002
    デバイス名
    デバイス名には、共用ディスク装置のデバイスの名前を指定します。デバイス名は、"/dev/デバイス" の形式で指定します。
    [例] /dev/sdb の場合
        /dev/sdb
    ノード識別名
    共用ディスク装置のデバイスが存在するノードの識別名を指定します。ノード識別名は、clgettree(1) コマンドで確認できます。


    clgettree(1) コマンドの詳細は、clgettree(1) コマンドのマニュアルページを参照してください。

    [例] 以下の場合、node1 と node2 がノード識別名です。

    # /etc/opt/FJSVcluster/bin/clgettree
    Cluster 1 cluster
        Domain 2 PRIME
                Shared 7 SHD_PRIME
                Node 3 node1 ON
                Node 5 node2 ON

    以下に、ノード node1 と node2 で、共用ディスク装置のデバイス /dev/sdb と dev/sdc を共用している場合の、共用ディスク定義ファイルの例を示します。

    shd0001 /dev/sdb node1
    shd0001 /dev/sdb node2
    shd0002 /dev/sdc node1
    shd0002 /dev/sdc node2


  3. clautoconfig(8) コマンドによるリソース登録の実行

    clautoconfig(8) コマンドを実行することにより、手順 2. で作成した共用ディスク定義ファイルに記述されている共用ディスク装置の情報を、リソースデータベースに登録します。clautoconfig(8) コマンドは、以下の形式で指定します。

    [形式]

        /etc/opt/FJSVcluster/bin/clautoconfig -f 共用ディスク定義ファイルのフルパス
    

    [例]

    # /etc/opt/FJSVcluster/bin/clautoconfig -f /var/tmp/diskfile


    clautoconfig(8) コマンドが異常終了した場合は、表示されたメッセージの対処法に従い、対処してください。clautoconfig(8) コマンドのメッセージについては、「PRIMECLUSTER Cluster Foundation 導入運用手引書」を参照してください。


  4. 登録されたリソースの確認

    リソースデータベースに登録された共用ディスク装置の情報を確認します。登録された情報を確認するには、clgettree(1) コマンドを使用します。

    [例]
    以下に、手順 2. で例として示した共用ディスク定義ファイルを指定してリソース登録を行った場合の、clgettree(1) コマンドの出力の例を示します。
    "DISK" クラスのリソースが、共用ディスク装置のデバイスのリソースです。"SHD_DISK" クラスのリソースが、共用ディスク装置のデバイスの共用関係を示すリソースです。

    # /etc/opt/FJSVcluster/bin/clgettree
    Cluster 1 cluster
            Domain 2 PRIME
                    Shared 7 SHD_PRIME
                            SHD_DISK 14 SHD_Disk14 UNKNOWN
                                    DISK 15 sdb UNKNOWN node1
                                    DISK 16 sdb UNKNOWN node2
                             SHD_DISK 17 SHD_Disk17 UNKNOWN
                                    DISK 18 sdc UNKNOWN node1
                                    DISK 19 sdc UNKNOWN node2
                    Node 3 node1 ON
                            DISK 15 sdb UNKNOWN
                            DISK 18 sdc UNKNOWN
                    Node 5 node2 ON
                            DISK 16 sdb UNKNOWN
                            DISK 19 sdc UNKNOWN


    clautoconfig(8) コマンドは、共用ディスク定義ファイルに記述されている共用ディスク装置が、ノードに接続されているかどうか確認しません。clautoconfig(8) コマンド実行後に、共用ディスク定義ファイルの誤りに気づいた場合、クラスタシステムを構成するすべてのノードで以下の復旧手順を実施した後、再度リソース登録を実施してください。共用ディスク装置以外のハードウェア装置のリソースが登録されていた場合は、それらのリソースも登録し直す必要があります。

    [復旧手順]

    1. リソースデータベースのリセット

      clinitreset(8) コマンドを使って、リソースデータベースをリセットします。


      詳細は、clinitreset(8) コマンドのマニュアルページを参照してください。

    2. ノードの再起動

      ノードを再起動します。



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