PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書 4.2 (Linux版)
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付録D コマンドリファレンス

D.17 sdxshadowvolume - シャドウボリュームの操作

■形式

sdxshadowvolume -F -c class [-v volume,...]
sdxshadowvolume -M -c class {-g group | -d disk} -v volume -s size
sdxshadowvolume -N -c class [-v volume,...] [-e  mode=val]
sdxshadowvolume -R -c class -v volume

 

■機能説明

sdxshadowvolume は、volume で指定されたシャドウボリュームを操作するためのコマンドです。スーパユーザ権限を持つユーザだけが sdxshadowvolume コマンドを実行することができます。

 

■基本オプション

以下の基本オプションのうち、いずれかを指定します。

-F
oFfline
volume,... で指定された 1 つあるいは複数のシャドウボリュームを停止します。-v オプションが省略された場合は、class 内に存在するすべてのシャドウボリュームを停止します。停止されたシャドウボリュームにはアクセスすることができません。

volume が使用中の場合はエラーとなります。

 

-M
Make
volume で指定されたシャドウボリュームを、group で指定された最上位シャドウグループ内、または disk で指定されたシングルタイプのシャドウディスク内に作成します。size には volume のブロック数、class には group または disk が属しているシャドウクラスのクラス名を指定します。

作成されるシャドウボリュームのアクセスモード属性は ro (読取り専用) です。シャドウボリュームは、ミラータイプであっても等価性コピー処理が実行されることはありません。高速等価性回復モード属性はオフです。また、シャドウボリュームを構成するスライスがパーティションテーブルに登録されているかどうかに関係なく、物理スライス属性はオフです。同じ group 内または disk 内には、最大 224 個のシャドウボリュームを作成することができます。

作成が完了すると、シャドウボリュームが起動されて、以下の特殊ファイルを使ってアクセスできるようになります。
    /dev/sfdsk/class/dsk/volume
シャドウボリュームを使用して、対応する論理ボリュームのデータをアクセスするためには、以下の条件を満たすようにシャドウボリュームを作成する必要があります。


以下に、group がミラータイプの場合と、ストライプタイプの場合について、作成されるシャドウボリュームの特徴を説明します。

group がミラータイプの場合:

ミラータイプのシャドウグループには、接続されているシャドウディスクまたは下位シャドウグループの数と同じ多重度 (最大 8 多重) のミラータイプのシャドウボリュームが作成されます。シャドウディスクまたは下位シャドウグループが 1 つしか接続されていない場合、作成されるシャドウボリュームはミラーリングされません。

ミラータイプのシャドウボリュームを作成しても、シャドウボリュームの等価性コピー処理は実行されません。ミラータイプのシャドウボリュームの等価性を保証するためには、シャドウボリュームに対応するミラーボリュームを管理している GDS によってミラーボリュームの等価性を保証する必要があります。

group がストライプタイプの場合:

ストライプタイプのシャドウグループには、接続されているシャドウディスクまたは下位シャドウグループの数と同じ列数 (最大 64 列) のストライプタイプのシャドウボリュームが作成されます。シャドウディスクまたは下位シャドウグループが 1 つしか接続されていない場合は、シャドウボリュームを作成できません。

 

-N
oNline
volume,... で指定された 1 つあるいは複数のシャドウボリュームを起動します。-v オプションが省略された場合は、class 内に存在するすべてのシャドウボリュームを起動します。起動されたシャドウボリュームはアクセス可能となります。

ミラータイプのシャドウボリュームを起動しても、シャドウボリュームの等価性コピー処理は実行されません。ミラータイプのシャドウボリュームの等価性を保証するためには、シャドウボリュームに対応するミラーボリュームを管理している GDS によってミラーボリュームの等価性を保証する必要があります。

 

-R
Remove
volume で指定されたシャドウボリュームを削除し、シャドウグループまたはシングルタイプのシャドウディスクで使用していたディスク領域を解放します。

シャドウボリュームが起動中の場合はエラーとなります。

volume を削除しても、volume に格納されていたデータは失われません。

 

■サブオプション

以下のサブオプションが指定できます。

-c class
class には、操作対象となるシャドウボリュームが属しているシャドウクラス、またはシャドウボリュームを作成しようとしているシャドウクラスのクラス名を指定します。

 

-d disk (-M 指定時)
disk には、シングルタイプのシャドウボリュームを作成するシングルタイプのシャドウディスクのディスク名を指定します。

 

-e mode=val (-N 指定時)
起動される 1 つあるいは複数のシャドウボリュームのアクセスモードを指定します。

val には、次のいずれかを指定できます。

rw
読書き用として起動します。

ro
読取り専用として起動します。読取り専用のシャドウボリュームを書込みモードでオープンすると、エラーとなります。

シャドウボリュームは val で指定されたアクセスモードで起動されますが、シャドウボリュームのアクセスモード属性は変更されません。val で指定されたアクセスモードは、シャドウボリュームが起動されている間のアクセスモード (現在のアクセスモード) のみに影響し、シャドウボリュームを停止すると無効になります。シャドウボリュームを再起動したときには、アクセスモード属性に設定されているアクセスモード (省略時のアクセスモード) で起動されます (再起動時に本オプションを指定した場合は除く)。

すでに自ノードで起動されているシャドウボリュームを異なるアクセスモードで起動するためには、一度シャドウボリュームを停止する必要があります。

 

-g group (-M 指定時)
group には、シャドウボリュームを作成するシャドウグループのグループ名を指定します。

 

-s size (-M 指定時)
作成する volume のブロック数 (10進数) を指定します。1 ブロックは 512 バイトです。

group がストライプタイプの場合、作成される volume は、size を (ストライプ幅) × (ストライプ列数) とシリンダサイズとの公倍数に切り上げたサイズになります。その他の場合、作成される volume は、size をシリンダサイズの整数倍に切り上げたサイズになります。

 

-v volume (-M,-R 指定時)
volume には、操作対象となるシャドウボリュームのボリューム名を指定します。

 

-v volume,... (-F,-N 指定時)
volume,... には、操作対象となる 1 つあるいは複数のシャドウボリュームのボリューム名を指定します。複数のシャドウボリュームを指定する場合は、ボリューム名をカンマ (,) で区切って指定します。

 

■戻り値

正常終了した場合には 0 を返し、そうでない場合には 0 以外の値を返します。



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