ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 13.1 -Microsoft(R) Windows(R) 2000- -Microsoft(R) Windows Server(R) 2003-
目次 索引 前ページ次ページ

第13章 運用上の注意事項> 13.1 バックアップ運用/レプリケーション運用の注意事項

13.1.1 全般的な注意事項

バックアップ運用、レプリケーション運用における全般的な注意事項について説明します。

■Storageサーバのロケールについて

すべてのStorageサーバには、AdvancedCopy Managerが使用する内部コード系(Storage管理サーバへAdvancedCopy Managerをインストールする際に指定するコード系)のロケールがインストールされている必要があります。

Storage管理サーバとStorageサーバの間で、言語環境(LANG)が異なる場合に対処が必要となります。以下にその組み合わせと対処方法を示します。

Storage管理サーバ

Storageサーバ

対処方法

Windows (SJIS)

Windows (SJIS)

必要なし

Solaris (EUC)

StorageサーバにSJISパッケージをインストールする必要がある

HP-UX (EUC)

StorageサーバにSJISパッケージをインストールする必要がある

Linux (EUC)

必要なし

Linux (UTF8)

必要なし

AIX (SJIS)

必要なし

AIX (EUC)

StorageサーバにSJISの言語環境を追加する必要がある

Solaris ロケールの設定による(標準 EUC)

Windows (SJIS)

必要なし(Storage管理サーバがEUCの場合、Storageサーバが問題なく処理する)

Solaris (EUC)

必要なし(同じコードの場合)

管理サーバがSJISの場合、StorageサーバにSJISパッケージをインストールする必要がある

HP-UX (EUC)

必要なし(同じLANGの場合)

管理サーバがSJISの場合、StorageサーバにSJISパッケージをインストールする必要がある

Linux (EUC)

必要なし

Linux (UTF8)

必要なし

AIX (SJIS)

必要なし(同じLANGの場合)

管理サーバがEUCの場合、StorageサーバにEUCの言語環境を追加する必要がある

AIX (EUC)

必要なし(同じLANGの場合)

管理サーバがSJISの場合、StorageサーバにSJISの言語環境を追加する必要がある

Linux (EUC)

Windows (SJIS)

必要なし(Storage管理サーバがEUCの場合、Storageサーバが問題なく処理する)

Solaris (EUC)

必要なし

HP-UX (EUC)

必要なし

Linux (EUC)

必要なし

Linux (UTF8)

必要なし

AIX (SJIS)

StorageサーバにEUCの言語環境を追加する必要がある

AIX (EUC)

必要なし

Linux (UTF8)

Windows (SJIS)

必要なし

Solaris (EUC)

StorageサーバにUTF8の言語環境を追加する必要がある

HP-UX (EUC)

StorageサーバにUTF8の言語環境を追加する必要がある

Linux (EUC)

必要なし

Linux (UTF8)

必要なし

AIX (SJIS)

StorageサーバにUTF8の言語環境を追加する必要がある

AIX (EUC)

StorageサーバにUTF8の言語環境を追加する必要がある


該当パッケージをインストール後、再度Webクライアントから「全デバイスの情報取得/反映」操作を実施してください。

論理ディスクのサイズについて

業務ボリュームとバックアップボリュームは同一サイズである必要があります。しかし、以下の場合は、OS制御領域が自動的に確保されてしまうため、ディスクの管理で指定したサイズが、全て利用可能なサイズとはなりません。

このため、業務ボリューム/バックアップボリュームを決定する場合は、以下のようにしてください。

すなわち、業務ボリューム/バックアップボリュームの組み合わせは、上図の同色の組み合わせとしてください。

また、レプリケーション運用において、複製元ボリューム/複製先ボリュームを同一サイズにする場合も、上記の同色の組み合わせにしてください。

運用ミスを防止するために、AdvancedCopy Managerで管理するGR装置上の全論理ディスクは、拡張論理ディスクとする事をお勧めします。
全てを拡張論理ディスクとして定義できない場合には、業務ボリュームとして定義したデバイスが含まれるパーティション構成と、バックアップボリュームとして定義したデバイスが含まれるパーティション構成は同一にする事をお勧めします。すなわち、上図でのDisk2,Disk4の関係となります。

異なるOS(Windows2000/Windows Server 2003)間でサーバ間レプリケーションを行う場合、各サーバで同じ定義を行っても、OSの違いにより作成されるパーティションのサイズが異なる場合があります。この場合、複製先が大きくなるように定義してください。

■論理ディスクの種類について

一つのLogical Unit(ディスク)に基本論理ディスクと拡張論理ディスクが混在する場合、必ず、基本論理ディスクの後ろ(ディスクの管理上の右側)に拡張論理ディスクを作成してください。拡張論理ディスクの後ろに基本論理ディスクを作成すると、ディスクの管理で出力される論理ディスクの順番と、AdvancedCopy Managerの管理画面で表示されるデバイス名/ブロックデバイス名における論理ディスク番号とが不一致となりますので、注意してください。詳細を以下に示します。

■バックアップ、レプリケーション対象について

以下のデバイスは、バックアップ対象、レプリケーション対象としないでください。

■ボリューム上のデータとデータの整合性について

業務ボリューム上のデータ

データの整合性確保

運用方法

運用中のOracleのデータベーススペース

Oracleと連携する必要があります。

Oracle連携用のサンプルスクリプトを使用します。

詳細については、「サンプルスクリプト」を参照してください。

運用中のExchangeデータベーススペース

AdvancedCopy ManagerのコマンドがExchange Serverと連携して整合性を確保します。

Exchangeデータベースのバックアップとリストア」を参照してください。

運用中のSQL Serverデータベース

AdvancedCopy ManagerのコマンドがSQL Serverと連携して整合性を確保します。

SQL Serverデータベースのバックアップとリストア」を参照してください。

運用中のSymfowareのデータベーススペース

AdvancedCopy ManagerのコマンドがSymfowareと連携して整合性を確保します。

バックアップ運用(Symfoware)」を参照してください。

上記以外

AdvancedCopy Managerのコマンドがボリュームのロックを行って整合性を確保します。

バックアップ/リストアの前後処理」および「レプリケーションの前後処理」を参照してください。


■デバイス情報の取り込みについて

バックアップ運用、レプリケーション運用を開始する前に、AdvancedCopy ManagerのWeb画面にて、全Storageサーバが管理するデバイス情報の取り込みを行います。この操作は、選択したStorageサーバに定義されているデバイスの総数に比例した時間がかかります。デバイス数が多い場合はCPU負荷やI/O負荷の低い状態で実施してください。

目安として、負荷のない状態で、1デバイス(パーティション)あたり約0.5秒かかりますので、参考としてください。

バックアップ同期処理もしくは同期型レプリケーション処理を実行している場合は、デバイス情報を正しく取得できない場合があります。そのため、デバイス情報の取り込みを行う場合は、すべての同期処理をキャンセルした状態で実施してください。

■デバイス構成の変更について

業務ボリューム/バックアップ運用、レプリケーション運用で設定されたボリュームに対して、以下のデバイス構成の変更を行う場合は、一旦それらのボリュームの登録から削除し、デバイス構成変更後に、再度AdvancedCopy Managerのボリュームとして登録し直す必要があります。

なお、本処理は、デバイス構成を変更するボリュームが格納されているディスク内の全ボリュームが対象となります。

詳細な作業手順については、「デバイス構成の変更」を参照してください。

■動作ソフトウェアについて

以下のソフトウェアが動作している場合、全デバイスが常に使用中状態となります。このため、バックアップ/リストア、レプリケーションを行う際には、以下に記載されている対処を行ってください。

■同時実行数の上限について

一つのLU(Logical Unit)内で同時に実行できるバックアップ/リストアの数には上限があります。このため、一つのLU(Logical Unit)内の論理ディスク数は8以内(ETERNUS6000の場合は32以内)にしてください。

運用上、同一LUに9以上(ETERNUS6000の場合は33以上)の論理ディスクを作成する必要がある場合には、同一LU内の論理ディスク(AdvancedCopy Managerディスク名におけるg?d?が同一のボリューム)に対して、同時にバックアップ/リストアを上限値以上実施しない運用設計が必要です。

なお、同時実行数の上限値については、富士通技術員(CE)に確認してください。

■Windows2000/Windows Server 2003のダイナミックボリュームについて

Windows2000/Windows Server 2003のダイナミックボリュームは、バックアップ運用、レプリケーション運用で利用する事ができません。

■Windows2000/Windows Server 2003のドライブパス機能について

Windows2000/Windows Server 2003のドライブパス機能を利用して他のディスクをマウントしているパーティションは、バックアップ運用、レプリケーション運用で利用する事ができません。

■バックアップの失敗とマウントポイントについて

Windows2000/Windows Server 2003でバックアップ運用を行っている場合、システムの再起動、AdvancedCopy Managerサービスの再起動またはクラスタ運用時のフェールオーバにより、マウントポイントの情報を正しく取得できない場合があります。

マウントポイントの情報が正しく取得できないと、以下のメッセージが出力されバックアップすることができません。

swst0754 異常なボリュームを検出しました。ボリューム名=[VOLUME]、エラーコード=[ERROR]
または
swst0754 The abnormal volume was detected. Volume=[VOLUME], Error=[ERROR]

この場合は、以下の手順に従って対処してください。

イベントビューアに出力されるメッセージについて

■ディスクの構成について

ディスクは1つのサーバから排他的にアクセスされる必要があるため、複数のサーバが同じ論理ディスクを検出したり、アクセスしたりできないように設定しておく必要があります。

OS(Windows 2000/Windows Server 2003)でこの設定を行うことはできないため、ETERNUS ディスクアレイやファイバーチャネルスイッチ等のハードウェアの設定により行ってください。

■SafeDISKでのミラーについて

筐体間ミラーを行っている場合、ミラーの両系をバックアップすることができません。バックアップ運用している筐体が筐体障害となった場合は、バックアップ運用を別筐体での運用に切り替える必要があります。また、筐体障害の場合にデータの復旧を行う必要がある場合は、事前にバックアップ先をテープなどの2次媒体に退避しておく必要があります。

■コピー処理を実行する場合の注意事項

バックアップ/リストア、レプリケーションを行う際は、データへのアクセス抑止とデータの整合性を保証するためにボリュームをロックします。

そのため、ボリュームが使用中の場合はロックができないため、バックアップ/リストアおよびレプリケーション処理の実行はエラーとなります。

以下の点などに注意して、ボリュームをロックできる状態で処理を実行するようにしてください。

ロックが必要な時間はコマンドの実行中のみです。コマンドの終了後は運用を再開することができます。

■OSのボリュームシャドウコピー機能を使用する場合の注意事項

バックアップ/リストア、レプリケーションを行う場合は、データへのアクセス抑止とデータの整合性を保証するためにボリュームをロックします。

シャドウコピー記憶域が、AdvancedCopy Managerのコピー元/コピー先ボリュームに作成されている場合は、OSがボリュームを常時使用するため、バックアップ/リストアおよびレプリケーション処理の実行時、エラーとなります。

そのため、シャドウコピー記憶域は、コピー元/コピー先ボリューム以外のボリュームに作成するようにしてください。

なお、シャドウコピー記憶域がコピー元ボリュームに作成されている場合は、-Xflushオプション等により、コピー元ボリュームのロック処理を回避する方法が考えられますが、以下の理由によりこの方法は使用できません。

大容量ディスクの運用について

2TBを超えるディスクを使用する場合、ディスクの形式をGPTディスク形式にする必要があります。

Logical Unit(ディスク)単位コピーを実施する場合の注意事項

Logical Unit(ディスク)単位コピーは、レプリケーション運用で利用できます。

Logical Unit(ディスク)単位コピーを実施する場合、以下の点に注意してください。

■-mオプション使用時の注意事項

サーバ間レプリケーションの場合、以下のコマンドにおいて、-mオプションを指定することにより、非操作サーバとの通信処理を行わないようにすることができます。

-mオプションを指定する場合は、非操作サーバでのボリューム前後処理が行われなくても問題がないように、以下のいずれかの条件が満たされる必要があります。

  1. 非操作サーバがシャットダウンされている。

  2. 非操作サーバのボリュームに対する前後処理を手動で実施する。

  3. 対象ボリュームがファイルシステムではなく、前後処理が不要なRAWデバイスである(Oracle等)。

■アドバンスト・コピーのコピー処理性能について

アドバンスト・コピーのコピー処理はディスクアレイ装置によって行われるため、コピー処理性能に関するお問い合わせは、ディスクアレイ装置のサポート部門までお願いいたします。


目次 索引 前ページ次ページ

All Rights Reserved, Copyright(C) 富士通株式会社 2000-2007