Symfoware Parallel Server 概説書
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第2章 Symfoware Parallel Serverのアーキテクチャ> 2.2 Symfoware Parallel Serverのアーキテクチャ

2.2.2 運用操作での並列処理アーキテクチャ

ここでは、Symfoware Parallel Serverの運用操作の並列処理アーキテクチャについて、説明します。

■データベース運用の並列化

セントラルデータウェアハウスでは、大量データに対して、現実的な時間でのデータのバックアップ、データの創成、データのリカバリが保証できるものでなければなりません。処理データ量がメガバイト単位の場合には問題にならなかった運用時間が、データ規模が増大すると、とても実運用に耐えられない時間となってしまいます。

Symfoware Parallel Serverでは、退避ファイルをディスクの数に合わせ複数個用意することで、並列(同時)にデータベースの保全・保守を行い、大容量データベースのデータベース運用を実現しています。

データベースのバックアップおよびリカバリでは、退避ファイルを複数個用意して並列にバックアップおよびリカバリを行います。ディスク単位で処理するため、ディスク破壊が発生した場合、破壊したディスクのみの復旧作業で済み、障害の影響範囲を局所化し、保全・保守作業の時間を短縮できます。

データベースのパラレル・バックアップおよびパラレル・リカバリについて、“図:データベースのパラレル・バックアップとパラレル・リカバリ”に示します。

[図:データベースのパラレル・バックアップとパラレル・リカバリ]

■表の分割運用

Symfoware Parallel Serverでは、従来からSymfowareで採用している表の分割運用(1つの実表を規則に基づいて、複数のグループに分割して独立に運用すること)に加え、分割した単位を複数のディスクに分散配置することができます。これにより、分割した単位でのバックアップ、リカバリ操作ができ、運用の局所化が図れます。

また、表の分割運用を適用しても、応用プログラムからは1つの表として見えるため、分割を考慮する必要はなく、処理は分割単位に絞り込んでできるので、早く済みます。

表の分割運用の考え方について、“図:表の分割運用”に示します。この例は、1つの表を月単位でグループに分割運用する場合を示しています。

[図:表の分割運用]

例えば、売上データが入っている売上表が月単位で分割されてディスクに格納されているとします。毎日更新される当月データ、週1回バックアップする過去のデータなど、それぞれの処理は月単位で別々に操作できます。また、商品売上を分析する場合、一般的に当月、前月、前年同月のデータを検索・抽出しますが、必要なデータだけに絞ってアクセスすることができ、処理時間の短縮化が図れます。


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