TeamWARE Office 200X V2.0 管理者ガイド
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付録H 組織再編成ユーティリティ> H.2 ディレクトリのユーザ定義の移動

H.2.2 ユーザ・インターフェース

◆各コマンドに指定するファイルの指定規則

後述する各コマンドに指定できるファイル名の規則について説明します。この規則は、すべてのコマンドで共通です。

使用できる文字は、OSのコマンドシェルの制限に従います。UNIX系システムのシェルで使用されるエスケープ文字を含む名前を持つファイルを任意に作成したい場合は、ファイル名の前後をダブルクォーテーション(")で囲んでください。

ファイルを新規作成するディレクトリ、またはすでに存在するディレクトリが、コマンドを実行するカレントディレクトリ以外の場合、フルパス名で指定することもできます。

ファイル名の最大長は、128文字までです。パス付きの場合は、パスも含めて128文字以内で指定します。Windows NT(R)の場合は、ドライブレター文字("D:")も含めた長さで指定します。パスを記述しない場合でも、内部でフルパス名長として最大長を計算します。たとえば、カレントディレクトリのパス名が"D:\TeamWARE\Server\"で、コマンドに指定したファイル名が"idf_file.dat"である場合、そのファイルの名前は"D:\TeamWARE\Server\idf_file.dat"であるとみなします。

◆ユーザリストの作成

ユーザリスは、システム管理者が作成します。ユーザリストを作成するには、エディタで記述する方法とコマンドで作成する方法の2通りがあります。なお、ユーザリストはシフトJISコード形式です。

ユーザリストをエディタで記述する方

ユーザリストはテキストファイルなので、エディタで作成できます。記述形式などの詳細については、以降の"ユーザリストの記述形式"を参照してください。

エディタでユーザリストを作成する場合の例を、以下に示します。

ユーザリストは以下のようになります。

//op personal

=user cn=中山 賢一,ou=TW ,l=kanagawa,o=Fj,c=jp
=automail 中山 賢一(転送用)
=user cn=小野寺 しげる,ou=Admin,ou=TW ,l=kanagawa,o=Fj,c=jp

ユーザリストの記述形

ユーザリストは、以下の規約と"表H. 制御文"に従って記述します。後述する検索条件ファイルも同じ規約です。

ユーザリストの制御の詳細について、表H.1に示します。

[表H.1 制御文]

オペランド

必須/

オプション

最大長

設定値

//op

必須

8

個人資源の移動処理を行うことを指示します。指定可能な値は"personal"だけです。

=user

必須

512

移動対象のユーザ名と所属するロケーションを指定します。
ユーザ名と所属するロケーションは、次に示すパラメータで記述します。各パラメータは、カンマ","で区切り、記述する順番を意識します。
記述する順番は、ユーザ名に続いて、下位階層の組織から記述します。
また、移動元サイト以外に定義されているユーザ名や、存在しないユーザは指定できません。

ユーザ名とロケーションの指定方法

cn=ユーザ名
ou=ユーザの所属する階層化組織名
l=ユーザの所属するエリア
o=ユーザの所属する組織名
c=ユーザの所属する国名

記述する順序は、ユーザ名から始まり、下位階層の組織から順に指定します。
ouは、下位の階層化組織名から順に階層化組織名分指定します。

=automail

オプション

64

メールの自動転送指定を有効にします。
TeamWARE Mail以外(インターネットメール、X.400メール)のメールアドレスは、移動先サイト固有なものとなるため、移動先サイトのユーザに自動的に転送するためのユーザ(ダミーユーザ)を作成します。値はダミーユーザに設定するユーザ名です。メールの自動転送機能および作成されるダミーユーザの内容については、以降の"メールの自動転送機能"を参照してください。

 

  • 1回の移出処理で移動できるユーザの人数は最高100人までです。これ以上のユーザを移動しようとする場合は、複数回に分けて移動してください。
  • ダミーユーザはアカウント無効の設定で作成します。セキュリティ上の問題はありませんが、この機能はあくまで移動したユーザが変更後のメールアドレスを関係者に連絡するまでの暫定措置として利用するものです。不要になった場合は早めに削除してください。

メールの自動転送機

個人定義の移出処理は、処理を正常に終了したあと、移動対象ユーザの定義をTeamWARE Directoryから削除します。移動先サイトでの移入処理完了後、移動対象のユーザは存在するので、エンタープライズ環境内のほかのユーザは、移動元のときと同じ宛先でTeamWARE Mailを送信できます。

しかし、移入処理でインターネットアドレス、X.400メールアドレスが移動先サイト固有のものに変更されるので、古いメールアドレスで送信されたインターネットメール、X.400メールは移動先のユーザには送信できません。このため、 TeamWARE Mail以外のメールを移動先に自動転送するためのユーザ(ダミーユーザ)を作成します。

指定方法の詳細については、"ユーザリストの記述形式"を参照してください。

  • この機能は、移動対象ユーザがメールアドレスの変更があったことを他者に知らせるまでの一時的な対処のための機能です。移出処理は移出後に移動対象のユーザをすべて削除しますが、この機能は、ユーザ1人につきユーザ1人分のデータベース容量を必要とします。頻繁に行うとデータベースの容量不足を招きますので不要になった自動転送用ユーザは削除してください。
  • この機能を使用して、移動ユーザ全員に自動転送を指定した場合は、移出処理は通常の移出処理の約2〜3倍の時間がかかります。

<作成されるダミーユーザの状態>

メール自動転送用のダミーユーザは、以下の状態になるよう移出処理コマンドで作成されます。

コマンドでユーザリストを作成する方

ユーザリストは、コマンドにより作成できます。
TeamWARE Directoryサーバに登録されているユーザを条件で検索して、テキストファイルに出力する機能を使用します。なお、テキストファイルに出力したユーザ名の中に、移動させたくないユーザ名がある場合は、"=user"から始まるそのユーザ名の記述されている行をエディタで削除します。コマンドは、ユーザ名一覧を取得したいTeamWARE Directoryサーバ上で実行します。なお、コマンドの実行は、TeamWARE Officeの動作中に行ってください。

コマンドの指定形式

todirlst find_file user_list

オペランドの説明

find_file :

検索情報ファイル名を指定します。このファイルには、検索条件を指定します。検索条件の指定内容については、"検索情報ファイルの記述形式"を参照してください。

user_list :

ユーザリストを出力するファイル名を指定します。

検索情報ファイルの記述形式

検索情報ファイルには、以下の形式で検索条件を指定します。

検索情報ファイルの検索オペランの詳細について、表H.2に示します。

[表H.2検索情報ファイルの検索オペランド]

オペランド

必須/

オプション

最大長

設定値

//op

必須

4

検索情報ファイルであることを示します。
指定可能な値は"find"だけです。

=location

オプション

512

移動対象のユーザが所属する基礎ロケーションを指示します。
ユーザリスト作成コマンドは、この基礎ロケーション内のユーザを検索し、ユーザ名と所属するロケーションの一覧をユーザリストファイルに出力します。
検索はその階層化組織またはエリア配下のユーザのみ検出され、最下位の階層化組織とエリアの間にある階層化組織に所属するユーザは、検出されません。

ロケーションの指定方法
=location ou=TW,l=local_area,o=Fj,c=jp
ou = 移動対象ユーザの所属する階層化組織名
l = 移動対象ユーザの所属するエリア名
o = 移動対象ユーザの所属する組織名
c = 移動対象ユーザの所属する国名
記述は、下位階層の組織より指定します。

=group

オプション

512

移動対象のユーザが所属するグループを指示します。
ユーザリスト作成コマンドは、このグループ内のユーザを検索し、ユーザ名と所属するロケーションの一覧をユーザリストファイルに出力します。
検索はそのグループ配下のユーザのみ検出され、そのグループの所属する上位グループに所属するユーザは、検出されません。

グループ名とロケーションの指定方法
=group cn=ADMIN,ou=SSL,l=local_area,o=Fj,c=jp
cn =グループ名
ou = グループの所属する階層化組織名
l = グループの所属するエリア名
o = グループの所属する組織名
c = グループの所属する国名
記述する順序は、グループ名から始まり、下位階層の組織より指定します。
ouは下位階層から階層分繰り返し記述します。

=mail

オプション

64

メールサービス名を指定します。
ユーザリスト作成コマンドは、そのメールサーバを使用しているユーザを検索し、ユーザ名と所属するロケーションの一覧をユーザリストファイルに出力します。
また、移動元サイト以外のサービス名や、存在しないサービス名は指定できません。

=calendar

オプション

64

カレンダーサービス名を指定します。
ユーザリスト作成コマンドは、そのカレンダーサーバを使用しているユーザを検索し、ユーザ名と所属するロケーションの一覧をユーザリストファイルに出力します。
また、移動元サイト以外のサービス名や、存在しないサービス名は指定できません。

◆中間ファイルに必要な容量見積もり

コマンドを使い、中間ファイに必要な容量を出力できます。このコマンドは、事前に中間ファイルの容量を把握しておきたいとき、たとえば、中間ファイル出力先の空き容量が十分かどうかを確認したいときなどに使用します。

指定形式

todirexp -e|-E user_list

オペランドの説明

-e :

個人定義格納用の中間ファイルの大きさを見積もる場合に指定します。

-E :

個人定義格納用中間ファイルの大きさに加えて、個人メモ格納用の中間ファイルの大きさを見積もる場合に指定します。

user_list :

移出する予定のユーザを記述したユーザリストのファイル名を指定します。

  • 移出処理と同じくらいの時間がかかります。移出処理と同じ環境条件で起動してください。
  • 資源移動ユーティリティで作成される中間ファイルは、2GBを超えて作成することができません。あらかじめ、-eオペランドを使用して中間ファイルの予測サイズを測定してください。2GBを超える場合は、リストファイルを分割した上で、中間ファイルが2GBを超えないように、移出を行ってください。

以下に、-eで中間ファイルに必要な容量を見積もる機能を実行した場合の出力例を示します。"File size ="の右辺が個人定義を格納するための中間ファイルの大きさです。


D:\to> todirexp -e test.txt
INFO : 116100 List file read complete.
INFO : 116100 User[cn=中山 賢一,ou=TW,l=kawasaki,o=Fj,c=jp] checked.
INFO : 116100 User[cn=小野寺 しげる, ou=TW,l=kawasaki,o=Fj,c=jp] checked.
INFO : 116100 User[cn=岡 博文, ou=TW,l=kawasaki,o=Fj,c=jp] checked.
INFO : 116100 User[cn=大川 憲之介, ou=TW,l=kawasaki,o=Fj,c=jp] checked.
INFO : 116100 User check complete.
estimate start.


cn=中山 賢一,ou=TW,l=kawasaki,o=Fj,c=jp estimate complete
cn=小野寺 しげる, ou=TW,l=kawasaki,o=Fj,c=jp estimate complete
cn=岡 博文, ou=TW,l=kawasaki,o=Fj,c=jp estimate complete
cn=大川 憲之介, ou=TW,l=kawasaki,o=Fj,c=jp estimate complete

File size = 52,866 (Byte)Done

D:\to>

以下に、-Eで中間ファイルに必要な容量を見積もる機能を実行した場合の出力例を示します。"IWF file size ="の右辺が個人メモを格納するための中間ファイルの大きさです。

d:\to>todirexp -E test.txt
INFO : 116100 List file read complete.
INFO : 116100 User[cn=中山 賢一,ou=TW,l=kawasaki,o=Fj,c=jp] checked.
INFO : 116100 User[cn=小野寺 しげる, ou=TW,l=kawasaki,o=Fj,c=jp] checked.
INFO : 116100 User[cn=岡 博文, ou=TW,l=kawasaki,o=Fj,c=jp] checked.
INFO : 116100 User[cn=大川 憲之介, ou=TW,l=kawasaki,o=Fj,c=jp] checked.
INFO : 116100 User check complete.
estimate start.


cn=中山 賢一,ou=TW,l=kawasaki,o=Fj,c=jp estimate complete.
cn=小野寺 しげる, ou=TW,l=kawasaki,o=Fj,c=jp estimate complete.
cn=岡 博文, ou=TW,l=kawasaki,o=Fj,c=jp estimate complete.
cn=大川 憲之介, ou=TW,l=kawasaki,o=Fj,c=jp estimate complete.

 IWF file size = 658 (Byte)
 File size = 52,866 (Byte)
Done.

D:\to>

◆移出処理

したい個人情報を、移動元サーバから中間ファイルへ抽出します。なお、コマンドの実行は、TeamWARE Officeの動作中に行ってください。

  • 中間ファイル名(idf_fileおよびMEMO_file)には、出力先のパスに存在しないファイル名を指定してください。すでに存在しているファイル名を記述するとエラーとなります。この場合、存在しないファイル名に変更して、処理をもう一度行ってください。
  • 個人メモ格納用の中間ファイル(MEMO_file)がすでに存在しているためにエラーとなった場合、個人定義格納用中間ファイル(idf_file)が不完全な状態で作成されます。このような場合は、作成されたidf_fileを削除して、MEMO_fileを存在しないファイル名に変更して、処理をもう一度行ってください。
  • ユーザはエンタープライズ環境内では重複して存在できないため、移出処理を行うと、移動元サーバのユーザは削除されます。
  • 移出処理が正常に行われた場合、移動元サイトの移出したユーザはすべて削除されます。しかし、削除対象のユーザのメール資源およびカレンダー資源の一部は、メールサーバおよびカレンダーサーバのデータベースから削除されない場合があります。削除されない資源は、ほかのユーザと共有している情報であるために削除すると移動元サイトと移動先サイトの資源の情報に不一致を起こす場合があるためです。

指定形式

todirexp [-w MEMO_file] idf_file user_list

オペランドの説明

-w MEMO_file :

個人メモも移出したい場合に指定します。MEMO_fileに個人メモ格納用の中間ファイル名を指定します。Webサービスの初期化ファイル(http.ini)の[Work]セクションのMemoキーで指定されたディレクトリ配下で管理されている個人メモが移出対象となります。

idf_file :

個人定義格納用の中間ファイル名を指定します。

user_list :

ユーザリストのファイル名を指定します。

  • 一度の移出処理で移動できるユーザの人数は最高100人までです。これ以上のユーザを移動しようとする場合は、複数回に分けて移動してください
  • 移動するユーザが、あるアクセスコントロールグループに所属している場合は、移出後にそのアクセスコントロールグループのメンバーから削除されます。移入後も移動元サイトのアクセスコントロールグループのメンバーには再登録はされません。

◆リカバリ機能

処理の内部では、大きく分けて以下の3通りの手順があります。

  1. 移動元サイトのディレクトリデータベースからユーザの定義情報を抽出して、中間ファイルに出力する。-wが指定された場合は、個人メモも中間ファイルに出力する。
  2. 移動ユーザの抽出が完了したら、移動ユーザを移動元サイトのディレクトリから削除する。-wが指定された場合は、個人メモもサーバから削除する。
  3. 移動ユーザの削除が完了したら、ユーザリストファイルで指定のあったユーザの分のメール自動転送ユーザを移動元サイトに作成する。

1の処理で失敗した場合は、移動元サイトのディレクトリの状態には変更がありませんので、移動元サイトのTeamWARE Officeサーバの状態がおかしくない限り再度移出を始めることができます(たとえば、リストファイルの定義を間違えた場合など)。

しかし、2の処理で異常が発生した場合は、完全にユーザの削除ができないので移動先サイトで移入処理を行おうとしても同じユーザ定義が重複するため失敗します。また、3のメール自動転送ユーザ作成もできません。しかも、このままでは移動元サイトを移出処理開始前に復旧できません。

3の処理で失敗した場合は、一応移動先サイトで移入処理を行うことが可能ですが、移動ユーザに対して移動前の古いメールアドレスでインターネットやX.400により外部からメールを送信された場合、これを受信することができません。

前述した問題に対応するため、移出処理コマンドの以下の機能を使用することでリカバリを行えます。このリカバリ機能は移出処理を行った移動元サイト以外では使用できません。

ユーザ定義を移動元サイトに復元す

この機能は、2の処理で失敗した場合、移出処理コマンドを実行する前の状態にデータベースに復元します。1の処理で作成した中間ファイルに含まれるユーザの個人情報や資源を、移動元サイトのディレクトリに移入することで復元を行います。

指定形式

todirexp -r [-w MEMO_file] idf_file

オペランドの説明

-r :

個人定義および個人メモの復元によるリカバリを行う場合に指定します。

-w MEMO_file :

個人メモも復元する場合に指定します。MEMO_fileに、1で作成され個人メモ格納用中間ファイル名を指定します。

idf_file :

idf_fileに、1で作成された個人定義格納用中間ファイル名を指定します。

ユーザ定義を移動元サイトから削除する

この機能は、2の処理で失敗し、移動元サイトから削除できなかったユーザを、1で作成された中間ファイルに含まれるユーザの個人情報を使用して削除します。

指定形式

todirexp -d [-w MEMO_file] idf_file

オペランドの説明

-d :

個人定義および個人メモの削除によるリカバリを行う場合に指定します。

-w MEMO_file :

個人メモも削除したい場合に指定します。MEMO_fileに、1で作成された個人メモ格納用中間ファイル名を指定します。

idf_file :

idf_fileに、1で作成された個人定義格納用中間ファイル名を指定します。

メール自動転送ユーザを作成する

この機能は3の処理自体で失敗したときか、2の処理の失敗によるリカバリのあとで3の処理の再実行を行いたい場合に使用します。この機能はメールの自動転送を指定したユーザが、全員移動元サイトから削除されていなくてはなりません。

指定形式

todirexp -m idf_file user_list

オペランドの説明

-m :

idf_fileに、1で作成された中間ファイル名を指定します。

user_list :

1で使用したユーザリストのファイル名を指定します。

◆中間ファイルの転送

中間ファイルが作成されたら、中間ファイを移動元サーバから移動先のディレクトリサーバへバイナリ形式で転送します。ファイルはほかのユーティリティを使用して圧縮して転送してもかまいませんが、転送後、解凍を忘れないようにしてください。

◆ユーザ名の重複チェック

実際に移入を行う前に、同じユーザ名を持つユーザの存在をコマンドを使い、チェッできます。また、インターネット、X.400メールアドレス、FAXアドレス、ログイン名の重複もチェックできます。名前などが重複していた場合には、カスタムオペランドなどにより、重複している内容を変更してこれを回避できます。

指定形式

todirimp -n idf_file user_list

オペランドの説明

-n :

idf_fileに、移出処理で作成された中間ファイル名を指定します。

user_list :

ユーザリストのファイル名を指定します。カスタマイズオペランドを指定して、これにより変更した内容とチェック先サイトの定義内容の重複チェックを行うことができます。指定できる制御オペランド、カスタムオペランドは、通常の移入処理の場合と同じです。

移入処理と同じくらいの時間がかかる場合があります。移入処理と同じ環境条件で起動してください。

◆移入処理

移動させるユーザ情報を、中間ファイルから移動先サイトのTeamWARE Directoryサーバへ移します。中間ファイル名をパス付きで入力することにより、移動先サーバの格納先を指定できます。なお、コマンドの実行は、TeamWARE Officeの動作中に行ってください。

指定形式

todirimp [-w MEMO_file] idf_file user_list

オペランドの説明

-w MEMO_file :

個人メモも移入したい場合に指定します。MEMO_fileで指定された個人メモ格納用中間ファイル内に格納されているユーザの個人メモを移入します。移入先は、Webサービス初期化ファイル(http.ini)の[Work]セクションのMemoキーで指定されたディレクトリです。

idf_file :

個人定義格納用中間ファイルの名前を指定します。

list_file :

ユーザリストの名前を指定します。

  • 移入処理が失敗した場合は、移動先のデータベースのバックアップ情報をリストアし、再度実行してください。移入処理を中断した状態で運用を開始すると、データベース間に不整合が発生する場合があります。作業を中断した状態で運用を開始する場合には、移動先サイト内のすべてのデータベースのリストアを実行してください。
  • 移入時に、移動先サイトに移動移入しようとするユーザと同じ、重複できない情報(ユーザ名と所属するロケーション、ログイン名、インターネットメールアドレス、X.400メールアドレスなど)を持っているユーザが定義されている場合、その移動ユーザの移出をスキップして処理を続行します。移入をスキップした移動ユーザを移入したい場合には、後述のユーザリストファイルの編集でカスタムオペランドで移動ユーザの情報を一意なものに設定して再度移入処理を行います。
  • 移入時に、すでに移動ユーザの個人定義が存在した場合は、そのユーザの個人定義の移入をスキップして処理を続行します。上記の重複情報を修正したことによる移入処理の場合は、このスキップを無視してもかまいませんが、そのユーザの再移入を行いたいときには、TeamWARE Directoryクライアントでそのユーザを削除してから再度移入処理を行ってください。
  • ユーザ定義に続いてメール、カレンダー資源を移入する場合、ユーザ定義の移出処理が完全に終了してから実行してください。ユーザ定義の移入でスキップされたユーザがいる場合、メール、カレンダーの移入処理に失敗します。

ユーザリストファイルの編

移入処理を行う前に、移動元で作成し、移出処理で使用したユーザリストファイルに以下に示す制御文を追加します。

例として、以下の条件での制御オペランドとカスタムオペランドを追加したユーザリストの編集例を示します。

基本ユーザテンプレートは、"cn=従業員,ou=TWG,l=shizuoka,o=Fj,c=jp"

ユーザリストは以下のように編集します。


//op personal
//base_temp cn=従業員,ou=TWG,l=shizuoka,o=Fj,c=jp
=user cn=中山 賢一,ou=TW ,l=shizuoka,o=Fj,c=jp
=group cn=ADMIN, ou=TW ,l=shizuoka,o=Fj,c=jp
=new_user 中山 賢一(1991)
=user cn=小野寺 しげる,ou=TW ,l=shizuoka,o=Fj,c=jp
=template cn=d_temp,ou=develop,l=shizuoka,o=Fj,c=jp

=internetuser s-ono


詳細については、表H.3および表H.4を参照してください。

ユーザリストを編集するときは、移出処理で使用した制御文は絶対に変更、削除をしないでください。移入処理においてその情報を使用するため、変更した場合は移入処理ができなくなる場合があります。

ユーザリストファイルの制御オペランの詳細について、表H.3に示します。

[表H.3 制御オペランド]

オペランド

必須/

オプション

最大長

設定値

//base_temp

必須

512

移動先に存在するユーザテンプレート名とこのユーザテンプレートが所属するロケーションを指定します。
移動先サイト固有の情報は、"=template"オペランドが指定されていない限り必ずこのユーザテンプレートの所属するロケーションがユーザに設定されます。移動先サイトにローカルで定義されているものだけ指定可能です。
この指定は、すべてのユーザに対して有効です。なお、ユーザごとにユーザテンプレートを指定することもできます。詳細については"表H.4 カスタムオペランド"の"=template"オペランドの説明を参照してください。
また、移動先サイト以外に定義されているユーザテンプレートや、存在しないユーザテンプレートは指定できません。
※ユーザリスト作成コマンドは、このオペランドを値なしでファイルに出力します。
このオペランドは移出処理コマンドの実行ではコメント行として無視されます。移入処理コマンドの実行前に値を記述してから実行してください。
TeamWARE Mailを利用するユーザに指定するユーザテンプレートには、Mailサービス使用権、および、使用するMailサーバの設定とメールベースアドレス(配達方法の指定により、インターネットまたはX.400、FAXのどれか)を必ず設定してください。

ロケーションの指定方法
//base_temp cn=utp,ou=TW,l=area,o=Fj,c=jp
cn = ユーザテンプレート名
ou = ユーザテンプレートの所属する階層化組織名
l = ユーザテンプレートの所属するエリア名
o = ユーザテンプレートの所属する組織名
c = ユーザテンプレートの所属する国名
記述は、下位階層の組織より指定します。
ouは、階層分繰り返し記述します。

ユーザリストファイルのカスタムオペランの詳細について、表H.4に示します。

[表H.4 カスタムオペランド]

オペランド

必須/

オプション

最大長

設定値

=new_user


オプション

64

変更したいユーザ名を指定します。
移動先サイトに所属が同じで同姓同名のユーザがすでに存在する場合には、この指定で回避できます。
ユーザ名の指定方法
=new_user 中山 賢一(営業1課)

=sortname

オプション

64

ソート名を変更します。
本オペランドは、=new_userオペランドが指定されている場合のみ有効になります。
=new_userオペランドが指定されていない場合は無視されます。

=sur

オプション

40

姓を変更します。

=giv

オプション

16

名を変更します。

=init

オプション

5

頭文字を変更します。

=gen

オプション

3

世代を変更します。

=custom1
〜=custom16

オプション

128

カスタム属性を変更します。
1〜16の数値は、カスタム属性の順番を意味します。指定しない場合、カスタムオペランドの=templateの値を設定します。=templateオペランドが設定されていない場合は、制御オペランドの//base_tempで指定された基底ユーザテンプレートが設定されます。
そのサイトに定義されているカスタム属性のみ設定できます。

=login

オプション

48

ログイン名を変更します。
移動先サイトに同じログイン名を指定しているユーザが存在する場合にこの指定で回避します。
なお、このオペランドでログイン名を変更したユーザのパスワードは、未設定の状態で移入されますので、その旨をユーザに通知してください。

=internetuser

オプション

192

インターネットメールアドレスのユーザ名の部分を変更します。
移動先サイトに同じインターネットメールアドレスを指定しているユーザが存在する場合にこの指定で回避します。

=fax

オプション

64

FAXアドレスのサブアドレスの部分を変更します。
移動先サイトに同じFAXアドレスを指定しているユーザが存在する場合にこの指定で回避します。

=x4mnepsur

オプション

40

X.400 アドレス(印刷可能文字列)姓を変更します。
移動先サイトに同じX.400アドレスを指定しているユーザが存在する場合にこの指定で回避します。

=x4mnepgiv

オプション

16

X.400 アドレス(印刷可能文字列)名を変更します。
移動先サイトに同じX.400アドレスを指定しているユーザが存在する場合にこの指定で回避できます。

=x4mnepinit

オプション

5

X.400 アドレス(印刷可能文字列)頭文字を変更します。
移動先サイトに同じX.400アドレスを指定しているユーザが存在する場合にこの指定で回避できます。

=x4mnepgen

オプション

3

X.400 アドレス(印刷可能文字列) 世代を変更します。
移動先サイトに同じX.400アドレスを指定しているユーザが存在する場合にこの指定で回避できます。

=x4mnepcn

オプション

64

X.400 アドレス(印刷可能文字列)共通名を変更します。

=x4mnetsur

オプション

40

X.400 アドレス(Teletex文字列)姓を変更します。
移動先サイトに同じX.400アドレスを指定しているユーザが存在する場合にこの指定で回避します。

=x4mnetgiv

オプション

16

X.400 アドレス(Teletex文字列)名を変更します。
移動先サイトに同じX.400アドレスを指定しているユーザが存在する場合にこの指定で回避できます。

=x4mnetinit

オプション

5

X.400 アドレス(Teletex文字列)イニシャル頭文字を変更します。
移動先サイトに同じX.400アドレスを指定しているユーザが存在する場合にこの指定で回避できます。

=x4mnetgen

オプション

3

X.400 アドレス(Teletex文字列)世代を変更します。
移動先サイトに同じX.400アドレスを指定しているユーザが存在する場合にこの指定で回避できます。

=x4mnetcn

オプション

64

X.400 アドレス(Teletex文字列)共通名を変更します。

=template

オプション

512

//base_tempオペランドで指定した基底ユーザテンプレートより優先して、このオペランドで指定したユーザテンプレートの情報をユーザに設定します。
指定方法は//base_tempと同じです。
ユーザ単位で割り付けるテンプレートを変えたい場合に有効です。
また、移動先サイト以外に定義されているユーザテンプレートや、存在しないユーザテンプレートは指定できません。

=group

オプション

512

このオプションで指定した移動先のサイトに存在するグループにユーザを登録します。本ユーティリティは1ユーザにつき1グループのみ登録できます。
複数のグループに登録する場合は、TeamWARE Directoryクライアントを使用してください。
また、移動先サイト以外に定義されているアクセスコントロールグループや、存在しないグループは指定できません。
グループ名とロケーションの指定方法
=group cn=ADMIN,ou=SSL,l=local_area,o=Fj,c=jp
cn =グループ名
ou = グループの所属する階層化組織名
l = グループの所属するエリア名
o = グループの所属する組織名
c = グループの所属する国名
記述する順序は、グループ名から始まり、下位階層の組織より指定します。
ouは下位階層から階層分繰り返し記述します。


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