TeamWARE Office 200X V2.0 管理者ガイド |
目次
索引
![]() ![]() |
付録B Directoryユーティリティ |
ローカルユーザ情報ファイルは、ユーザアカウントの登録/更新/削除を行うためのユーザ管理情報を記述するファイル、あるいはローカルユーザ情報リストで生成されるファイルです。ローカルユーザ情報ファイルのコード系は、シフトJISコードです。各行の行末にキャリッジリターン<CR>とラインフィード<LF>が必要です。ローカルユーザ情報ファイルには、以下の情報が存在します。
なお、上記の情報以外に、コメント行を記述できます。コメント行は、行頭に "/*" を記述します。
ローカルユーザ情報ファイルを、ftpによって別のコンピュータにファイル転送する場合は、バイナリモードで行ってください。 |
ユーザアカウント行は、ユーザアカウント情報で構成されます。ユーザアカウント行は、スラッシュ文字"/"から始まり、空白行で終了する複数テキスト行です。なお、ユーザアカウント情報は、ローカルユーザ情報ファイル1行目の空白行(改行のみの行)よりもうしろにある必要があります。
ユーザアカウント情報は、ユーザに関する複数の属性から構成されます。各属性は、1行に"=<属性名> <属性値>"の形式で記述します。ユーザアカウント1件の属性をすべて記述するごとに、空白行を挿入します。
属性値に空白文字を含む場合、アポストロフィ(')で囲みます。そのほかの属性値も、アポストロフィで囲むことができます。 ユーザ登録・変更時にアポストロフィ(')のみを指定したい場合には(''')とアポストロフィをアポストロフィで囲むことで指定することができます。ただし、(')を含むデータをリストした場合、(''')を指定したデータも(')と出力されます。このリストで、登録、変更を行う場合には、リスト中の(')をもう一度(''')と指定し直してください。 |
ローカルユーザ情報移入では、ユーザアカウント情報の1行目に指定するユーザアカウント操作("=op")の値によって、以下の3つの処理が行われます。
ローカルユーザの登録・変更でインターネットベースアドレス(またはX.400ベースアドレス)が指定されたテンプレートを使用する場合、ユーザのインターネットアドレス(またはX.400アドレス)も指定する必要があります。未指定のままユーザを登録した場合、そのユーザのアカウント情報は、Directoryクライアントからの変更の際、「必須項目が設定されていません」の旨のエラーメッセージが表示され、変更できません。この場合には、各アドレス情報を入力して変更を完了してください。 |
それぞれの機能について説明します。
登録では、ローカルユーザ情報ファイルのユーザ情報を基に、Directoryデータベースにユーザアカウントを作成します。
ユーザアカウントの登録は、ローカルユーザ情報ファイルの"op"属性に"add"を記述することで行います。
ただし、ローカルユーザ情報ファイルに記述したユーザの名前によって、以下のような処理を行います。
ユーザアカウントの属性は、基本的にテンプレートの情報を基に設定されます。テンプレートは、ローカルユーザ情報ファイルの"template"属性で指定しますが、ローカルユーザ情報ファイル内に"template"属性が定義されていない場合は、パラメータファイルで定義されたテンプレートが使用されます。なお、パラメータファイルとローカルユーザ情報ファイルのテンプレート識別子が異なる場合、ローカルユーザ情報ファイルのテンプレート識別子を優先します。
なお、ローカルユーザ情報ファイルで記述していない属性については、すべてこのテンプレートの値が使用されます。
以下の属性については、ローカルユーザ情報ファイルに記述できないため、テンプレートに定義された値が使用されます。また、オプション設定ファイルについては、テンプレートの指定が有効になりません。オプション設定ファイルを使用したい場合は、ローカルユーザ情報ファイルの"optionuser"属性で指定してください。
"optionuser"属性を使用した場合、最初に開くカレンダーをどれにするかの設定をコピー元のユーザでしていると、その設定もコピーされてしまいます。
この場合には、コピー元のユーザの設定を、最初に開くカレンダーが設定されていない状態にしてから、本機能を使用してください。
コピー元のユーザでCalendarクライアントを起動し、すべてのカレンダーを閉じた上でCalendarクライアントを終了すれば、最初に開くカレンダーを設定していない状態になります。
更新では、ローカルユーザ情報ファイルの内容にそって、Directoryデータベースのユーザ情報を修正します。
ユーザ情報の更新は、ローカルユーザ情報ファイルの"op"属性に"modify"を記述することで行います。
ユーザ情報で、更新ではなく削除したい属性については、属性名のみ記述し、属性値を記述しないことにより削除を行うことができます。ただし、現在ユーザが持っていない属性値を省略することはできません。
なお、表B.1で更新が×になっている属性や、記述されていない属性については、更新することはできません。
削除では、ローカルユーザ情報ファイルで指定したユーザのアカウントをDirectoryデータベースから削除します。
ユーザアカウントの削除は、ローカルユーザ情報ファイルの"op"属性に"delete"を記述することで行います。
なお、削除後に残るデータについての所有者を指定しておく必要があります。これは"newowner"属性の記述により行います。"newowner"属性を省略した場合は、パラメータファイルに記述したログインユーザが所有者となります。
ユーザアカウントの削除を行うと、同時にメールボックスのデータも削除されます。
ローカルユーザ情報の登録/更新/削除において使用するユーザアカウント属性の詳細については、以下に示す"表B.1 アカウント属性一覧"を参照してください。
ローカルユーザ情報リストが出力するユーザアカウント属性は、以下の"表B.1 アカウント属性一覧"の属性のうち、実際にユーザに定義されている属性がリストされます。
|
属性名 |
登録 |
更新 |
削除 |
リスト |
最大長 |
注 釈 |
---|---|---|---|---|---|---|
op |
必須 |
必須 |
必須 |
○ |
6 |
ローカルユーザ情報登録/更新/削除の場合、ユーザアカウントの操作を指示します。 |
template |
オプション |
× |
× |
○ |
64, |
ユーザアカウント作成に使用するテンプレートの名前を指定します。 |
user |
必須 |
必須 |
必須 |
○ |
64 |
ユーザ名を記述します。 |
hier_parent |
オプション |
必須 |
必須 |
○ |
486-userの指定長 |
ユーザの属する識別名を記述します。 |
new_hier_parent |
× |
オプション |
× |
× |
486-user |
ユーザの属する新しい識別名を記述します。 |
× |
オプション |
× |
× |
64 |
新ユーザ名を記述します。 |
|
sortuser |
オプション |
オプション |
× |
○ |
64 |
一覧表示のソートキーを記述します。 |
newowner |
× |
× |
オプション |
× |
64, |
ユーザアカウント削除後に残ったデータの管理者を識別名を含めて記述します。 |
login |
必須 |
オプション |
× |
○ |
48 |
ログイン名を記述します。 |
passwd |
オプション |
オプション |
× |
× |
48 |
ログインパスワードを記述します。 |
オプション |
オプション |
× |
○ |
180 |
ユーザのコメントを記述します。 |
|
custom(n) |
オプション |
オプション |
× |
○ |
128 |
カスタム属性を設定します。 |
sur |
必須 |
オプション |
× |
○ |
40 |
ユーザの姓を記述します。 |
giv |
オプション |
オプション |
× |
○ |
16 |
ユーザの名を記述します。 |
init |
オプション |
オプション |
× |
○ |
5 |
ユーザの頭文字を記述します。 |
gen |
オプション |
オプション |
× |
○ |
3 |
ユーザの世代を記述します。 |
title |
オプション |
オプション |
× |
○ |
64 |
ユーザの肩書を記述します。 |
street(n) |
オプション |
オプション |
× |
○ |
30 |
ユーザの所在地を記述します。 |
telnr(n) |
オプション |
オプション |
× |
○ |
64 |
ユーザの電話番号を記述します。 |
teltype(n) |
オプション |
オプション |
× |
○ |
- |
同一の修飾子(n)を持つ電話番号に対する種別を記述します。telnr(n)と対応しています。 |
teldescr(n) |
オプション |
オプション |
× |
○ |
180 |
同一の修飾子(n)を持つ電話番号に対する説明を記述します。telnr(n)と対応しています。 |
faxnr(n) |
オプション |
オプション |
× |
○ |
64 |
ユーザのFAX番号を記述します。 |
faxdescr(n) |
オプション |
オプション |
× |
○ |
180 |
同一修飾子(n)を持つFAX番号に対する説明を記述します。faxnr(n)と対応しています。 |
doctype(n) |
オプション |
オプション |
× |
○ |
180 |
ユーザの好みの文書種別を記述します。 |
wsname |
オプション |
オプション |
× |
○ |
128 |
ユーザの通知先アドレスを記述します。 |
prefnet |
オプション |
オプション |
× |
○ |
4 |
ユーザの好みの配達方法を指定します。 |
x4mnep... |
x4mnepで始まる以降の属性は、X.400簡易記述アドレスの印刷可能文字列形式の各部分名を意味します。 |
|||||
x4mnepsur |
オプション |
オプション |
× |
○ |
40 |
ユーザの姓を記述します。 |
x4mnepgiv |
オプション |
オプション |
× |
○ |
16 |
ユーザの名を記述します。 |
x4mnepinit |
オプション |
オプション |
× |
○ |
5 |
ユーザの頭文字を記述します。 |
x4mnepgen |
オプション |
オプション |
× |
○ |
3 |
ユーザの世代を記述します。 |
x4mneporg |
× |
× |
× |
○ |
64 |
ユーザの組織名を記述します。 |
x4mnepou1 |
× |
× |
× |
○ |
32 |
ユーザの部門名1を記述します。 |
x4mnepou2 |
× |
× |
× |
○ |
32 |
ユーザの部門名2を記述します。 |
x4mnepou3 |
× |
× |
× |
○ |
32 |
ユーザの部門名3を記述します。 |
x4mnepou4 |
× |
× |
× |
○ |
32 |
ユーザの部門名4を記述します。 |
x4mnepprmd |
× |
× |
× |
○ |
16 |
ユーザの私設領域名を記述します。 |
x4mnepadmd |
× |
× |
× |
○ |
16 |
ユーザの主管庁領域名を記述します。 |
x4mnepco |
× |
× |
× |
○ |
3 |
ユーザの国名を記述します。 |
x4mnet... |
x4mnetで始まる属性は、X.400簡易記述アドレスのteletex形式の各部分名を意味します。x4mnet...には、上記x4mnep...と同じ属性が含まれています。 |
|||||
internetuser |
必須、 |
オプション |
× |
○ |
192 |
ユーザのインターネットアドレスの名前部分を記述します。ユーザ登録時のユーザテンプレートに、配達方法が指定されている場合、本属性は必須です。 |
internetbase |
オプション |
オプション |
× |
○ |
255 |
ユーザのインターネットアドレスのベースアドレス部分。 |
optionuser |
オプション |
オプション |
× |
× |
64, |
コピーしたいオプション設定を持つユーザ名を識別名を含めて記述します。 |
group |
オプション |
オプション |
× |
○ |
64, |
ローカルユーザ情報登録/更新の場合、ユーザの所属するグループ識別子を記述します。 |
mailservice |
オプション |
オプション |
× |
○ |
64+5 |
ローカルユーザが使用するMailサービス名を記述します。 |
mailbox_size |
オプション |
オフ゜ション |
× |
× |
10000000 |
ローカルユーザが使用するメールボックスのサイズをキロバイト単位で記述します。 |
calservice |
オプション |
オプション |
× |
○ |
64+5 |
ローカルユーザが使用するCalendarサービス名を記述します。 |
calendar_size |
オプション |
オプション |
× |
× |
10000000 |
ローカルユーザが使用するカレンダーのサイズをキロバイト単位で記述します。 |
libservice |
オプション |
オプション |
× |
○ |
64+5 |
ローカルユーザが使用するLibraryサービス名を記述します。 |
forumservice |
オプション |
オプション |
× |
○ |
5 |
ローカルユーザのForumサービス使用の有無を記述します。 |
inetaccess |
オプション |
オプション |
× |
○ |
5 |
ローカルユーザのインターネットアクセスの許可の有無を記述します。 |
inetpasswd |
オプション |
オプション |
× |
× |
48 |
インターネットパスワードを記述します。なお、ローカルユーザ情報リストの場合は、実際に設定があってもリストされません。 |
sproservice |
オプション |
オプション |
× |
○ |
5 |
ローカルユーザのSearchProサービス使用の有無を記述します。 |
admin |
オプション |
オプション |
× |
○ |
9 |
ローカルユーザが使用するサービスの管理権を記述します。 |
creation |
オプション |
オプション |
× |
○ |
13 |
ローカルユーザのエントリの作成権を記述します。 |
remoterights |
オプション |
オプション |
× |
○ |
9 |
特別権限の使用権を記述します。 |
(注1):ディレクトリの名前部分の最大長は64バイト、識別名全体の最大長は490バイトです。たとえば、属性名templateの識別名が "cn=template名,l=location,o=organization,c=jp"の場合、全体の最大長は490バイトで、template名部分の最大長は64バイトです。
(注2):複数行が指定された場合、最終行を除く各行には改行文字のバイト数(CR+LFの2バイト)が含まれます。
(注3):上位の権限は、下位の権限を含んでいます。ユーザが、異なるレベルの権限を持っていた場合、ローカルユーザ情報リストは上位の権限のみ出力します。したがって、属性名"admin"と"creation"は、どちらか片方のみが出力されることになります。
以下に、上位の権限を左から順に示します。
TeamWARE Office管理権>各サービスの管理権>各種の作成権
以下に、ローカルユーザ情報ファイルの作成例を示します。
/* 新しくローカルユーザ"伊藤のりこ"を登録。 /*"のりこ"は、"PFUサイト"のユーザです。 / =OP add =USER 伊藤のりこ =SUR itoh =GIV noriko =LOGIN noriko =TITLE 開発グループリーダー =SORTUSER イトウノリコ =DESCR(1) 'PFU TeamWARE Server Framework Leader' =INTERNETUSER noriko =INTERNETBASE @xx.fujitsu.co.jp =PREFNET 7 =TELNR(1) 03-123-4567 =TELNR(2) 03-321-7654 =MAILSERVICE TRUE 'DIRECTORY MAIL SERVICE' =MAILBOX_SIZE 10000000 =ADMIN LIBRARY =CREATION GROUP =CREATION EXTERNAL USER =REMOTERIGHTS PUBLIC =REMOTERIGHTS INTERSITE /* 電話番号を"03-123-7654"に変更。 /* SearchProサービスを使用可能に変更。 / =OP modify =USER 伊藤のりこ =HIER_PARENT 'l=pfu,o=fujitsu,c=jp' =TELNR(1) '03-123-7654' =SPROSERVICE TRUE /* インターネットのベースアドレスを"@zz.fujitsu.co.jp"に変更。 / =OP modify =USER 伊藤のりこ =HIER_PARENT 'l=pfu,o=fujitsu,c=jp' =INTERNETBASE @zz.fujitsu.co.jp /* 伊藤のりこ"の情報は、削除。 / =OP delete =USER 伊藤のりこ =HIER_PARENT 'l=pfu,o=fujitsu,c=jp' |
目次
索引
![]() ![]() |