Interstage Application Server 移行ガイド
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第3章 Interstage Application Server V7からの移行

3.4 EJBサービスの移行

■ EJBのプロセスディスパッチ方式の変更

 Interstage Application Server 8.0でEJBコンテナのディスパッチ方式が改善され、ラウンドロビン方式で動作します。Interstage Application Server V7.0はLRU方式で動作しました。

 以下に各プロセスディスパッチ方式について説明します。ラウンドロビン方式の場合には各プロセスに処理が均等に割り振られるため、処理が集中した場合の性能改善効果や危険分散効果があります。

プロセスディスパッチ方式

ディスパッチ論理

ラウンドロビン方式
(8.0のディスパッチ方式)

要求待ちのサーバアプリケーションプロセスの中で、最初に要求待ちとなったプロセスに、クライアントからの要求メッセージを振り分けます。
クライアントからの要求数が少ない場合は、各プロセスに均等に要求メッセージが振り分けられます。

LRU方式
(7.0までのディスパッチ方式)

要求待ちのサーバアプリケーションプロセスの中で、最後に要求待ちとなったプロセスに、クライアントからの要求を振り分けます。
クライアントからの要求数が少ない場合は、特定のプロセスのみに要求メッセージが振り分けられます。

■ STATELESS Session Beanのインスタンス生成モード

 以下の条件を満たす場合、STATELESS Session Beanのインスタンス生成タイミングのチューニングが行えません。

 この場合、At Start-Up定義が有効となり、インスタンス生成タイミングのチューニングが行えません。
 インスタンス生成タイミングのチューニングを行いたい場合は、ejbdefexport/ejbdefimportコマンドを使用し、<stateless-instance-create-type?>タグを削除するか、または、タグの値を“At First Access”に変更して下さい。

 ejbdefexport/ejbdefimportコマンドについては、“J2EEユーザーズガイド”の“Enterprise Bean定義情報のexportとimport”、および“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“EJBサービス運用コマンド”を参照してください。

■ Message-driven Bean機能拡張

◆ 異常時のメッセージ退避機能

 以下の条件を満たす場合、リトライ回数を超過してもメッセージ受信を繰り返す可能性があります。


 Point-To-Pointメッセージングモデル:1受信者だけにメッセージを配信するモデル

 イベントチャネルのイベントデータをメモリにキャッシュする数を、イベントチャネルに蓄積できるイベントデータの最大値よりも大きく設定してください。
 設定はイベントサービス運用コマンドを使用して行います。詳細は“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“essetcnf”および“essetcnfchnl”を参照してください。

 Point-To-Pointメッセージングモデルを利用する場合、以下の非互換があります。

 上記に該当する場合は、以下の互換オプションを設定して運用してください。ただし、互換オプションを設定した場合、JMSが受信したメッセージは同時に処理されません。

設定ファイルの格納先


C:\Interstage\EJB\etc\FJEJBconfig.properties

設定内容

MDB_ReciveType=reciver

■ Message-driven Beanのスレッドプール

 Interstage Application Server 8.0では、Message-driven Beanはスレッドをプーリングすることが可能となるため、以下を見直してください。

項目

設定内容

定義ファイル格納ディレクトリ


Interstage インストールディレクトリ\ejb\etc

/opt/FJSVejb/etc

定義ファイル名

FJEJBconfig.properties

指定するキー

"mdb.thread.pool"

指定する値

  • ON(デフォルト)
    Message-driven Beanでスレッドプールを使用する。
  • OFF
    Message-driven Beanでスレッドプールを使用しない。

大文字・小文字は区別しません。

■ EJBサービス運用コマンド

 Interstage Application Server 8.0では、アプリケーションファイルの権限を指定する機能がサポートされたため、以下のコマンドはアプリケーションファイル保護レベルで指定したユーザで使用してください。
 アプリケーションファイル保護レベルについては、“J2EEユーザズガイド”の“J2EEアプリケーションの配備と設定”を参照してください。


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