NetCOBOL Studio 使用手引書 V9.0
目次 索引 前ページ次ページ

付録A ビルド時にプリプロセッサを使用するには

以下の手順で、COBOLアプリケーションのビルド時にプリプロセッサを使用することができます。

  1. プリプロセッサを実行するAntスクリプトを用意します。

    COBOLのプリプロセッサを実行するAntスクリプトを「COBOLプロジェクト」に作成します。Antスクリプト作成は、以下のどちらかの方法で行うことができます。

    1. [依存]または[構造]ビューでCOBOLプロジェクトを選択した状態で、メニューバーから[ファイル] > [新規] > [その他]を選択します。[新規]ダイアログボックスで[シンプル] > [ファイル]を選択し、XMLファイルを生成します。生成したXMLファイルにAntスクリプトを記述します。
    2. 別のエディタなどであらかじめAntスクリプトファイルを作成します。[依存]または[構造]ビューでCOBOLプロジェクトを選択した状態で、メニューバーから[ファイル] > [インポート]を選択して、作成したAntスクリプトファイルをプロジェクトにインポートします。

    作成するAntスクリプトの例を以下に示します。

    <?xml version="1.0" encoding="SHIFT_JIS"?>

    <project name="pre-processor" default="defaulttarget" basedir=".">

    <!-- プリプロセッサのコマンドをvalueに指定します -->

    <property name="preprocessor.command" value="sqlpcob.exe" />

    <!-- プリプロセッサの引数(オプションおよび入力ファイル名)をvalueに指定します -->

    <property name="preprocessor.args" value="test.eco"/>

    <!-- プリプロセッサの入力ファイル名をvalueに指定します -->

    <property name="source.file.name" value="test.eco" />

    <!-- プリプロセッサの出力ファイル名(COBOLソースファイル名)をvalueに指定します -->

    <property name="target.file.name" value="test.cob" />

    <property name="target" value="incremental" />

    <target name="init">

    </target>

    <target name="preprocess" depends="init">

    <exec executable="${preprocessor.command}">

    <arg line="${preprocessor.args}" />

    </exec>

    </target>

    <target name="check.uptodate">

    <uptodate property="target.uptodate" targetfile="${target.file.name}">

    <srcfiles dir="${basedir}" includes="${source.file.name}" />

    </uptodate>

    </target>

    <target name="build" depends="check.uptodate" unless="target.uptodate">

    <antcall target="preprocess" />

    </target>

    <target name="fullbuild">

    <antcall target="preprocess" />

    </target>

    <target name="incremental">

    <antcall target="build" />

    </target>

    <target name="full">

    <antcall target="fullbuild" />

    </target>

    <target name="auto">

    <antcall target="build" />

    </target>

    <target name="defaulttarget">

    <antcall target="${target}" />

    </target>

    </project>

上記では、サンプルとしてSymfowareのSQL-COBOLプリプロセッサである"sqlpcob.exe"を設定しています。

以下の項目をご使用の環境に合わせて設定してください。

プロパティ(property name)

値(Value)

preprocessor.command

プリプロセッサのコマンド

preprocessor.args

プリプロセッサの引数(オプションおよび入力ファイル名)

source.file.name

プリプロセッサの入力ファイル名

target.file.name

プリプロセッサの出力ファイル名(COBOLソースファイル名)

  1. ビルド時にプリプロセッサを実行する設定を行います。

    ビルド時に、プリプロセッサの実行をするAntスクリプトを実行させるには、以下の設定を行ってください。

    1. プロジェクトのプロパティダイアログボックスで[ビルダ]を選択し、[新規]をクリックし、[構成タイプの選択]ダイアログボックスを表示します。

    2. [Antビルド]を選択し、[OK]ボタンを選択し、[New_Builderのプロパティ]ダイアログボックスを表示します。

    3. [メイン]タブの[ビルドファイル]の[ワークスペースの参照]ボタンを選択します。
    4. [ロケーションの選択]ダイアログボックスから、プロジェクトフォルダ配下にあるプリプロセッサを実行するAntスクリプトファイル(ここでは名前をpreprocess.xmlとしています)を選択し、[OK]ボタンを選択します。

    5. [メイン]タブの[基底フォルダ]の[ワークスペースの参照]ボタンを選択します。
    6. [フォルダの選択]ダイアログボックスから、基底フォルダとなるプロジェクトを選択し、[OK]ボタンを選択します。

    7. [New_Builderのプロパティ]ダイアログボックスで以下の項目を入力し、[OK]ボタンを選択します。

      設定項目

      設定内容

      名前

      任意

      引数

      -Dtarget=${build_type}

なお、このダイアログボックスで定義する他のフィールドは、通常は変更しないで初期表示のままにしておきます。

  1. プリプロセッサを実行するAntスクリプトファイルの実行定義が完了したら、プロジェクトのプロパティダイアログボックスの[OK]ボタンを選択します。

    このとき、追加したAntスクリプトがNetCOBOL Builderよりも上に設定されるようにします。下に設定されている場合には、[上へ]ボタンで上になるように変更してください。

  1. 設定が完了したら、一度プロジェクトをビルドし、プリプロセッサが正しく実行されるかどうか確認してください。プリプロセッサが正しく実行されることを確認したら、実行の結果作成されたプリプロセッサの出力ファイルを[依存]ビュー上で[ソースファイル]フォルダに追加してください。次回のビルドから出力ファイルがコンパイルされるようになります。

目次 索引 前ページ次ページ

All Rights Reserved, Copyright(C) 富士通株式会社 2006