Systemwalker Centric Manager 導入手引書 - UNIX共通 -
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第3章 部門管理サーバ・業務サーバの環境構築

3.4 システムパラメタのチューニング

部門管理サーバおよび業務サーバでは、システムパラメタのチューニングを行う必要があります。チューニングが必要なシステムパラメタとその値については、以下の表を参照してください。パラメタにより、既に設定されている値(デフォルト値)に加算する場合と、既に設定されている値と比較し大きい方の値(最大)を設定する場合があります。(加算の場合、設定のシステム上限値も確認してください。)各パラメタがどちらにあたるかは、表の“種別”を参照してください。

詳細についてはSolaris OEのマニュアル等を参照してください。

■Solaris OEの場合

◆システムパラメタのチューニング値

[共有メモリ]

パラメタ

説明

種別

shmsys:shminfo_shmmax

共有メモリセグメントの最大サイズ

42240(SE版)

最大

81921(EE版)

shmsys:shminfo_shmmni

システム全体で作成できる共有メモリセグメントの最大数

4

加算

[メッセージキュー]

パラメタ

説明

種別

msgsys:msginfo_msgmap

message マップ内のエントリ数 (注1)

式1

加算

msgsys:msginfo_msgmax

メッセージの最大サイズ

4096

最大

msgsys:msginfo_msgmnb

待ち行列上の最大byte数

16384

最大

msgsys:msginfo_msgmni

メッセージ待ち識別子の数

7

加算

msgsys:msginfo_msgtql

メッセージのヘッダ数 (注2)

式2

加算

msgsys:msginfo_msgseg

メッセージセグメント数 (注3)

16385

加算

[セマフォ]

パラメタ

説明

種別

semsys:seminfo_semmap

セマフォマップ内のエントリ数(注3)

10

加算

semsys:seminfo_semmni

セマフォ識別子の数

8

加算

semsys:seminfo_semmns

システム内のセマフォ数

8

加算

semsys:seminfo_semmnu

システム内のundo構造体の数

12

加算

注1)
Solaris 8 OE以降では設定不要です。
式1の詳細は、以下のとおりです。

式1=msgtqlのチューニング値+2

注2)
式2の詳細は、以下のとおりです。

式2=資源配付の通信宛先数+20+msgmnbのチューニング値/100

注3)
Solaris 8 OE以降では設定不要です。

システムパラメタを編集するには、/etc/systemファイにチューニングのためのレコードを以下のように追加します。

なお、表にあるパラメタが既に設定されている場合、Solaris OEの各バージョンのマニュアルを参照し、チューニングを行ってください。

◆チューニング作業手順

  1. 以下のコマンドを使用して現在システムに設定されている上記表に該当するパラメタの設定値を確認します。
    #/usr/sbin/sysdef
  2. 上記[システムパラメタのチューニング値]を参照し、現在の設定値と比較を行い、各パラメタ毎に最大、加算の種別を考慮の上、適切な設定値を算出します。
  3. /etc/systemを編集します。

    システムパラメタをチューニングするために、/etc/systemファイルにチューニングのためのレコードを、以下の例のように編集します。

    例: Solaris 8 OE上に部門管理サーバ/業務サーバだけを導入し、資源配付の通信宛先数が128の場合

    set shmsys:shminfo_shmmni = 104

    set msgsys:msginfo_msgmax = 4096
    set msgsys:msginfo_msgmnb = 16384
    set msgsys:msginfo_msgmni = 57
    set msgsys:msginfo_msgtql = 352

    set semsys:seminfo_semmni = 18
    set semsys:seminfo_semmns = 68
    set semsys:seminfo_semmnu = 42

  4. システムパラメタを変更した後は、システムの再起動が必要です。再起動のコマンドを以下に示します。
    # cd /
    # /usr/sbin/shutdown -y -i6 -g0
  5. システム再起動後、設定したシステムパラメタが反映されている事を、以下のコマンドの出力から確認します。
    # /usr/sbin/sysdef

    [表示例]

    #/usr/sbin/sysdef
       ・
       ・
      (省略)
       ・
       ・
    *
    * IPC Messages
    *
    4096 max message size (MSGMAX)
    16384 max bytes on queue (MSGMNB)
    57 message queue identifiers (MSGMNI)
    352 system message headers (MSGTQL)
    *
    * IPC Semaphores
    *
    18 semaphore identifiers (SEMMNI)
    68 semaphores in system (SEMMNS)
    42 undo structures in system (SEMMNU)
    25 max semaphores per id (SEMMSL)
    10 max operations per semop call (SEMOPM)
    10 max undo entries per process (SEMUME)
    32767 semaphore maximum value (SEMVMX)
    16384 adjust on exit max value (SEMAEM)
    *
    * IPC Shared Memory
    *
    1048576 max shared memory segment size (SHMMAX)
    1 min shared memory segment size (SHMMIN)
    104 shared memory identifiers (SHMMNI)
    6 max attached shm segments per process (SHMSEG)
       ・
       ・
      (省略)
       ・
       ・

■Linuxの場合

◆システムパラメタのチューニング値

[共有メモリ]

パラメタ

説明

種別

kernel.shmmax

共有メモリの最大セグメントサイズ

51516

最大

kernel.shmmni

共有メモリセグメントの最大数

20963

加算

[メッセージキュー]

パラメタ

説明

種別

kernel.msgmax

メッセージの最大サイズ

2112

最大

kernel.msgmnb

1つのメッセージキューに保持できるメッセージの最大値

32768

最大

kernel.msgmni

メッセージキューIDの最大値

7

加算

[セマフォ]

セマフォの設定値は、各パラメタ値を以下の形式で指定します。

 kernel.sem = para1 para2 para3 para4

パラメタ

説明

種別

para1

セマフォ識別子あたりの最大セマフォ数

3

最大

para2

システム全体のセマフォ数

14

加算

para3

セマフォコールあたりの最大演算子数

3

最大

para4

システム全体のセマフォ識別子数

9

加算

システムパラメタを変更した後は、システムの再起動が必要です。再起動のコマンドを以下に示します。

# cd /
# /sbin/shutdown -r now

システムパラメタの編集方法およびシステムパラメタの確認方法は、“運用管理サーバの環境構築”の“システムパラメタのチューニング”を参照してください。

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