Interstage Application Server 移行ガイド
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付録C InfoDirectoryディレクトリサービスからSmart Repositoryへのデータの移行

 Smart Repositoryは、以下の製品で使用することができます。

 InfoDirectoryディレクトリサービスからSmart Repositoryへ、ディレクトリ内のデータを移行する手順を示します。

  1. InfoDirectory内からデータを抽出
  2. Smart Repositoryでリポジトリを作成
  3. リポジトリの起動
  4. Smart Repositoryへのデータの移入

1.InfoDirectory内からデータを抽出

 移行するデータが存在するDSAに対して以下のコマンドを実行し、InfoDirectoryのデータをLDIFファイルへ取り出します。コマンドの詳細については、“InfoDirectory使用手引書”の“LDAPコマンド”を参照してください。
 以下の例では、データをLDIFファイル“dir.ldif”へ取り出しています。

C:\Interstage\ID\Dir\sdk\C\bin\ldapsearch -h ホスト名 -p LDAPポート番号 -D DSAの管理者DN -w DSAの管理者DNのパスワード -b トップエントリ "(objectclass=*)" > dir.ldif


/opt/FJSVidsdk/C/bin/ldapsearch -h ホスト名 -p LDAPポート番号 -D DSAの管理者DN -w DSAの管理者DNのパスワード -b トップエントリ "(objectclass=*)" > dir.ldif

2.Smart Repositoryでリポジトリを作成

 Smart Repositoryを構築するマシン上でリポジトリを作成します。リポジトリの作成は、Interstage管理コンソールを使用して、[システム] > [サービス] > [リポジトリ] > [新規作成]タブから行います。リポジトリの作成については、“Smart Repository運用ガイド”の“環境構築”を参照してください。
 なお、リポジトリ作成時に指定する[公開ディレクトリ]、および[ユーザパスワード暗号化方式]には、以下の値をそれぞれ指定してください。

[公開ディレクトリ]

 InfoDirectoryのDSAで指定されていたトップエントリを指定してください。

[ユーザパスワード暗号化方式]

 InfoDirectoryの、DSAのパスワード暗号化形式で、“SHA1”が指定されていた場合は“SHA”を、“Crypt”が指定されていた場合は“Crypt”を指定してください。“ClearText方式”が指定されていた場合は、Smart Repositoryで指定可能ないずれかのユーザパスワード暗号化方式を指定してください。

3.リポジトリの起動

 作成したリポジトリを起動します。リポジトリの起動は、Interstage管理コンソールを使用して、[システム] > [サービス] > [リポジトリ] > [リポジトリ:状態]画面から行います。

4.Smart Repositoryへのデータの移入

 起動したリポジトリに対して以下のコマンドを実行し、InfoDirectoryから取り出したデータをSmart Repositoryへ移入します。コマンドの詳細については、“リファレンスマニュアル(コマンド編)”の“Smart Repository運用コマンド”を参照してください。
 以下の例では、InfoDirectoryからLDIFファイル“dir.ldif”へ取り出したデータを移入しています。

C:\Interstage\ID\Dir\sdk\C\bin\ldapmodify -h ホスト名 -p 通常ポート番号(またはSSLポート番号) -D リポジトリの管理者用DN -w リポジトリの管理者用DNのパスワード -a -f dir.ldif

/opt/FJSVidsdk/C/bin/ldapmodify -h ホスト名 -p 通常ポート番号(またはSSLポート番号) -D リポジトリの管理者用DN -w リポジトリの管理者用DNのパスワード -a -f dir.ldif

移行できないデータ

 以下に、InfoDirectoryからSmart Repositoryへ移行できないデータを示します。

 以下のデータは、Smart Repositoryでは利用できません。

 上記の情報を使用した機能を必要とする場合は、引き続きInfoDirectoryを使用してください。

機能比較一覧

 InfoDirectoryとSmart Repositoryの機能比較一覧を以下に示します。

 ○:機能あり ×:機能なし

カテゴリ

概要

項目

InfoDirectoryサービス

Smart Repository

認証

クライアントからディレクトリサーバへのLDAPによる認証機能

匿名認証

○ 

名前のみによる認証

×

名前と非暗号化パスワードによる認証

SASLによる認証 SMEE - SSLV3

パスワードの暗号化

ディレクトリサーバに登録されたユーザエントリパスワードの暗号化機能

ClearText方式(自動暗号)(独自暗号化方式)

○(独自)

○(独自)

SHA方式(SHA-1アルゴリズム)

Crypt方式(Solaris、Linuxのみ)

MD5方式(MD5アルゴリズム)

×

SMD5方式(MD5アルゴリズム)

×

SSHA方式(SHA-1アルゴリズム)

×

暗号化しない

×

アクセス制御

各ツリーおよびエントリに設定するアクセス制御機能

アクセス制御ポイント(自治管理)

×

アクセス制御ポイント(特定管理)

×

アクセス制御ポイント(内部管理)

×

アクセス制御方法(包括ACI)

×

アクセス制御方法(エントリACI)

×

SSL

クライアントとディレクトリサーバ間の通信路のセキュリティ機能

SSL簡易認証

SSL証明書認証

×

ポリシー

ディレクトリサーバ自体にアクセスする場合のセキュリティポリシーを設定する機能

×

シャドウイング

X.500 DISPプロトコルによるレプリケーション機能

レプリケーションの主導(サプライヤ:複製元)

○(LDAP)

レプリケーションの主導(コンシューマ:複製先)

×

レプリケーション範囲(全ツリー)

○(LDAP)

レプリケーション範囲(特定ツリー配下)

×

レプリケーション範囲(特定エントリ)

×

レプリケーション範囲(特定属性のみ)

×

レプリケーションのスケジューリング(即時)

○(LDAP)

レプリケーションのスケジューリング (開始時間/実行間隔等)

×

チェイニング

X.500 DSPプロトコルによるサーバ間連携機能

各サブツリーをマスタとして、各サーバ間で上位ツリー、下位ツリー参照を行ないクライアントからの検索要求に対して、サーバ間で連携し、結果を通知する。

×

リフェラル

クライアントに、他参照先ディレクトリサーバ情報を通知する機能

デフォルトリフェラル

×

エントリリフェラル

×

スキーマ

実装スキーマ

RFC2256: A Summary of the X.500(96) User Schema for use with LDAPv3

RFC2307: An Approach for Using LDAP as a Network Information Service

RFC2798: Definition of the inetOrgPerson LDAP Object Class

RFC1274: The COSINE and Internet X.500 Schema

RFC2079: Definition of an X.500 Attribute Type and an Object Class to Hold Uniform Resource Identifiers (URIs)

RFC2587: Internet X.509 Public Key Infrastructure LDAPv2 Schema

スキーマ拡張機能

オブジェクトクラス定義

×

属性定義

×

ネームバインド定義

×

ログ

採取ログ

アクセスログ

オペレーションログ(管理ツール)

×

変更ログ

×

エラーログ

スケジューラログ(プロセスのスケジュール)

アップデートログ(シャドウ、DB復旧)

トラフィックログ(X.500へのアクセス)

×

トレースログ(プロセス毎)

ログ監視設定機能

ログファイルのバックアップ/削除

自動停止/開始(動作中の指示)

×

ログレベル設定

他(ログファイルのサイクリック化)

バックアップ/リストア

DSA(リポジトリ)

DSA資源のバックアップ

DSAデータベースのバックアップ

管理ツール

管理ツール資源

×

証明書環境

証明書環境資源

×

Webコネクタ

Webクライアントからディレクトリサーバにアクセスする機能

×

LDAPコマンド

追加/更新(ldapmodify)

削除(ldapdelete)

検索(ldapsearch)

DIT複製(ldapreplica)

×

SDK

ユーザアプリケーションインタフェース

C言語API

(注1)

C++言語API

×

×

Java言語API(JNDI)

ldapsearchのページコントロール

×

検索

検索フィルタ式

同値

部分文字列

以上

×

以下

×

より大きい

×

より小さい

×

存在

近似

×

否定

×

論理積

論理和

○(2つまで)

ワイルドカード指定

○(制限なし)

○(1つまで)

比較

リポジトリに登録されているエントリの属性値と比較する機能

暗号化されていないパスワードとの比較

暗号化されているパスワードとの比較

×

その他

1台のサーバに複数DSA(リポジトリ)作成

ディレクトリサーバチューニング

(注1) InfoDirectory SDKのC言語APIのうち、Smart Repositoryでは、以下の関数は未サポートです。


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