Interstage Application Server 運用ガイド
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第4章 性能監視> 4.2 性能監視ツールの操作手順

4.2.3 監視操作

 性能監視ツール監視操作について説明します。

性能監視の開始

 ispstartコマンドにより特定のオブジェクトの性能監視を開始します。これ以降、性能監視ツール自動起動定義ファイル(Windows(R)のEnterprise EditionおよびStandard Editionのみ)またはispmakeenvコマンドで指定したインターバル間隔で、性能情報が性能ログファイルに出力されます。

 ispstopコマンドにより性能監視を停止するまで、性能情報が採取されます。

業務アプリケーションの起動

 isstartwuコマンドを実行し、ワークユニットを起動します。

リアルタイム監視操作

 Systemwalker CentricMGRなどのネットワーク管理マネージャで性能情報を表示し、性能を監視するには、ネットワーク管理マネージャ上で性能情報を表示する操作を行ってください。

 以下に、Systemwalker CentricMGR 運用管理サーバを使用した場合の操作概要を示します。

 Systemwalker CentricMGR以外のネットワーク管理マネージャを使用する場合は、使用するネットワーク管理マネージャの操作説明書を参照してください。

1) Systemwalker CentricMGRのシステム監視を起動してください。

2) 監視対象となる業務サーバを選択します。

3) MIB取得画面を表示します。

4) オブジェクト名の一覧を表示して、監視するオブジェクトのインスタンス番号を調べます。

  1. ポーリングなしを指定してください。
  2. 取得方法に“DUMP”を指定してください。
  3. 表示するMIB(性能情報の測定項目)にispSumObjectNameを指定してください。

 なお、MIBの指定は、以下の手順で行ってください。

5) 基準値を設定します。

6) リアルタイム表示画面を表示します。(性能情報を表示します。)

  1. ポーリング時間に5分以上の値を指定します。
  2. 取得方法に“GET”を指定します。
  3. 監視するオブジェクトのインスタンス番号を指定します。
    オブジェクト名の一覧を表示した際に、以下のように番号が表示されていますので、この番号をインスタンス番号に設定してください。
    “ispSumObjectName −>ispSumObjectName.番号:オブジェクト名”
  4. 表示する性能情報の表示名をMIB名の欄に指定します。MIB名の指定方法は、4)のcを参照してください。

1) Systemwalker CentricMGR(業務監視)を起動してください。

2) 監視対象となる業務サーバを選択します。

3) MIB取得画面を表示します。

4) オブジェクト名の一覧を表示して、監視するオブジェクトのインスタンス番号を調べます。

  1. ポーリングなしを指定してください。
  2. 取得方法に“DUMP”を指定してください。
  3. 表示するMIB(性能情報の測定項目)にispSumObjectNameを指定してください。

 なお、MIBの指定は、以下の手順で行ってください。

5) 基準値を設定します。

6) リアルタイム表示画面を表示します。(性能情報を表示します。)

  1. ポーリング時間に5分以上の値を指定します。
  2. 取得方法に“GET”を指定します。
  3. 監視するオブジェクトのインスタンス番号を指定します。
    オブジェクト名の一覧を表示した際に、以下のように番号が表示されていますので、この番号をインスタンス番号に設定してください。
    “ispSumObjectName −>ispSumObjectName.番号:オブジェクト名”
  4. 表示する性能情報の表示名をMIB名の欄に指定します。MIB名の指定方法は、4)のcを参照してください。

 以下に、リアルタイム監視で表示可能な性能情報の項目を示します。なお、表示名とは、ネットワーク管理マネージャで表示される、性能情報の項目名です。

性能情報の項目名

単位

表示名

内容

オブジェクト名

IspSumObjectName

性能情報が測定されている業務アプリケーションのオブジェクト名

最大要求処理時間

ミリ秒

IspSumExecTimeMax

当該オブジェクトの処理に要した時間でポーリング時間内の最大時間

最小要求処理時間

ミリ秒

IspSumExecTimeMin

当該オブジェクトの処理に要した時間でポーリング時間内の最小時間

平均要求処理時間

ミリ秒

IspSumExecTimeAve

当該オブジェクトの処理に要した時間でポーリング時間内の平均時間

最大要求処理待ち時間

ミリ秒

IspSumWaitTimeMax

クライアントアプリケーションからの要求を受け付けてからサーバアプリケーションの処理を開始するまでの時間でポーリング時間内の最大時間

最小要求処理待ち時間

ミリ秒

IspSumWaitTimeMin

クライアントアプリケーションからの要求を受け付けてからサーバアプリケーションの処理を開始するまでの時間でポーリング時間内の最小時間

平均要求処理待ち時間

ミリ秒

IspSumWaitTimeAve

クライアントアプリケーションからの要求を受け付けてからサーバアプリケーションの処理を開始するまでの時間でポーリング時間内の平均時間

要求受信数

IspSumRequestNum

性能監視が開始された時点からの当該オブジェクトの累積処理数

処理待ち要求数

IspSumWaitReqNum

当該オブジェクトの処理待ち状態となっている要求数でポーリング時間内の最大値


性能ログファイルの出力と性能情報の分

 リアルタイム監視で基準値超えを検出し、性能異常の可能性がある場合は、性能ログファイルに保存されている詳細情報を分析してください。

 ispreportコマンドを使用して、性能ログファイルのレポート出力を行ってください。ispreportコマンドは、性能ログファイルに保存されている性能情報をCSV形式に変換して、標準出力に出力します。性能ログファイルをCSV形式に変換してファイルに出力する場合は、ispreportコマンド実行時に、以下のようにして、出力先のファイル名を指定してください。

  ispreport オプション > 出力先ファイル名

 ispreportコマンドを起動すると、性能ログファイルの性能情報が1レコードずつ変換され、以下のような書式で、標準出力に出力されます。

1)各行の書式

 D1, D2, D3, D4, D5, D6, D7, D8, D9, D10, D11, D12, D13, D14, D15, D16, D17, D18, D19, D20, D21

2)各行で出力する項目の内容

 各行で出力する項目の一覧を以下に示します。なお、項番に書かれているD1、D2、…D21は、上記書式のD1、D2、…D21に対応しています。

EJBアプリケーションの場合

項番

性能情報の項目名

単位

内容

D1

データの採取開始日付

データ採取時間(インターバル時間)の開始日付

D2

データの採取開始時刻

データ採取時間(インターバル時間)の開始時刻

D3

データの採取終了日付

データ採取時間(インターバル時間)の終了日付

D4

データの採取終了時刻

データ採取時間(インターバル時間)の終了時刻

D5

EJBアプリケーション名

性能情報が測定されているEJBアプリケーション名

D6

メソッド名+シグネチャ

監視対象メソッド名+シグネチャ(メソッドの引数と戻り値の型)

D7

プロセスID

性能情報が測定されているEJBアプリケーションのプロセスID

D8

スレッドID

監視対象メソッドが動作するスレッドID

D9

最大要求処理時間

ミリ秒

インターバル時間内の、当該スレッドにおける監視対象メソッドの最大処理時間

D10

最小要求処理時間

ミリ秒

インターバル時間内の、当該スレッドにおける監視対象メソッドの最小処理時間

D11

平均要求処理時間

ミリ秒

インターバル時間内の、当該スレッドにおける監視対象メソッドの平均処理時間

D12

最大要求処理待ち時間

ミリ秒

インターバル時間内の、クライアントアプリケーションからの要求を受け付けてからメソッドの処理開始までの最大処理待ち時間

EJBアプリケーションがMessage-driven Bean場合には、必ず“0”が出力されます。

D13

最小要求処理待ち時間

ミリ秒

インターバル時間内の、クライアントアプリケーションからの要求を受け付けてからメソッドの処理開始までの最小処理待ち時間

EJBアプリケーションがMessage-driven Bean場合には、必ず“0”が出力されます。

D14

平均要求処理待ち時間

ミリ秒

インターバル時間内の、クライアントアプリケーションからの要求を受け付けてからメソッドの処理開始までの平均処理待ち時間

EJBアプリケーションがMessage-driven Bean場合には、必ず“0”が出力されます。

D15

処理数

インターバル時間内の、当該スレッドにおける監視対象メソッドの処理回数

D16

要求受信数

インターバル時間内の、当該EJBアプリケーションの累積処理回数

D17

処理待ち要求数

インターバル時間内の、当該EJBアプリケーションに対して処理待ちとなった要求の最大数

EJBアプリケーションがMessage-driven Bean場合には、必ず“0”が出力されます。

D18

EJBオブジェクト数 (Session)

現在のEJBオブジェクト数(createメソッド実行数とremoveメソッド実行数の差分)

D19

Entityの最大Passivate数

インターバル時間内の、EJBアプリケーション(プロセス)のインスタンスのプーリング最大回数

D20

VMの最大メモリ使用量

Kバイト

EJBアプリケーションに対応するVMの最大メモリ使用量

インターバル時間内にメソッドが処理されなければ、0となります。

D21

VMの平均メモリ使用量

Kバイト

EJBアプリケーションに対応するVMの平均メモリ使用量

インターバル時間内にメソッドが処理されなければ、0となります。

業務アプリケーションの停止

 isstopwuコマンドを実行し、ワークユニットを停止します。

性能監視の停止

 ispstopコマンドにより性能監視を停止します。本コマンドが実行された時点で、性能情報の採取および性能ログファイルへの性能情報の出力が停止します。


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