Interstage Application Server 高信頼性システム運用ガイド
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第4章 クラスタサービスの環境設定手順> 4.7 アプリケーション環境作成

4.7.2 サーバアプリケーション環境

 サーバアプリケーションの環境は、運用ノードと待機ノードと全く同じ構成で作成しなければなりません。

■サーバアプリケーションプログラム

 サーバアプリケーションのプログラミングについては、クラスタシステムを使用しない場合と同じです。

■スケルトンファイル

 スケルトンファイルについては運用ノード、待機ノードでそれぞれ同じものを出力してください。

■サーバアプリケーション実行ファイル

 サーバアプリケーションなどのワークユニットで使用する資源などについては、運用ノードと待機ノードで同じ構成(ファイル名、ディレクトリ構成など)で作成する必要があります。

■APMの生成

 トランザクションアプリケーションを使用してグローバルトランザクション連携を行う場合は、tdlinkapmコマンドでAPMを生成し運用する必要があります。この場合、運用ノードと待機ノードそれぞれでtdlinkapmコマンドを使用し、同じ構成(ファイル名、ディレクトリ構成など)のAPM名を生成します。生成したAPMは、ワークユニット定義にAPM名を指定します。なお、事前にXA連携用プログラムを作成してからAPMを生成します。

■ワークユニット定義

 ワークユニット定義については、運用ノードと待機ノードで同じものを使用してください。この場合、運用ノードと待機ノードそれぞれでisaddwudefコマンドを使用し、ワークユニット定義を登録する必要があります。


 トランザクションアプリケーションのワークユニットおよびWRAPPERワークユニットは、tdadddefコマンドでもワークユニット定義を登録することができます。

■ワークユニット(CORBAアプリケーション)の変更

 クラスタの環境を設定後、ワークユニットを追加または削除する場合、以下の手順で変更を行ってください。

◆PRIMECLUSTER、SafeClusterの場合

[追加する場合]

  1. 運用ノード、待機ノードで追加するCORBAアプリケーションを作成します。
  2. クラスタサービスを停止します。
  3. 運用ノード、待機ノードで新規に追加するワークユニット定義を登録します。
  4. 追加するワークユニット名を状態遷移プロシジャに設定し、再度状態遷移プロシジャをクラスタに登録します。
  5. クラスタサービスを起動します。

[削除する場合]

  1. クラスタサービスを停止します。
  2. 運用ノード、待機ノードで削除するワークユニット定義を削除します。
  3. 削除するワークユニット名を状態遷移プロシジャから削除し、再度状態遷移プロシジャをクラスタに登録します。
  4. クラスタサービスを起動します。

◆MSCSの場合

[追加する場合]

  1. 運用ノード、待機ノードで追加するCORBAアプリケーションを作成します。
  2. クラスタサービスを停止します。
  3. 運用ノード、待機ノードで新規に追加するワークユニット定義を登録します。
  4. 運用ノード、待機ノードの「ワークユニット起動用バッチファイル」に追加するワークユニットの起動処理を記載します。
  5. クラスタサービスを起動します。

[削除する場合]

  1. クラスタサービスを停止します。
  2. 運用ノード、待機ノードで削除するワークユニット定義を削除します。
  3. 運用ノード、待機ノードの「ワークユニット起動用バッチファイル」に削除するワークユニットの停止処理を記載します。
  4. クラスタサービスを起動します。

■ワークユニット(トランザクションアプリケーション)の変更

 クラスタの環境を設定後、ワークユニットを追加または削除する場合、以下の手順で変更を行ってください。

◆PRIMECLUSTER、SafeClusterの場合

[追加する場合]

  1. 運用ノード、待機ノードでtdcコマンドを使用し、IDLコンパイルを行います。
  2. 運用ノード、待機ノードで出力されたスケルトンを元にアプリケーションを作成します。
  3. クラスタサービスを停止します。
  4. 運用ノード、待機ノードで新規に追加するワークユニット定義を登録します。
  5. 追加するワークユニット名を状態遷移プロシジャに設定し、再度状態遷移プロシジャをクラスタに登録します。
  6. クラスタサービスを起動します。

[削除する場合]

  1. 運用ノード、待機ノードでtdcコマンドを使用し、インタフェース情報を削除します。
  2. クラスタサービスを停止します。
  3. 運用ノード、待機ノードで削除するワークユニット定義を削除します。
  4. 削除するワークユニット名を状態遷移プロシジャから削除し、再度状態遷移プロシジャをクラスタに登録します。
  5. クラスタサービスを起動します。

◆MSCSの場合

[追加する場合]

  1. 運用ノードでtdcコマンドを使用し、IDLコンパイルを行います。
  2. 運用ノードで出力されたスケルトンを元にアプリケーションを作成します。
  3. クラスタサービスを停止します。
  4. 運用ノード、待機ノードで新規に追加するワークユニット定義を登録します。
  5. 運用ノード、待機ノードの「ワークユニット起動用バッチファイル」に追加するワークユニットの起動処理を記載します。
  6. クラスタサービスを起動します。

[削除する場合]

  1. 運用ノード、待機ノードでtdcコマンドを使用し、インタフェース情報を削除します。
  2. クラスタサービスを停止します。
  3. 運用ノード、待機ノードで削除するワークユニット定義を削除します。
  4. 運用ノード、待機ノードの「ワークユニット起動用バッチファイル」に削除するワークユニットの停止処理を記載します。
  5. クラスタサービスを起動します。

◆SunClusterの場合

[追加する場合]

  1. 運用ノード、待機ノードでtdcコマンドを使用し、IDLコンパイルを行います。
  2. 運用ノード、待機ノードで出力されたスケルトンを元にアプリケーションを作成します。
  3. クラスタサービスを停止します。
  4. 運用ノード、待機ノードで新規に追加するワークユニット定義を登録します。
  5. 運用ノード、待機ノードより「TDWU_list」に追加するワークユニット名を設定します。
  6. クラスタサービスを起動します。

[削除する場合]

  1. 運用ノード、待機ノードでtdcコマンドを使用し、インタフェース情報を削除します。
  2. クラスタサービスを停止します。
  3. 運用ノード、待機ノードで削除するワークユニット定義を削除します。
  4. 運用ノード、待機ノードで「TDWU_list」よりワークユニット名を削除します。
  5. クラスタサービスを起動します。

■J2EEアプリケーション

 J2EEアプリケーションの環境設定は、運用ノードおよび待機ノードそれぞれで、クラスタシステムを使用しない場合と同様な設定を行ってください。
 なお、J2EEアプリケーションにてJDBCリソースを使用する場合、JDBCの環境設定時に設定するJDBCデータソース等の資源は、各ノードのローカルディスク上に格納してください。

◆使用可能なデータベース

 クラスタシステム上で動作するJ2EEアプリケーションから使用できるデータベースは以下のとおりです。

 カストマイズツールでDBアクセス環境定義を使用し、URL接続(JDBC1.X)でデータベースに接続する設定を行った場合には、以下のデータベースを使用することができます。(EJBアプリケーションのみ)

◆インストール、配備

 J2EEアプリケーションの配備は、J2EE Deploymentツールを使用し、運用ノードおよび待機ノードでそれぞれ行ってください。

 EJBアプリケーションのインストールは、ejbinstallebコマンドを使用し、運用ノードおよび待機ノードでそれぞれ行ってください。

 インストール作業は、待機ノード、運用ノードの順番で行ってください。また、運用ノードでは、ejbinstallebコマンドに強制インストールオプションを指定してください。

 カストマイズツールを使用し、EJBアプリケーションの動作環境定義を行う場合は、運用ノードおよび待機ノードでそれぞれ行ってください。

 J2EEアプリケーションの環境設定等の詳細については、"J2EEユーザーズガイド"を参照してください。


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