Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド (コンポーネントトランザクションサービス編)

3.5.2.1 アプリケーションの構成

　グローバルトランザクション運用を行うためには、EJBのクライアントアプリケーションの処理に加えて、javax.transaction.UserTransactionインタフェースを呼び出して、データベース連携サービスにトランザクション処理を依頼します。

　これらの処理を考慮したクライアントアプリケーションの構成について以下に示します。

初期化処理部

　JNDIを利用してUserTransactionインタフェースを獲得します。

アプリケーション固有部

　アプリケーション固有の処理部。トランザクションの開始から終了までの流れを記述します。

トランザクション用ライブラリ

　データベース連携サービスが提供するクライアントアプリケーション用ライブラリを結合します。

　クライアントアプリケーションの基本形を以下に示します。

/* 初期化処理  */
: 

javax.transaction.UserTransaction ut = null;
javax.naming.Context ic = null;

// InitialContextの生成

        try{               
            ic = new InitialContext(); ・・・ (1)
        } catch( NamingException e ) {
            System.out.println( "error: new InitialContext()" );
            System.exit(1);
        }
        
　　　　// UserTransactionの獲得
　　　　try {
　　　　　　ut = (UserTransaction)ic.lookup("java:comp/UserTransaction");
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・・ (2)
　　　　} catch( NamingException e ) {
            System.out.println( "error: lookup UserTransaction" );
            System.exit(1);
        }
　　　　
　　　　*
　　　　
　　　　// beginの発行
　　　　try {
　　　　　　ut.begin(); ・・・ (3)
　　　　} catch ( NotSupportedException e ) {
　　　　　　System.out.println( "error: already associate transaction" );
　　　　　　System.exit(1);
　　　　} catch ( SystemException e ) {
　　　　　　System.out.println( "error: SystemException occurred" );
　　　　　　System.exit(1);
　　　　}

　　　　// EJBサーバアプリケーション呼び出し
　　　　try {
　　　　　　rc = EJBサーバアプリケーションを呼び出してください ・・・ (4)
　　　　} catch ( RemoteException e ) {
　　　　　　*
　　　　}

　　　　try {

　　　　　　if ( rc == 0 ) {
　　　　　　　　// commitの発行
　　　　　　　　ut.commit(); ・・・ (5)
　　　　　　} else {
　　　　　　　　// rollbackの発行
　　　　　　　　ut.rollback(); ・・・ (6)
　　　　　　}
　　　　} catch ( RollbackException e ) {
　　　　　　System.out.println( "error: transaction was rolledback" );
　　　　　　System.exit(1);
　　　　} catch ( SystemException e ) {
　　　　　　System.out.println( "error: SystemException occurred" );
　　　　　　System.exit(1);
　　　　}

1. JNDIを使用するためにInitialContextを生成します。
2. UserTransactionインタフェースをJNDIから獲得します。
3. javax.transaction.UserTransaction.beginメソッドでトランザクションの開始を宣言します。
4. EJBサーバアプリケーションを呼び出します。なお、EJBアプリケーションの呼び出し方法の詳細については、“J2EE ユーザーズガイド”を参照してください。
5. サーバアプリケーションの復帰状態を確認して、トランザクションの状態を決定します。トランザクションを正常終了させる場合はjavax.transaction.UserTransaction.commitメソッドでトランザクションをコミットさせます。
6. 異常が発生した場合は、javax.transaction.UserTransaction.rollbackメソッドでトランザクションをロールバックさせます。

　JNDIの詳細については、“J2EEユーザーズガイド”を参照してください。

注) クライアントアプリケーション起動時に以下の環境変数プロパティを指定してください。プロパティに指定する文字列は大文字・小文字を区別します。

-Dcom.fujitsu.ObjectDirector.CORBA.GlobalTransactionMode=True
-Djava.naming.factory.initial=com.fujitsu.interstage.j2ee.jndi.InitialContextFactoryForClient