Interstage Application Server アプリケーション作成ガイド (コンポーネントトランザクションサービス編)

3.4.2.1 アプリケーションの構成

　グローバルトランザクション運用を行うためには、CORBAのクライアントアプリケーションの処理に加えて、CosTransactions.Current.commitメソッドなどのCurrentインタフェースを呼び出して、データベース連携サービスにトランザクション処理を依頼します。

　これらの処理を考慮したクライアントアプリケーションの構成について以下に示します。

初期化処理部

　クライアントアプリケーションをCORBAサービスに登録、およびトランザクションサービスの初期化を行います。

アプリケーション固有部

　アプリケーション固有の処理部。トランザクションの開始から終了までの流れを記述します。

トランザクション用ライブラリ

　データベース連携サービスが提供するクライアントアプリケーション用ライブラリを結合します。

　クライアントアプリケーションの基本形を以下に示します。

 try{

/* 初期化処理  */
                :
orb = org.omg.CORBA.ORB.init(args, null);
                :
/* ネーミングサービスのオブジェクトリファレンスの獲得 */
                :
org.omg.CORBA.Object _tmpObj2 =
                   Orb.resolve_initial_references("NameService");
Cos  =  org.omg.NamingContextHelper.narrow(_tmpObj2);                … 1
                :
/* トランザクション依頼処理  */
org.omg.CORBA.Object  _tmpObj1 =
                   Orb.resolve_initial_references("TransactionCurrent");
Current  = org.omg.CosTransactions.CurrentHelper.narrow(_tmpObj1);   … 2
                :
/*サーバアプリケーションのオブジェクトリファレンス獲得 */
String NCid = new String("bankA::accountA");
String NCkind = new String("");
try {
     NameComponent nc = new NameComponent( NCid, NCkind );
     NameComponent NCo[] = { nc };
     Obj = Cos.resolve( NCo );
     target = accountAHelper.narrow( Obj );
    }
Current.begin();                                                   … 3
                :
obj->ope1(para);                                                   … 4

Current.commit(rhuristic);                                         … 5
}
catch(CORBA.CORBAException e){
      Current.rollback();                                          … 6
}

1. ネーミングサービスからサーバアプリケーションのオブジェクトリファレンスを獲得します。
2. Currentインタフェースのオブジェクトリファレンスを獲得します。
3. CosTransactions.Current.beginメソッドでトランザクションの開始を宣言します。
4. サーバアプリケーションを呼び出します。
5. サーバアプリケーションの復帰状態を確認して、トランザクションの状態を決定します。トランザクションを正常終了させる場合はCosTransactions.Current.commitメソッドでトランザクションをコミットさせます。
6. 異常が発生した場合は、CosTransactions.Current.rollbackメソッドでトランザクションをロールバックさせます。