Interstage Application Server J2EE ユーザーズガイド
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第3部 EJB編> 第30章 ワークユニットの設計> 30.2 各種ワークユニット> 30.2.2 トランザクションアプリケーションのワークユニット

30.2.2.1 ワークユニットを利用したアプリケーションの実行環境

 ワークユニッを利用することにより、以下の運用が可能になります。

 以下に、ワークユニットに定義して利用できる主な機能について説明します。

多重制

 複数のクライアントから、1つのアプリケーションに同時に要求が出された場合に、実行単位(プロセス)を複数にして、同時に処理すること(多重制御)ができます。多重度に設定された値の数だけ、同時に処理されます。

キュー制

 複数のクライアントから、1つのアプリケーションに同時に要求が出された場合に、キュー制御で負荷を平準化できます。

アプリケーションの常/非常運用、マルチオブジェクト常駐運用

 クライアントからの要求でメモリ上にローディングされるアプリケーションを、メモリ上に常駐させるか、または非常駐にさせるかを指定できます。クライアントからの要求の傾向に応じて使い分けることにより、システム資源を効率良く利用できます。

 また、1つのプロセス上で1つのアプリケーションをローディングする常駐運用と、1つのプロセス上で複数のアプリケーションをローディングするマルチオブジェクト常駐運用を選択することができます。

アプリケーションのタイマ監

 アプリケーションの最大処理時間(タイムアウト)を指定し、監視することができます。

出口プログラムのタイマ監視

 前出口および後出口プログラムの、ループ回避のための最大処理時間(タイムアウト)を指定し、監視することができます。

アプリケーション異常時の自動再起

 クライアントからの入力データの誤りによってアプリケーションが異常終了した場合に、アプリケーションを自動的に再起動させることができます。自動再起動を設定すると、停止中に受け付けられたクライアントからの要求についても、再起動時に正常に処理されます。

スナップショッの取得

 クライアントからの要求に対する入出力情報のログが採取できます。開発初期のアプリケーションのデバッグを目的とし、ワークユニットの起動から停止までのログ情報を、ワークユニット単位にファイルに取得できます。ログ情報は、ワークユニット定義に指定されたスナップショット出力パスに出力されます。

カレントディレクト

 アプリケーションおよび前処理出口プログラム、後処理出口プログラムが動作する時のカレントディレクトリを指定できます。カレントディレクトリは以下のような構成になっており、標準出力と標準エラー出力が設定されています。



プラットフォーム

システム

指定形式 (注1)

Windows (R)

xxx\yyy\zzz

Solaris OE

Linux

デフォルトシステム

xxx/yyy/zzz

拡張システム (注2)

xxx/yyy.システム名/zzz

注1)
xxx:ワークユニット定義で指定されたディレクトリ
yyy:当該ワークユニット名
zzz:アプリケーションの実行プロセスid
注2)
拡張システムはSolaris OEのみ使用可能です。


 標準出力には、stdoutファイルが割り当てられています。サーバアプリケーションで標準出力にデータを出力した場合に、出力先として使用されます。

 標準エラー出力には、stderrファイルが割り当てられています。サーバアプリケーションで標準エラー出力にデータを出力した場合に、出力先として使用されます。

 また、アプリケーション異常終了時に出力されるコアイメージファイルおよびスナップショット出力パスを省略した場合のスナップショットもカレントフォルダ配下に出力されます。

 ワークユニット出口またはプロセス回収出口プログラムを使用した場合、各出口プログラムは以下のフォルダ上で動作します。

プラットフォーム

システム

指定形式 (注1)

Windows (R)

xxx\yyy\zzz_exit

Solaris OE

Linux

デフォルトシステム

xxx/yyy/zzz_exit

拡張システム (注2)

xxx/yyy.システム名/zzz_exit

注1)
xxx:ワークユニット定義で指定されたディレクトリ
yyy:当該ワークユニット名
zzz:出口プログラム実行プロセスid
注2)
拡張システムはSolaris OEのみ使用可能です。

 また、上記フォルダ上に標準出力ファイルおよび標準エラー出力ファイルが出力されます。

 カレントフォルダは、ワークユニット起動時に作成され、停止後も保持されます。ワークユニットを再起動した場合、既存のカレントフォルダは、配下のファイルごと削除され再度作成されます。ただし、ワークユニット停止後にワークユニット定義のカレントフォルダを変更した場合は、ワークユニットを再起動しても、前回起動時に作成したカレントフォルダは削除されません。この場合、不要なカレントフォルダは手作業で削除してください。

カレントディレクトリの削除

 サーバアプリケーションの停止時に、アプリケーションのカレントディレクトリを自動削除するよう指定できます。
 ワークユニットの停止、ワークユニットの活性変更およびプロセス多重度変更により、サーバアプリケーションが停止する場合にカレントディレクトリを削除します。これにより、停止したサーバアプリケーションプロセスのカレントディレクトリが残り、ディスクスペースが圧迫されることを防止できます。

 ただし、カレントディレクトリ配下にファイルサイズが1以上のファイルが存在する場合、カレントディレクトリは削除されません。ファイルが必要であるかどうかを判断し、手作業で削除してください。また、この場合もアプリケーション再起動時には、カレントディレクトリを削除し、再作成されます。


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