Interstage Application Server J2EE ユーザーズガイド
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第3部 EJB編> 第19章 運用する> 19.1 運用の事前準備

19.1.2 ワークユニット定義の登録

 ワークユニット定を登録します。

 定義できる項目について詳細は、“ワークユニット定義”を参照してください。

 EJBコンテナ機能では、デフォルトのワークユニット定義を提供します。

 以下に、ワークユニットに定義される項目を示します。
 表に記載のない項目については、ワークユニットのデフォルト値が設定されます。

 

項目

意味

指定値

[WORK UNIT]

Name

ワークユニット名

EJBコンテナ名

Kind

ワークユニット種別

EJB

[Control Option]

Current Directory

Current Directory

image

C:\Interstage\EJB\var

imageimage

/opt/FJSVejb/var

Path for Application

アプリケーション使用パス

EJBコンテナ定義のパス

Library for Application

アプリケーション使用ライブラリパス

EJBコンテナ定義のライブラリパス

[Application Program]

Destination

あて先名(オブジェクト名)

EJBコンテナ名

Concurrency

プロセス多重度

EJBコンテナ定義の起動数

Maximum Memory for EJB Application

EJBアプリケーション最大メモリ量

EJBコンテナ定義のJavaVMのメモリ量

Java Command Option

Javaコマンド指定オプション

EJBコンテナ定義のjavaコマンドオプション

CLASSPATH for Application

アプリケーション使用クラスパス

EJBコンテナ定義のクラスパス

 キュー監視機能などの各種ワークユニットの機能を使用する場合は、以下の手順で行ってください。

 EJBコンテナを定義した際のワークユニット定義ファイルの格納場所は、以下です。

image
C:\Interstage\EJB\etc\[EJBコンテナ名].def

imageimage
/opt/FJSVejb/etc/[EJBコンテナ名].def

■ ワークユニット定義の更新手順

1.ワークユニット定義ファイルを複写する

 以下に格納されているワークユニット定義ファイルを別の任意のディレクトリへ複写してください。
image
C:\Interstage\EJB\etc

imageimage
/opt/FJSVejb/etc/

 すでに登録されているワークユニット定義ファイルは、EJBコンテナの更新および削除を行うと、変更したファイルのほうが削除されます。

2.ワークユニット定義ファイルの変更を行う

 複写したワークユニット定義ファイルに、使用する機能の記述を追加してください。

image

[WORK UNIT]
Name:EMPLOYEE
kind:EJB
...
Application Retry Count:3

3. ワークユニット定義を登録する

 コマンドを実行して、変更したワークユニット定義を登録してください。

isaddwudef -o <複写・変更したファイル>

image
 Nameとkindは変更しないでください。
 ワークユニット定義を変更した後にEJBコンテナの更新を行うと、ワークユニット定義の変更は無効になります。再度ワークユニット定義の変更を行ってください。

◆ 定義可能な項目

定義する項目

内容

Name

ワークユニット名を指定します。この定義は、必ず指定してください。

kind

ワークユニット種別を指定します。EJBを指定してください。

Current Directory

EJBアプリケーションが動作するディレクトリを指定します。この定義は、必ず指定してください。標準出力および標準エラー出力は、指定したディレクトリ配下に以下の形式で出力されます。

image

[標準出力]:
\ワークユニット名\EJBアプリケーション名\プロセスID+通し番号\stdout

[標準エラー出力]:
\ワークユニット名\EJBアプリケーション名\プロセスID+通し番号\stderr

imageimage

[標準出力]:
/ワークユニット名/EJBアプリケーション名/プロセスID+通し番号/stdout

[標準エラー出力]:
/ワークユニット名/EJBアプリケーション名/プロセスID+通し番号/stderr

image
カストマイズツールで定義した標準出力、標準エラー出力ファイルの設定は無効になります。
上記形式のEJBアプリケーション名の部分は、以下の条件で実際のEJBアプリケーション名と異なる場合があります。

  • EJBアプリケーション名に“/”または“:”が含まれている場合は、“#”に変更します。
  • EJBアプリケーション名の長さが32バイトを超える場合は、先頭から32バイトまでを使用します。

Application Retry Count

ワークユニットを異常停止させるまでのEJBアプリケーションの連続異常終了回数を指定します。

Path for Application

EJBアプリケーションが使用するPATHを指定します。JDBCドライバを使用し、そのJDBCドライバがPATHを必要とする場合、PATHを指定してください。

Library for Application

imageimage

EJBアプリケーションが使用するライブラリのパスを指定します。JDBCドライバを使用し、そのJDBCドライバがライブラリを必要とする場合は、ライブラリのパスを指定してください。

Environment Variable

EJBアプリケーションが使用する環境変数を指定します。

Destination

EJBアプリケーション名を指定します。
高速呼出し機能を使用している場合には、高速に呼び出すBean名を指定します。

Concurrency

EJBアプリケーションのプロセス多重度(1〜255)を指定します。各プロセス中のスレッド初期多重度は、EJBアプリケーションのインストール時に指定することができます。

image
Message-driven Beanを使用している場合は、1以外は指定できません。Message-driven Beanで2以上の値を設定するとEJB1421のエラーが発生して、ワークユニットの起動に失敗します。

また、分散トランザクション機能を使用している場合、以下のEJBアプリケーションでは、1以外は指定できません。

  • 高速に呼び出すBeanにEntity Beanを指定した場合
  • 高速に呼び出すBeanにSTATELESSのSession Beanを指定し、カストマイズツールで性能オプションのEJBオブジェクトの共用を選択している場合
  • Interstage V4.1以前にDeploymentを行ったEJBアプリケーションの場合

imageクライアントアプリケーションが30の場合

  プロセス多重度に3を指定してください。

image
EJBアプリケーションのスレッド数とプロセス数の見積もり手順は以下のとおりです (分散トランザクション機能を使用している場合を除く)。

手順1:スレッド数(1プロセス内のスレッド数)の見積もり

1プロセス内のスレッド数は、1プロセスに同時にアクセスするクライアントの最大数を設定してください。スレッド数は、1〜2147483647の値が指定できます。
同時に接続するクライアントの数が増えるにつれて、クライアントへの応答時間も遅くなりますので、応答時間の目標値を達成できる範囲で設定してください。

手順2:プロセス数の見積もり

プロセス数は、以下の計算式にしたがって算出してください(注)。
  プロセス数=[C/T]+1
  C:EJBアプリケーションへ同時に接続するクライアントの最大数
  T:手順1で見積もったスレッド数

手順3:見積もりの検証

手順1、手順2で見積もったスレッド数およびプロセス数で問題がないか検証するために、クライアントへの応答時間とメモリ量を測定してください。問題がある場合は、手順1からやり直してください。

注意事項:

1マシンで起動するサーバアプリケーションのリクエスト実行用スレッド(またはプロセス)は、CORBAサービスの動作環境ファイルのconfigファイル(パラメタ名:max_exec_instance)に指定した値より小さくなるようにしてください。この値を超過した値を指定した場合、以下のエラーが発生します。

OD: エラー: od10920:リクエスト実行用スレッドが、設定値を超えて起動されました。

Maximum Processing Time

EJBアプリケーションの最大処理時間の監視値を指定します。

注意事項:

Message-driven Beanの場合には有効になりません。

Terminate Process for Time out

アプリケーションの最大処理時間超過時に、当該アプリケーションが存在するプロセスを強制停止するかどうかを指定します。

“YES”:プロセスを強制停止する

“NO”: プロセスを停止しない

本ステートメントは“Maximum Processing Time”ステートメントに0以外の値が設定された場合だけ有効となります。

注意事項:

Message-driven Beanの場合には有効になりません。

Maximum Memory for EJB Application

EJBアプリケーションが使用するJavaVMのメモリ量(16〜2047)を指定します。
本定義を、JDK/JRE1.3系環境で使用する場合には、事前にJDK/JRE1.3のjavaコマンドで値が指定可能な範囲にあるか確認してください。確認方法は、以下のとおりです。

java -Xmx****m -version(****:Maximum Memory for EJB Applicationに指定する値)

実行時に、バージョン情報が表示される場合は、指定可能な値です。

CLASSPATH for Application

EJBアプリケーションが使用するCLASSPATHを指定します。JDBCドライバを使用し、そのJDBCドライバがCLASSPATHを必要とする場合、CLASSPATHを指定してください。

Java Command Option

EJBアプリケーションが使用するJavaVMのオプションを指定します。指定するJavaVMのオプションについては、JDKのバージョンやオプションの内容を確認してから設定してください。

image

  • JDK1.3.1環境の場合は、-Xrsを必ず指定してください。image
  • -Xmxを指定した場合、Maximum Memory for EJB Applicationを同時に設定した場合は、Maximum Memory for EJB Applicationの値が有効となります。
  • JavaVMの初期メモリ量を変更する場合は、-Xmsを指定してください。
  • 複数のオプションを指定する場合には、以下のように“”(ダブルクォーテーション)で囲んで指定してください。
    Java Command Option:“変数名1=値 変数名2=値”

Maximum Queuing Message

キューに滞留できる最大キュー数を設定します。

注意事項:

Message-driven Beanの場合には有効になりません。

Queuing Message To Notify Alarm

アラーム通知を行う滞留キュー数を設定します。

注意事項:

Message-driven Beanの場合には有効になりません。

Queuing Message To Notify Resumption

アラーム通知の監視を再開する滞留キュー数を設定します。

注意事項:

Message-driven Beanの場合には有効になりません。

◆ ワークユニット定義の例

 データベースごとにワークユニットの定義例を示します。

[Symfowareを使用する場合]

[WORK UNIT]

#ワークユニット名
Name:SAMPLEWU

#ワークユニット種別
kind:EJB

[CONTROL OPTION]

#カレントディレクトリ
image
Current Directory:c:\temp

imageimage
Current Directory:/tmp

#連続異常終了回数
Application Retry Count:

#アプリケーション使用パス
image
Path for Application:c:\classes\SymfoJDBC\fjjdbc\bin

image
Library for Application:/pkg/classes/SymfoJDBC/fjjdbc/bin
Library for Application:/opt/FSUNrdb2b/lib
Library for Application:/opt/FSUNiconv/lib
image
Library for Application:/pkg/classes/SymfoJDBC/fjjdbc/bin
Library for Application:/opt/FJSVrdb2b/lib
Library for Application:/opt/FSUNiconv/lib

#環境変数
Environment Variable:

[APPLICATION PROGRAM]

#EJBアプリケーション名
Destination:SAMPLEEB

#プロセス多重度
Concurrency:2

#アプリケーション最大処理時間
Maximum Processing Time:

#最大処理時間超過時強制停止の有無
Terminate Process for Time out:

#環境変数
Environment Variable:

#EJBアプリケーション最大メモリ量
Maximum Memory for EJB Application:

#アプリケーション使用クラスパス
image
CLASSPATH for Application: c:\classes\SymfoJDBC
CLASSPATH for Application: c:\fjjdbc\lib\fjsymjdbc2.jar

imageimage
CLASSPATH for Application:/pkg/classes/SymfoJDBC
CLASSPATH for Application:/fjjdbc/lib/fjsymjdbc2.jar

#Javaコマンド指定オプション
Java Command Option:

#最大キューイング数

Maximum Queuing Message:

#監視キューイング数

Queuing Message To Notify Alarm:

#監視再開キューイング数

Queuing Message To Notify Resumption:

image
[SQL Serverを使用する場合]

[WORK UNIT]

#ワークユニット名
Name:SAMPLEWU

#ワークユニット種別
kind:EJB

[CONTROL OPTION]

#カレントフォルダ
Current Directory:c:\temp

#連続異常終了回数
Application Retry Count:

#アプリケーション使用パス
Path for Application:C:\INTERSTAGE\EJB\jdbc\bin

#環境変数
Environment Variable:

[APPLICATION PROGRAM]

#EJBアプリケーション名
Destination:SAMPLEEB

#プロセス多重度
Concurrency:2

#アプリケーション最大処理時間
Maximum Processing Time:

#最大処理時間超過時強制停止の有無
Terminate Process for Time out:

#環境変数
Environment Variable:

#EJBアプリケーション最大メモリ量
Maximum Memory for EJB Application:

#アプリケーション使用クラスパス
CLASSPATH for Application:C:\INTERSTAGE\EJB\jdbc\lib\fjisjdbc2.jar

#Javaコマンド指定オプション
Java Command Option:

#最大キューイング数

Maximum Queuing Message:

#監視キューイング数

Queuing Message To Notify Alarm:

#監視再開キューイング数

Queuing Message To Notify Resumption:


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