ダイレクトバックアップ使用手引書 - SPシリーズ -
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第15章 論理ユニットバックアップのためのコマンド

論理ユニットバックアップによるバックアップ運用を行うためのコマンドについて説明します。これらのコマンドは、ダイレクトバックアップサーバが起動している時、SSF/Backup Facility上でのみ実行可能なコマンドです。

すべてのコマンドは/opt/FJSVfbupp/usr/bin 配下にインストールされていますが、/usr/bin からシンボリックリンクが張られています。そのため、シェルの環境変数PATHに/usr/binを定義すると、絶対パスを省略してコマンドを実行することができます。

論理ユニットバックアップ以外のバックアップ運用において、本章のコマンドは使用できません。

本章で説明する各コマンドに指定する論理ユニット番号の特定方法については、「第10章 論理ユニットバックアップの運用操作」の「論理ユニットの特定」を参照してください。

 

15.1 lubackup (バックアップの実行)

■形式

lubackup volume | GRname:volume

 

■機能説明

このコマンドは、指定した論理ユニット単位でバックアップを行うコマンドです。コマンドを実行するとバックアップポリシーの設定にしたがって、バックアップ処理が行われます。

バックアップポリシーを設定していない状態でこのコマンドを実行すると、ダイレクトバックアップサーバが保持しているバックアップポリシーのデフォルト値にしたがってバックアップが行われます。

論理ユニットに設定されているバックアップポリシーの内容については、「第10章 論理ユニットバックアップの運用操作」の「バックアップポリシーの参照」を参照してください。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定します。

オペランド

説明

GRname

volume が存在するETERNUS ディスクアレイの名前を指定します。
SSF/Backup Facilityに接続されている ETERNUS ディスクアレイが1台の場合は、このオペランドは省略できます。

volume

バックアップする論理ユニットの論理ユニット番号をOLUxxxx (xxxxは16進数) の形式で指定します。論理ユニット番号は、16進数3桁で"000〜fff"もしくは、16進数4桁で"0000〜3fff"が指定できます。
このオペランドに複数の論理ユニットを指定することはできません。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. ディスクアレイ装置名(GR01) に存在する論理ユニット (OLU0001) のバックアップを行います。

    # lubackup GR01:OLU0001
    lubackup completed
    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

テープを利用したバックアップ処理が行われる場合は、コマンドが正常終了してもバックアップ処理が完了していないことがあります。テープを利用したバックアップ処理を行う場合は、コマンドが正常終了してもバックアップ管理画面にて処理状況や処理結果を確認するようにしてください。

バックアップポリシーの「バックアップエンジン」を“EC”または“EC (SUSPEND) ”、「バックアップ同期処理開始」を“手動”に設定してlubackupコマンドを実行した時、volumeに指定された論理ユニットの「バックアップ同期処理の開始」がされていない場合は、コマンドがエラーとなります。

また、volumeに指定された論理ユニットのバックアップ同期処理が開始されていても完全に等価性維持状態になっていない場合は、以下のように、指定された論理ユニットの等価率を表示してコマンドがエラーとなります。

表示項目

説明

EC start time

バックアップ同期処理の開始された時刻です。

Current EC status

バックアップ同期処理に関する状態です。以下のいずれかが表示されます。

  • NORMAL

バックアップ同期処理が実行中です。

  • SUSPEND

外部からの操作により、バックアップ同期処理がサスペンドされています。

  • ERROR

ハードウェアがエラーを検出し、バックアップ同期処理がエラーサスペンドされています。

EC progress rate

バックアップ同期処理の等価率です。


このコマンドを強制終了させても、ダイレクトバックアップサーバが受け付け済みのバックアップ要求をキャンセルすることはできません。

バックアップ処理のキャンセルについては、「第10章 論理ユニットバックアップの運用操作」の「バックアップ処理のキャンセル」を参照してください。


このコマンドでは、論理ユニットバックアップ以外のバックアップ運用において、バックアップを行うことはできません。

 

■関連項目

lugetpolicy、lusetpolicy、lurestore、lustartec

 

15.2 lurestore (リストアの実行)

■形式

lurestore [-s] [-v dst_volume | -v GRname:dst_volume] [-g generation] src_volume | GRname:src_volume

 

■機能説明

このコマンドは、指定した論理ユニットから採取されたバックアップデータをリストアするコマンドです。

リストア先にはバックアップ元以外に、任意の論理ユニットを指定することができます。

このコマンドを実行すると、リストアに対する確認メッセージが出力されます。メッセージが出力された後、以下の選択をしてください。

このコマンドでは、任意の世代のバックアップデータをリストアすることができます。

 

■オプション

以下のオプションを指定することができます。これらのオプションは省略することもできます。

オプション

説明

-s

リストアの実行に対する確認メッセージが出力されず、ただちにリストアが行われます。

-v

リストア先のETERNUS ディスクアレイの名前をGRname、論理ユニットの論理ユニット番号をOLUxxxx (xxxxは16進数) の形式でdst_volumeに指定します。論理ユニット番号は、16進数3桁で“000〜fff”もしくは、16進数4桁で“0000〜3fff”が指定できます。
このオプションを省略すると、バックアップ元の論理ユニットにリストアされます。

-g

リストアするバックアップデータの相対世代番号を10進数でgenerationに指定します。
このオプションを省略すると、最新 (相対世代番号1) のバックアップデータがリストアされます。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定します。

オペランド

説明

GRname

指定する論理ユニットが存在するETERNUS ディスクアレイの名前を指定します。
SSF/Backup Facilityに接続されている ETERNUS ディスクアレイが1台の場合は、このオペランドは省略できます。

src_volume

バックアップデータを採取した、論理ユニットの論理ユニット番号をOLUxxxx (xxxxは16進数) の形式で指定します。論理ユニット番号は、16進数3桁で"000〜fff"もしくは、16進数4桁で"0000〜3fff"が指定できます。
このオペランドに複数の論理ユニットを指定することはできません。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. ディスクアレイ装置名(GR01) の論理ユニット (OLU0001) から採取した、最新世代のバックアップデータをバックアップ元にリストアします。
    以下は、確認メッセージに対して“y”を入力した例です。

    # lurestore GR01:OLU0001
    GR01:OLU0001: restore to GR01:OLU0001 ? [y/n]: y
    lurestore completed
    #

  2. ディスクアレイ装置名(GR01) の論理ユニット (OLU0002) から採取した、相対世代番号 (2) のバックアップデータをバックアップ元にリストアします。
    以下は、確認メッセージに対して“y”を入力した例です。

    # lurestore -g 2 GR01:OLU0002
    GR01:OLU0002: restore to GR01:OLU0002 ? [y/n]: y
    lurestore completed
    #

  3. ディスクアレイ装置名(GR02) の論理ユニット (OLU0003) から採取した、相対世代番号 (5) のバックアップデータをディスクアレイ装置名(GR02) の論理ユニット (OLU0010)へリストアします。
    以下は、確認メッセージに対して“y”を入力した例です。

    # lurestore -v GR02:OLU0010 -g 5 GR02:OLU0003
    GR02:OLU0003: restore to GR02:OLU0010 ? [y/n]: y
    lurestore completed
    #

  4. ディスクアレイ装置名(GR01) の論理ユニット (OLU0001) から採取した、最新世代のバックアップデータをバックアップ元に、確認メッセージなしでリストアします。

    # lurestore -s GR01:OLU0001
    lurestore completed
    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

リストアするバックアップデータがディスクとテープの両方に存在する場合は、ディスクのバックアップデータからリストアが行われます。テープからリストアを行う場合は、ディスクのバックアップデータを削除してからリストアを行ってください。

バックアップデータの削除については、「第10章 論理ユニットバックアップの運用操作」の「バックアップデータの削除」を参照してください。


-vオプションに指定する論理ユニットに、SSF/Backup Facility用に割り当てられた論理ユニットを指定することはできません。

このコマンドを強制終了させても、ダイレクトバックアップサーバが受け付け済みのリストア要求をキャンセルすることはできません。

リストア処理のキャンセルについては、「第10章 論理ユニットバックアップの運用操作」の「リストア処理のキャンセル」を参照してください。


このコマンドでは、論理ユニットバックアップ以外のバックアップ運用において採取されたバックアップデータをリストアすることはできません。

 

■関連項目

lugethist、lubackup

 

15.3 lugethist (バックアップ履歴情報の表示)

■形式

lugethist [-g generation] [volume | GRname:volume]

 

■機能説明

このコマンドは、バックアップ運用で採取されたバックアップデータの履歴情報を表示するコマンドです。

このコマンドが出力する情報の意味は以下のとおりです。

表示項目

説明

GR Name

ETERNUS ディスクアレイの名前を表示します。
SSF/Backup FacilityにETERNUS ディスクアレイが複数接続されている場合に表示されます。

volume

論理ユニットの論理ユニット番号を表示します。

gen

バックアップデータの相対世代番号です。
相対世代番号は、1から始まる整数で、古い世代ほど数字が大きくなります。

start_time

ダイレクトバックアップサーバがバックアップを開始した日時です。
YYYY /MM /DD hh:mm」形式で表示されます。
YYYY は西暦、MM は月、DD は日、hh は時、mm は分を示します。
表示日時は、SSF/Backup Facility上の日時が適用されます。

end_time

ダイレクトバックアップサーバがバックアップを終了した日時です。
YYYY /MM /DD hh:mm」形式で表示されます。
YYYY は西暦、MM は月、DD は日、hh は時、mm は分を示します。
表示日時は、SSF/Backup Facility上の日時が適用されます。

media

バックアップデータの格納媒体です。以下のいずれかが表示されます。

  • DISK

“ディスク”に保存されていることを示します。

  • TAPE

“テープ”に保存されていることを示します。

  • BOTH

“両方”に保存されていることを示します。

bk_vol(※)

バックアップデータの格納媒体について、以下のいずれかが表示されます。

  • “ディスク”または“両方”の場合

保存されている論理ユニット名を表示します。この時、論理ユニットが存在するディスクアレイ装置名が表示されません。

  • “テープ”の場合

ハイフン「−」が表示されます。

bk_tape(※)

バックアップデータの格納媒体について、以下のいずれかが表示されます。

  • “テープ”または“両方”の場合

保存されているテープ名を表示します。

  • “ディスク”の場合

ハイフン「−」が表示されます。

※:

バックアップ履歴がテープのみに存在する状態で、テープの強制削除処理を実行した場合、"bk_vol"および“bk_tape”にハイフン「−」が表示されます。この履歴はリストアすることができません。「バックアップデータの削除」にて履歴の削除を行ってください。


バックアップデータが保存されている論理ユニットが存在する、ETERNUS ディスクアレイの確認は以下の手順で行えます。

  1. lugetpolicy コマンドを実行し、項目 “LU Pool” に表示される「バックアップ先論理ユニットプール名」を確認します。
  2. dbugetpoolinfo コマンドを-lオプション、および手順1 で得た論理ユニットプール名をオペランドに指定して実行します。項目 “belong volume”で表示される論理ユニット名が「ディスクアレイ装置名:論理ユニット名」で表示されているので、論理ユニット名が同じものを探してください。

 

■オプション

以下のオプションを指定することができます。このオプションは省略することもできます。

オプション

説明

-g

表示するバックアップデータの世代数をgenerationに指定します。
generationには1以上の整数を指定することができます。例えば、generationに5を指定した場合は、最新世代を含めて5世代分の履歴情報が表示されます。
このオプションを省略すると、すべての世代の履歴情報が表示されます。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定することができます。このオペランドは省略することもできます。

オペランド

説明

GRname

volume が存在するETERNUS ディスクアレイの名前を指定します。
SSF/Backup Facilityに接続されている ETERNUS ディスクアレイが1台の場合は、このオペランドは省略できます。

volume

バックアップ履歴情報を表示する、論理ユニットの論理ユニット番号をOLUxxxx (xxxxは16進数) の形式で指定します。論理ユニット番号は、16進数3桁で"000〜fff"もしくは、16進数4桁で"0000〜3fff"が指定できます。
このオペランドに複数の論理ユニットを指定することはできません。
このオペランドを省略すると、すべての論理ユニットに対するバックアップデータの履歴情報を表示します。この時、バックアップ履歴情報のない論理ユニットについては表示されません。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. ディスクアレイ装置名(GR01) の論理ユニット (OLU0001) から採取した、バックアップデータの履歴情報を参照します。

    # lugethist GR01:OLU0001

    GR Name :GR01

    volume

    gen

    start_time

    end_time

    media

    bk_vol

    bk_tape

    ----------------------------------------------------------------------------

    OLU0001

    1

    2001/01/31 02:00

    2001/01/31 03:00

    BOTH

    OLU0050

    tape4

    OLU0001

    2

    2001/01/20 02:00

    2001/01/20 03:00

    TAPE

    -

    tape1,tape2,tape3

    OLU0001

    3

    2001/01/10 02:00

    2001/01/10 03:00

    DISK

    OLU0049

    -

    #

  2. ダイレクトバックアップサーバが管理している、すべての論理ユニットに対するバックアップデータの履歴情報を2世代分のみ参照します。

    # lugethist -g 2

    GR Name :GR01

    volume

    gen

    start_time

    end_time

    media

    bk_vol

    bk_tape

    ----------------------------------------------------------------------------

    OLU0001

    1

    2001/10/19 00:00

    2001/10/19 03:00

    DISK

    OLU0050

    -

    OLU0001

    2

    2001/10/12 00:00

    2001/10/12 03:00

    DISK

    OLU0051

    -

    OLU0002

    1

    2001/10/05 02:00

    2001/10/05 03:00

    BOTH

    OLU0052

    tape1

    OLU0002

    2

    2001/10/01 02:00

    2001/10/01 03:15

    BOTH

    OLU0053

    tape2,tape3

     

    GR Name :GR02

    volume

    gen

    start_time

    end_time

    media

    bk_vol

    bk_tape

    ----------------------------------------------------------------------------

    OLU0001

    1

    2000/10/28 05:00

    2000/10/28 07:20

    TAPE

    -

    tape4

    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

-g オプションで指定された世代数分の履歴情報のない論理ユニットについては、ダイレクトバックアップサーバで管理されている世代数の履歴情報が表示されます。

バックアップ処理においてlubackupコマンドが正常終了していても、テープへのバックアップデータを書き込み中の場合は、まだ履歴情報が登録されていないため、このコマンドを実行しても履歴情報は表示されません。

このコマンドでは、論理ユニットバックアップ以外のバックアップ運用において採取した、バックアップデータの履歴情報を表示することはできません。

 

■関連項目

lubackup、ludelhist

 

15.4 ludelhist (バックアップ履歴情報の削除)

■形式

ludelhist [-s] -g generation [-m media] volume | GRname:volume

ludelhist [-s] -a volume | GRname:volume

 

■機能説明

バックアップ運用において採取されたバックアップデータとその履歴情報を削除するコマンドです。

このコマンドを実行すると、バックアップデータとその履歴情報の削除に対する確認メッセージが出力されます。メッセージが出力された後、以下の選択をしてください。

このコマンドでは、指定した論理ユニットから採取した特定の世代、またはすべての世代のバックアップデータとその履歴情報を削除できます。
また、指定する特定世代のバックアップデータとその履歴情報が、ディスクとテープの両方に保存されている場合は、削除する媒体を指定することもできます。

 

■オプション

以下のオプションを指定することができます。青色で記述している文字列は、実際にそのオプションに指定できる文字列であることを示します。

オプション

説明

-s

削除に対する確認メッセージが出力されず、ただちにバックアップデータとその履歴情報の削除が行われます。

-g

削除するバックアップデータの相対世代番号を10進数でgenerationに指定します。
このオプションは、-aオプションと同時に指定することはできません。

-m

削除するバックアップデータの世代のうち、どの媒体に格納されたデータを削除するかをmediaに指定します。

  • DISK”を指定すると、ディスクに保存されたバックアップデータとその履歴情報を削除します。
  • TAPE”を指定すると、テープに保存されたバックアップデータとその履歴情報を削除します。テープに保存されたバックアップデータが複数ある場合、そのすべてが削除されます。

このオプションを省略すると、ディスクとテープの両方に保存されたバックアップデータとその履歴情報を削除します。
このオプションは、-aオプションと同時に指定することはできません。

-a

オペランドで指定した論理ユニットのすべてのバックアップデータとその履歴情報を削除します。
このオプションは、-gオプションおよび-mオプションと同時に指定することはできません。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定します。

オペランド

説明

GRname

volume が存在するETERNUS ディスクアレイの名前を指定します。
SSF/Backup Facilityに接続されている ETERNUS ディスクアレイが1台の場合は、このオペランドは省略できます。

volume

バックアップデータとその履歴情報を削除する、論理ユニットの論理ユニット番号をOLUxxxx (xxxxは16進数) の形式で指定します。論理ユニット番号は、16進数3桁で"000〜fff"もしくは、16進数4桁で"0000〜3fff"が指定できます。
このオペランドに複数の論理ユニットを指定することはできません。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. ディスクアレイ装置名(GR01) の論理ユニット (OLU0001)から採取した、最新世代のバックアップデータにおいて、テープに保存されたバックアップデータとその履歴情報を削除します。
    以下は、確認メッセージに対して“y”を入力した例です。

    # ludelhist -g 1 -m TAPE GR01:OLU0001
    GR01:OLU0001: delete backup history ? [y/n]: y
    ludelhist completed
    #

  2. ディスクアレイ装置名(GR02) の論理ユニット (OLU0002)から採取した、相対世代番号 (2) のバックアップデータとその履歴情報を削除します。
    以下は、確認メッセージに対して“y”を入力した例です。

    # ludelhist -g 2 GR02:OLU0002
    GR02:OLU0002: delete backup history ? [y/n]: y
    ludelhist completed
    #

  3. ディスクアレイ装置名(GR01) の論理ユニット (OLU0003) から採取した、すべてのバックアップデータとその履歴情報を削除します。
    以下は、確認メッセージに対して“y”を入力した例です。

    # ludelhist -a GR01:OLU0003
    GR01:OLU0003: delete backup history ? [y/n]: y
    ludelhist completed
    #

  4. ディスクアレイ装置名(GR01) の論理ユニット (OLU0003) から採取した、すべてのバックアップデータとその履歴情報の削除を確認メッセージなしで行います。

    # ludelhist -s -a GR01:OLU0003
    ludelhist completed
    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

一度削除したバックアップデータとその履歴情報は元に戻せません。

バックアップポリシーの「複写数」に“1”以上を設定してテープにバックアップした場合、同じ世代のバックアップデータを複数のテープに保存 (クローン媒体) できます。しかし、このコマンドではクローン媒体に保存されている、同じ世代のバックアップデータに対して個別に削除を行えません。

クローン媒体の詳細については、「第6章 その他の機能」の「クローン媒体の管理」を参照してください。

「バックアップ履歴のコピー」で採取した同じ世代のバックアップデータを個別に削除できません。指定した世代のバックアップデータをすべて削除します。

このコマンドを強制終了させても、ダイレクトバックアップサーバが受け付け済みの削除要求をキャンセルすることはできません。

このコマンドでは、論理ユニットバックアップ以外のバックアップ運用において採取した、バックアップデータの履歴情報を削除することはできません。

 

■関連項目

lugethist、lubackup

 

15.5 lusetpolicy (バックアップポリシーの設定)

■形式

lusetpolicy [-m media] [-g generation] [-b behavior] [-e [-s] [-a | -h] | -o [-w | -n] | -N] [-t term] [-c count] [-l names .. | -p name] [-P policy] [[-u pool ] ] volume | GRname:volume

 

■機能説明

このコマンドは、指定した論理ユニットに対してバックアップポリシーを設定するコマンドです。

バックアップポリシーの詳細については、「第3章 バックアップポリシー」を参照してください。

 

■オプション

以下のオプションを指定することができます。青色で記述されている文字列は、実際にそのオプションに指定できる文字列であることを示しています。

オプション

説明

-m

「バックップ先」をmediaに指定します。

  • DISK”を指定すると、“ディスク”に設定されます。
  • TAPE”を指定すると、“テープ”に設定されます。
  • BOTH”を指定すると、“両方 に設定されます。

このオプションでは、「バックアップエンジン」に“EC (SUSPEND) ”を指定する場合に、mediaに“BOTH”を指定することはできません。

-g

「ディク保存世代数」をgenerationに指定します。
generationに指定できる値の範囲は、“1”から“100”までの整数です。
このオプションは、-mオプションに“DISK”または“BOTH”が指定された場合に指定できます。

-b

「ディスク保存世代超過処理」をbehaviorに指定します。

  • DEL”を指定すると、“最古世代を削除”に設定されます。
  • TOTAPE”を指定すると、“最古世代をテープに退避”に設定されます。

このオプションは、-mオプションに“DISK”を指定した場合に指定できます。
-sオプションを指定する場合に、このオプションで“TOTAPE”を指定することはできません。

-e

「バックアップエンジン」を “EC”に設定します。
このオプションは、-N、-o、-w、および -nと同時に指定することはできません。

-s

「バックアップエンジン」を“EC (SUSPEND) ”に設定します。
このオプションは、-eオプションを指定した場合に指定できます。

-o

「バックアプエジン」を“OPC”に設定します。
このオプションは、-N、-e、-a、および -hオプションと同時に指定することはできません。

-N

「バックアップエンジン」を“未使用”に設定します。
このオプションは、-mオプションに“TAPE”を指定した場合に指定できます。
このオプションは、-e、-a、-h、-o、-w、および -nオプションと同時に指定することはできません。

-a

「バックアップ期処理開始」を“自動”に設定します。
このオプションは、-eオプションを指定した場合に指定できます。
このオプションは、-hオプションと同時に指定することはできません。

-h

「バックアップ同期処理開始」を“手動”に設定します。
このオプションは、-eオプションを指定した場合に指定できます。
このオプションは、-aオプションと同時に指定することはできません。

-w

「実コピー待ち合せ」を“行う”に設定します。
このオプションは、-mオプションに“TAPE”または“BOTH”を指定し、同時に-oオプションを指定した場合に指定できます。
このオプションは、-nオプションと同時に指定することはできません。

-n

「実コピー待ち合わせ」を“行わない”に設定します。
このオプションは、-mオプションに“TAPE”または“BOTH”を指定し、同時に-oオプションを指定した場合に指定できます。
このオプションは、-wオプションと同時に指定することはできません。

-t

「有効間」をtermに指定します。
termに指定できる値の範囲は、“0”から“2000”までの整数です。
なお、“0”を指定すると、「テープ保存期間」は無期限 (永久保存) に設定されます。

-c

「複数」をcountに指定します。
countに指定できる値の範囲は、“0”から“9”までの整数です。“0”が指定されると複写は作成されません。
このオプションは、以下の条件の時に指定できます。

  • -mオプションに“TAPE”または“BOTH”が指定された場合
  • -mオプションに“DISK”、および-bオプションに“TOTAPE”を指定した場合

-l

「Tape書き込み対象」を“テープリスト”に設定します。その時の「Tape書き込み先名」は、namesに指定します。
namesには、最大16のテープ名を指定することができます。
namesに複数のテープ名を指定する場合は、テープ名の間をコンマ (,) で区切って指定します。

このオプションと同時に-Pオプションを指定する場合、policyに“AUTO”を指定することはできません。

-p

「Tape書き込み対象」を“テーププール”に設定します。その時の「Tape書き込み先名」は、nameに指定します。
nameには、複数のテーププール名を指定することはできません。
nameに“spare_tapepool”という名前のテーププールを指定することはできません。

-P

「書きみポリシー」をpolicyに指定します。

  • NEW”を指定すると、“新規テープの先頭から”に設定されます。
  • ADD”を指定すると、“可能な限り追加書き込み”に設定されます
  • AUTO”を指定すると、“自動”に設定されます

このオプションと同時に-lオプションを指定する場合、policyに“AUTO”を指定することはできません。

-u

「バックアップ先ディスク」のバックアップ先論理ユニットプール名を pool に指定します。
-mオプションに“DISK”または“BOTH”が指定されている場合は、このオプションの指定は必須です。
-mオプションに“TAPE”が指定されている場合は、「作業用論理ユニットプール」として使用する論理ユニットプール名を pool に指定します。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定します。

オペランド

説明

GRname

volume が存在するETERNUS ディスクアレイの名前を指定します。
SSF/Backup Facilityに接続されている ETERNUS ディスクアレイが1台の場合は、このオペランドは省略できます。

volume

バックアップポリシーを設定する、論理ユニットの論理ユニット番号をOLUxxxx (xxxxは16進数) の形式で指定します。論理ユニット番号は、16進数3桁で"000〜fff"もしくは、16進数4桁で"0000〜3fff"が指定できます。
このオペランドに複数の論理ユニットを指定することはできません。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. ディスクアレイ装置名(GR01) の論理ユニット (OLU0001)に対して、「ディスク保存世代数」を“10”、および「ディスク保存世代超過処理」を“最古世代を削除”に設定します。

    # lusetpolicy -g 10 -b DEL GR01:OLU0001
    lusetpolicy completed
    #

  2. ディスクアレイ装置名(GR01) の論理ユニット (OLU0001)に対して、「Tape書き込み対象」を“テープリスト”、その時の「Tape書き込み先名」を“tape1”と“tape2”に設定します。

    # lusetpolicy -l tape1,tape2 GR01:OLU0001
    lusetpolicy completed
    #

  3. ディスクアレイ装置名(GR01) の論理ユニット (OLU0001)に対して、「バックアップエンジン」を“EC”、および「バックアップ同期処理開始」を“手動”に設定します。

    # lusetpolicy -e -h GR01:OLU0001
    lusetpolicy completed
    #

  4. ディスクアレイ装置名(GR01) の論理ユニット (OLU0001)に対して、「バックアップ先」を“テープ”、および「バックアップエンジン」を“未使用”に設定します。

    # lusetpolicy -m TAPE -N GR01:OLU0001
    lusetpolicy completed
    #

  5. ディスクアレイ装置名(GR01) の論理ユニット (OLU0001)に対して、「バックアップ先論理ユニットプール」を“pool1”に設定します。

    # lusetpolicy -u pool1 GR01:OLU0001
    lusetpolicy completed
    #

  6. ディスクアレイ装置名(GR01) の論理ユニット (OLU0001)に対して、テープへのバックアップにおける「バックアップ先論理ユニットプール」を“pool2”に設定します。

    # lusetpolicy -m TAPE -u pool2 GR01:OLU0001
    lusetpolicy completed
    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

このコマンドによるバックアップポリシーの初期設定において、指定したパラメタ以外の設定には、その時にダイレクトバックアップサーバで保持しているバックアップポリシーのデフォルト値が適用されます。

このコマンドでは、設定する時のパラメタの組合せ、すでに設定されているパラメタと設定しようとするパラメタの組合せによって、コマンドが失敗して設定が行われない場合があります。
例えば、-mオプション (バックアッ先) に“DISK”、-bオプション (ディスク保存世代超過処理) に“DEL”が設定されている状態では、テープ関連のパラメタを設定することができません。

設定されているバックアップポリシーの参照については、本章の「lugetpolicy(バックアップポリシーの表示)」を参照してください。


このコマンドでは、ダイレクトバックアップサーバが保持しているバックアップポリシーのデフォルト値を変更することはできません。

ECがサポートされていない ETERNUS3000、ETERNUS4000、ETERNUS GR seriesに存在する論理ユニットに対して、「バックアップエンジン」に“EC”または“EC (SUSPEND) ”を指定した場合、このコマンドはエラーとなります。

「バックアップエンジン」に“EC (SUSPEND) ”を指定する場合は以下の設定に注意してください。

このコマンドを強制終了させても、ダイレクトバックアップサーバが受け付け済みの要求をキャンセルすることはできません。

このコマンドでは、論理ユニットバックアップ以外のバックアップ運用において、バックアップポリシーの設定を行うことはできません。

 

■関連項目

lubackup、ludelpolicy、lugetpolicy

 

15.6 lugetpolicy (バックアップポリシーの表示)

■形式

lugetpolicy [volume | GRname:volume]

lugetpolicy [-d]

 

■機能説明

このコマンドは、論理ユニットに設定されているバックアップポリシーを表示するコマンドです。

このコマンドが出力する情報の意味は以下のとおりです。
他のパラメタとの組合せで無効化されている項目にはハイフン「−」が表示されます。

表示項目

説明

GR Name

ETERNUS ディスクアレイの名前を表示します。
SSF/Backup Facilityに ETERNUS ディスクアレイが複数接続されている場合のみ表示します。

Backup Engine

「バックアッエンジン」を表示します。以下のいずれかが表示されます。

  • OPC

“OPC”に設定されていることを示します。

  • EC

“EC”に設定されていることを示します。

  • EC (SUSPEND)

“EC (SUSPEND) ”に設定されていることを示します。

  • NOUSE

“未設定”に設定されていることを示します。

Backup Media

「バックアップ先」を表示します。以下のいずれかが表示されます。

  • DISK

“ディスク”に設定されていることを示します。

  • TAPE

“テープ”に設定されていることを示します。

  • BOTH

“両方”に設定されていることを示します。

OPC Real Copy Wait

「実コピー待ち合わせ」を表示します。以下のいずれかが表示されます。

  • yes

“行う”に設定されていることを示します。

  • no

“行わない”に設定されていることを示します。

EC Start Mode

「バックアップ同期処理開始」を表示します。以下のいずれかが表示されます。

  • AUTO

“自動”に設定されていることを示します。

  • MANUAL

“手動”に設定されていることを示します。

Disk Generation

「ディスク保存世代数」です。

Disk Overflow

「ディスク保存世代超過処理」を表示します。以下のいずれかが表示されます。

  • DEL

“最古世代を削除”に設定されていることを示します。

  • TOTAPE

“最古世代をテープに退避”に設定されていることをします。

Tape Expiration

「有効期間」です。単位は日数です。

Tape Copy Amount

「複写数」です。

Tape Write Policy

「書き込みポリシー」を表示します。以下のいずれかが表示されます。

  • NEW

“新規テープの先頭から”に設定されていることを示します。

  • ADD

“可能な限り追加書き込み”に設定されていることを示します。

  • AUTO

“自動”に設定されていることを示します。

Tape Destination

「Tape書きみ対象」です。

  • POOL

“テーププール”に設定されていることを示します。

  • LIST

“テープリスト”に設定されていることを示します。

LU Pool

論理ユニットプールについて、以下のいずれかが表示されます。

  • 「バックアップ先」が“ディスク”または“両方”の場合
  • 「バックアップ先ディスク」の バックアップ先論理ユニットプール名が表示されます。
  • 「バックアップ先」が“テープ”の場合
  • 「作業用論理ユニットプール」の 論理ユニットプール名が表示されます。
  • 「バックアップ先」が“未使用”の場合
  • 「−」が表示されます。

LU Name

「バックアップ先ディスク」の “専用論理ユニット”が設定されている場合、その論理ユニットが表示されます。
現在は、“専用論理ユニット”がサポートされていないため、常に「−」が表示されます。

Tape Name

「Tapeき込み先名」を表示します。以下のいずれかが表示されます。

  • 「Tape書きみ対象」が“テーププール”の場合
  • テーププール名が表示されます。
  • 「Tapeき込み対象」が“テープリスト”の場合
  • テープ名がリストで表示されます。

 

■オプション

以下のオプションを指定することができます。このオプションは省略することもできます。

オプション

説明

-d

ダイレクトバックアップサーバが保持しているバックアップポリシーのデフォルト値を表示します。
このオプションを指定した時は、オペランドvolumeを指定できません。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定することができます。このオペランドは省略することもできます。

オペランド

説明

GRname

volume が存在するETERNUS ディスクアレイの名前を指定します。
SSF/Backup Facilityに接続されている ETERNUS ディスクアレイが1台の場合は、このオペランドは省略できます。

volume

バックアップポリシーを表示する、論理ユニットの論理ユニット番号をOLUxxxx (xxxxは16進数) の形式で指定します。論理ユニット番号は、16進数3桁で"000〜fff"もしくは、16進数4桁で"0000〜3fff"が指定できます。
このオペランドに複数の論理ユニットを指定することはできません。
このオペランドを省略した場合は、バックアップポリシーが設定されているすべての論理ユニットについて、バックアップポリシーを表示します。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. ディスクアレイ装置名(GR01) の論理ユニット (OLU0001)に設定されている、バックアップポリシーを参照します。

    # lugetpolicy GR01:OLU0001

    ----------------------------------------------------------------------------

    OLU0001

    |

    Backup Engine

    : OPC

    Backup Media

    : TAPE

    |

    OPC RealCopy Wait

    : yes

    EC Start Mode

    : -

    |

    Disk Generation

    : -

    Disk Overflow

    : -

    |

    Tape Expiration

    : 0

    Tape Copy Amount

    : 0

    |

    Tape Write Policy

    : ADD

    Tape Destination

    : LIST

    |

    LU Pool

    : lu_pool1

    |

    LU Name

    : -

    |

    Tape Name

    : tape1,tape2

    ----------------------------------------------------------------------------

    #

  2. バックアップポリシーが設定されているすべての論理ユニットについて、バックアップポリシーを参照します。

    # lugetpolicy

    GR Name :GR01

    ----------------------------------------------------------------------------

    OLU0001

    |

    Backup Engine

    : OPC

    Backup Media

    : TAPE

    |

    OPC RealCopy Wait

    : yes

    EC Start Mode

    : -

    |

    Disk Generation

    : -

    Disk Overflow

    : -

    |

    Tape Expiration

    : 0

    Tape Copy Amount

    : 0

    |

    Tape Write Policy

    : ADD

    Tape Destination

    : LIST

    |

    LU Pool

    : lu_pool1

    |

    LU Name

    : -

    |

    Tape Name

    : tape1,tape2

    ----------------------------------------------------------------------------

     

    GR Name :GR02

    ----------------------------------------------------------------------------

    OLU0002

    |

    Backup Engine

    : OPC

    Backup Media

    : DISK

    |

    OPC RealCopy Wait

    : yes

    EC Start Mode

    : -

    |

    Disk Generation

    : 5

    Disk Overflow

    : TOTAPE

    |

    Tape Expiration

    : 0

    Tape Copy Amount

    : 0

    |

    Tape Write Policy

    : AUTO

    Tape Destination

    : pool

    |

    LU Pool

    : lu_pool2

    |

    LU Name

    : -

    |

    Tape Name

    : tapepool1

    ----------------------------------------------------------------------------

    #

  3. ダイレクトバックアップサーバが保持しているバックアップポリシーのデフォルト値を参照します。

    # lugetpolicy -d

    ----------------------------------------------------------------------------

    Backup Engine

    : EC(SUSPEND)

    Backup Media

    : DISK

    OPC RealCopy Wait

    : yes

    EC Start Mode

    : MANUAL

    Disk Generation

    : 5

    Disk Overflow

    : DEL

    Tape Expiration

    : 0

    Tape Copy Amount

    : 0

    Tape Write Policy

    : AUTO

    Tape Destination

    : POOL

    LU Pool

    : lu_pool1

    Tape Name

    : tapepool1

    ----------------------------------------------------------------------------

    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

このコマンドに、バックアップポリシーが設定されていない論理ユニットを指定した場合は、その時にダイレクトバックアップサーバが保持しているバックアップポリシーのデフォルト値を基に、バックアップポリシーとして整合性をとった状態で表示されます。

バックアップポリシーが設定されていない論理ユニットをバックアップする場合は、この状態で表示されるバックアップポリシーでバックアップ処理が行われます。

 

パラメタの整合性については、「第3章 バックアップポリシー」の「バックアップポリシーのデフォルト値に関する注意事項」を参照してください。


このコマンドでは、論理ユニットバックアップ以外のバックアップ運用において設定されている、バックアップポリシーを表示することはできません。

 

■関連項目

lubackup、ludelpolicy、lusetpolicy

 

15.7 ludelpolicy (バックアップポリシーの削除)

■形式

ludelpolicy [-s] volume | GRname:volume

 

■機能説明

このコマンドは、指定した論理ユニットに設定されているバックアップポリシーを削除するコマンドです。

このコマンドを実行すると、バックアップポリシーの削除に対する確認メッセージが出力されます。メッセージが出力された後、以下の選択をしてください。

 

■オプション

以下のオプションを指定することができます。このオプションは省略することもできます。

オプション

説明

-s

バックアップポリシーの削除に対する確認メッセージが出力されず、ただちにバックアップポリシーの削除が行われます。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定します。

オペランド

説明

GRname

volume が存在するETERNUS ディスクアレイの名前を指定します。
SSF/Backup Facilityに接続されている ETERNUS ディスクアレイが1台の場合は、このオペランドは省略できます。

volume

バックアップポリシーを削除する、論理ユニットの論理ユニット番号をOLUxxxx (xxxxは16進数) の形式で指定します。論理ユニット番号は、16進数3桁で"000〜fff"もしくは、16進数4桁で"0000〜3fff"が指定できます。
このオペランドに複数の論理ユニットを指定することはできません。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. ディスクアレイ装置名(GR01) の論理ユニット (OLU0001)に設定されているバックアップポリシーを削除します。
    以下は、確認メッセージに対して“y”を入力した例です。

    # ludelpolicy GR01:OLU0001
    GR01:OLU0001: delete backup policy ? [y/n]: y
    ludelpolicy completed
    #

  2. ディスクアレイ装置名(GR01) の論理ユニット (OLU0001)に設定されているバックアップポリシーを確認メッセージなしで削除します。

    # ludelpolicy -s GR01:OLU0001
    ludelpolicy completed
    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

バックアップ同期処理が開始されている状態でこのコマンドを実行すると、指定した論理ユニットに対するバックアップ同期処理のキャンセルを行ってからバックアップポリシーの削除を行います。

指定した論理ユニットに対するバックアップデータとその履歴情報が存在する場合は、コマンドはエラーとなります。バックアップポリシーを削除する前に、バックアップデータとその履歴情報を削除してください。

バックアップデータとその履歴情報の削除については、「第10章 論理ユニットバックアップの運用操作」の「バックアップデータの削除」を参照してください。


バックアップポリシーが設定されていない論理ユニットを指定して、コマンドを実行した場合は、コマンドはエラーとなります。

このコマンドを強制終了させても、ダイレクトバックアップサーバが受け付け済みの削除要求をキャンセルすることはできません。

このコマンドでは、論理ユニットバックアップ以外のバックアップ運用において設定されている、バックアップポリシーを削除することはできません。

 

■関連項目

lubackup、ludelhist、lugetpolicy、lusetpolicy

 

15.8 lustartec (バックアップ同期処理の開始)

■形式

lustartec volume | GRname:volume

 

■機能説明

このコマンドは、指定した論理ユニットに対してバックアップ同期処理の開始およびレジューム(再開)を指示するコマンドです。

このコマンドは、バックアップポリシーの「バックアップエンジン」が“EC”または“EC (SUSPEND) ”、および「バックアップ同期処理開始」が“手動”に設定されている場合に実行できます。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定します。

オペランド

説明

GRname

volume が存在するETERNUS ディスクアレイの名前を指定します。
SSF/Backup Facilityに接続されている ETERNUS ディスクアレイが1台の場合は、このオペランドは省略できます。

volume

バックアップ同期処理を開始する、論理ユニットの論理ユニット番号をOLUxxxx (xxxxは16進数) の形式で指定します。論理ユニット番号は、16進数3桁で"000〜fff"もしくは、16進数4桁で"0000〜3fff"が指定できます。
このオペランドに複数の論理ユニットを指定することはできません。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. ディスクアレイ装置名(GR01) の論理ユニット (OLU0001)のバックアップ同期処理を開始します。

    # lustartec GR01:OLU0001
    lustartec completed
    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

バックアップポリシーが設定されていない論理ユニットを指定して、このコマンドを実行した場合は、その時にダイレクトバックアップサーバが保持しているバックアップポリシーのデフォルト値を基に、バックアップ同期処理を開始できる状態か判断されます。

バックアップ運用においてECまたはECのSuspend/Resume機能を利用する場合は、バックアップを行う前にこのコマンドにより、論理ユニットを等価性維持状態にしておいてください。

すでに等価性維持状態の論理ユニットに対してこのコマンドを実行できません。

バックアップポリシーの「バックアップ同期処理開始」に“自動”を設定した場合は、自動的にバックアップ同期処理が開始されるため、このコマンドを実行しないでください。

ECがサポートされていない ETERNUS3000、ETERNUS4000、ETERNUS GR seriesに存在する論理ユニットを指定して実行すると、このコマンドはエラーとなります。

このコマンドを強制終了させても、ダイレクトバックアップサーバが受け付け済みのバックアップ同期処理の開始要求をキャンセルすることはできません。

バックアップ同期処理のキャンセルについては、「第10章 論理ユニットバックアップの運用操作」の「バックアップ同期処理のキャンセル」を参照してください。


このコマンドでは、論理ユニットバックアップ以外のバックアップ運用において、バックアップ同期処理を開始することはできません。

 

■関連項目

lubackup、lucancelec、lusetpolicy

 

15.9 lucancelec (バックアップ同期処理のキャンセル)

■形式

lucancelec [-s] [-E EC-ID] volume | GRname:volume

 

■機能説明

このコマンドは、指定した論理ユニットに対するバックアップ同期処理をキャンセルするコマンドです。

このコマンドを実行すると、バックアップ同期処理のキャンセルに対する確認メッセージが出力されます。メッセージが出力された後、以下の選択をしてください。

 

■オプション

以下のオプションを指定することができます。このオプションは省略することもできます。

オプション

説明

-s

バックアップ同期処理のキャンセルに対する確認メッセージが出力されず、ただちにバックアップ同期処理のキャンセルが行われます。

-E

バックアップ同期処理IDEC-IDに指定してバックアップ同期処理のキャンセルを行います。


-Eオプションを指定しなかった場合は、バックアップ同期処理IDが最小のバックアップ同期処理がキャンセルされます。

 

EC-IDで指定するバックアップ同期処理IDは、「第10章 論理ユニットバックアップの運用操作」の「バックアップ同期処理の実行状況の参照」で確認してください。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定します。

オペランド

説明

GRname

volume が存在するETERNUS ディスクアレイの名前を指定します。
SSF/Backup Facilityに接続されている ETERNUS ディスクアレイが1台の場合は、このオペランドは省略できます。

volume

バックアップ同期処理をキャンセルする、論理ユニットの論理ユニット番号をOLUxxxx (xxxxは16進数) の形式で指定します。論理ユニット番号は、16進数3桁で"000〜fff"もしくは、16進数4桁で"0000〜3fff"が指定できます。
このオペランドに複数の論理ユニットを指定することはできません。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. ディスクアレイ装置名(GR01) の論理ユニット (OLU0001)のバックアップ同期処理をキャンセルします。
    以下は、確認メッセージに対して“y”を入力した例です。

    # lucancelec GR01:OLU0001
    GR01:OLU0001: stop EC ? [y/n]: y
    lucancelec completed
    #

  2. ディスクアレイ装置名(GR01) の論理ユニット (OLU0001)のバックアップ同期処理を確認メッセージなしでキャンセルします。

    # lucancelec -s GR01:OLU0001
    lucancelec completed
    #

  3. ディスクアレイ装置名(GR01) の論理ユニット (OLU0001)でバックアップ同期処理IDが (2) のバックアップ同期処理を確認メッセージなしでキャンセルします。

    # lucancelec -s -E 2 GR01:OLU0001
    lucancelec completed
    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

バックアップ同期処理を開始していない論理ユニットに対してこのコマンドを実行すると、このコマンドはエラーになります。

バックアップポリシーの「バックアップ同期処理開始」が“自動”に設定されている場合は、このコマンドでバックアップ同期処理をキャンセルすることはできません。バックアップ同期処理をキャンセルするには、バックアップポリシーの「バックアップ同期処理開始」を“手動”に変更します。この操作を行うことで、自動的にバックアップ同期処理がキャンセルされます。

バックアップ同期処理をキャンセルすると、論理ユニットの等価性維持状態およびサスペンド状態が失われます。再度バックアップ同期処理を開始しても、等価性維持状態にするための処理が最初から行われます。キャンセルを行う前に、等価性維持状態にするのにかかる時間のことを十分考慮してください。

ECがサポートされていない ETERNUS3000、ETERNUS4000、ETERNUS GR seriesに存在する論理ユニットを指定して実行すると、このコマンドはエラーとなります。

このコマンドを強制終了させても、ダイレクトバックアップサーバが受け付け済みのバックアップ同期処理のキャンセル要求をキャンセルすることはできません。

このコマンドでは、論理ユニットバックアップ以外のバックアップ運用において開始された、バックアップ同期処理をキャンセルすることはできません。

 

■関連項目

lubackup、lusetpolicy、lustartec

 

15.10 luecstat (バックアップ同期処理の実行状況の表示)

■形式

luecstat [volume | GRname:volume]

 

■機能説明

このコマンドは、指定した論理ユニットに対して開始されている、バックアップ同期処理の状況を表示するコマンドです。

このコマンドが出力する情報の意味は以下のとおりです。

表示項目

説明

Volume

ETERNUS ディスクアレイの名前、および論理ユニット名を表示します。

Backup-Disk

バックアップ先の論理ユニット名を表示します。以下のいずれかが表示されます。

  • 論理ユニットプールの場合

論理ユニット名称を「ディスクアレイ装置名:論理ユニット名」の形式で表示します。
論理ユニット名は、“OLU”の文字に続いて、論理ユニット番号が16進数4桁で表示されます。

  • 上記以外の場合

「----」を表示します。

Status

バックアップ同期処理の実行状態を表示します。以下のいずれかが表示されます。

  • ----

同期処理中ではありません。

  • executing

同期処理中です。

  • suspended

サスペンドしています。

  • equivalent

等価性維持状態です。

  • failed

同期処理が異常終了しています。

  • nosession

同期処理の処理が存在しません。ダイレクトバックアップは同期処理の開始を指令したにもかかわらず、指令が受け付けられていない状態です。

Execute

バックアップ同期処理のコピー実行状況を表示します。以下のいずれかが表示されます。

  • 「Status」が “executing”の時

コピー実行状況をパーセンテージ“nn%” (0〜99) で、表示します。

  • 「Status」が “equivalent”の時

コピー実行状況は、“100%” と表示します。

  • 上記以外の場合

「----」を表示します。

EC-ID

バックアップ同期処理IDを表示します。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定することができます。このオペランドは省略することもできます。

オペランド

説明

GRname

volume が存在するETERNUS ディスクアレイの名前を指定します。
SSF/Backup Facilityに接続されている ETERNUS ディスクアレイが1台の場合は、このオペランドは省略できます。

volume

バックアップ同期処理状況を表示する、論理ユニットの論理ユニット番号をOLUxxxx (xxxxは16進数) の形式で指定します。論理ユニット番号は、16進数3桁で"000〜fff"もしくは、16進数4桁で"0000〜3fff"が指定できます。
このオペランドに複数の論理ユニットを指定することはできません。
このオペランドを省略した場合は、すべての論理ユニットのバックアップ同期処理の状況を表示します。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. ディスクアレイ装置名(GR01) の論理ユニット (OLU0001)に対するバックアップ同期処理状況を確認します。この時、バックアップポリシーの「バックアップエンジン」に“EC”を設定しています。

    # luecstat GR01:OLU0001

    Volume

    Backup-Disk

    Status

    Execute

    EC-ID

    GR01:OLU0001

    GR01:OLU0003

    executing

    80%

    1

    #

  2. ディスクアレイ装置名(GR01) の論理ユニット (OLU0001)に対するバックアップ同期処理状況を確認します。この時、バックアップポリシーの「バックアップエンジン」に“EC (SUSPEND) ”を設定しています。

    # luecstat GR01:OLU0001

    Volume

    Backup-Disk

    Status

    Execute

    EC-ID

    GR01:OLU0001

    GR01:OLU0003

    executing

    80%

    1

    GR01:OLU0001

    GR01:OLU0004

    suspended

    ----

    2

    GR01:OLU0001

    GR01:OLU0005

    suspended

    ----

    3

    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

バックアップ同期処理の実行状態(“Status”欄に表示される状態)が“failed” または“nosession”の場合、ハードウェアトラブルが考えられます。富士通技術員に連絡してください。
ハードウェアトラブルが解消した後、「バックアップ同期処理のキャンセル」の操作を行ってください。

このコマンドでは、論理ユニットバックアップ以外のバックアップ運用において開始された、バックアップ同期処理の実行状況を表示することはできません。

 

■関連項目

lustartec

 

15.11 luhistcopy (バックアップ履歴のコピー)

■形式

luhistcopy [-g generation ] -d dt [-P policy ] [-l names | -p name ] [-t term ] {volume | GRname:volume}

 

■機能説明

このコマンドは、指定した論理ユニットのバックアップデータをテープにコピーするコマンドです。

 

■オプション

以下のオプションを指定することができます。青色で記述されている文字列は、実際にそのオプションに指定できる文字列であることを示しています。

オプション

説明

-g

コピーするバックアップデータの相対世代番号を generation に指定します。

-d

バックアップ履歴のコピー形態を指定します。
このオプションには、必ず“dt”を指定してください。

-P

テープへの「書き込みポリシー」として、policy に以下のいずれかを指定します。

  • ADD”を指定すると、“可能な限り追加書き込み”処理が指定されます。
  • NEW”を指定すると、“新規テープの先頭から”処理が指定されます。
  • AUTO”を指定すると、“自動”処理が指定されます。

このオプションと同時に-lオプションを指定する場合、policyに“AUTO”を指定することはできません。

-l

「コピー先」として、names に“テープ名”を指定します。
names には、最大16のテープ名を指定することができます。
names に複数のテープを指定する場合は、コンマ (,) で区切って指定します。
このオプションは、-p オプションと同時に指定することはできません。

-p

「コピー先」として、name に“テーププール名”を指定します。
name には、複数のテーププール名を指定することはできません。
name に"spare_tapepool"という名前のテーププールを指定することはできません。
このオプションは、-l オプションと同時に指定することはできません。

-t

「テープ保存期間」をterm に指定します。
term に指定できる値の範囲は、“0”〜“2000”までの整数です。
term に“0”を指定すると、「テープ保存期間」は無期限 (永久保存) に設定されます。
「テープ保存期間」は、テープに保存する有効期間を世代毎に設定するオプションです。テープにバックアップデータが存在する世代に対して、ディスクからテープにコピーする場合は、-tオプションで「テープ保存期間」を指定することはできません。同じ世代のテープに存在するバックアップ履歴の「テープ保存期間」を適用します。

 

■オペランド

以下のオペランドを指定することができます。

オペランド

説明

GRname

volume が存在するETERNUS ディスクアレイの名前を指定します。
SSF/Backup Facilityに接続されている ETERNUS ディスクアレイが1台の場合は、このオペランドは省略できます。

volume

バックアップデータをコピーする、論理ユニットの論理ユニット番号をOLUxxxx (xxxxは16進数) の形式で指定します。論理ユニット番号は、16進数3桁で"000〜fff"もしくは、16進数4桁で"0000〜3fff"が指定できます。
このオペランドに複数の論理ユニットを指定することはできません。

 

■使用例

使用例を説明します。

  1. ディスクアレイ装置名(GR01) の論理ユニット (OLU0001) から採取した、相対世代番号 (2) のバックアップデータを書き込みポリシー (AUTO) でテーププール (tape_pool1) にコピーします。

    # luhistcopy -g 2 -d dt -P AUTO -p tape_pool1 GR01:OLU0001
    luhistcopy completed
    #

 

■終了ステータス

このコマンドは、以下の終了ステータスを返します。

0

正常終了

>0

エラーが発生した

 

■注意事項

-g オプションを省略した場合は、最新世代のバックアップデータがコピーされます。

バックアップ元の論理ユニットに対して、バックアップポリシーの「バックアップ先」が“DISK”に設定されている場合、 -lオプションまたは -p オプションを指定する必要があります。

このコマンドで以下のオプションを省略した場合、テープへのコピーには、バックアップポリシーの値が使用されます。なお、バックアップポリシーの「複写数」の値は、無条件に使用されます。

よって、テープに関するバックアップポリシーの設定を行う時に、指定した値を記録するようにしてください。また、バックアップポリシーの設定でテープに関する設定を行わない場合は、その時点のバックアップポリシーのデフォルト値も記録するようにしてください。

-lオプションによってコピー先に“テープ名”を指定する場合、-Pオプションに“AUTO”を指定するとコマンドはエラーになります。また、この時に-Pオプションを省略した場合は、バックアップポリシーの「書き込みポリシー」が“AUTO”に設定されていないことを確認してください。

-tオプションを省略した場合は、バックアップポリシーの「有効期間」に設定されている値が、「テープ保存期間」に設定されます。

このコマンドを強制終了させても、ダイレクトバックアップサーバが受け付け済みのバックアップデータのテープへのコピー要求をキャンセルすることはできません。

バックアップデータのテープへのコピー処理のキャンセルについては、「第10章 論理ユニットバックアップの運用操作」の「テープへのコピー処理のキャンセル」を参照してください。


このコマンドでは、論理ユニットバックアップ以外のバックアップ運用において採取された、バックアップデータをテープにコピーすることはできません。

 

■関連項目

lubackup、lugethist

 


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