ETERNUS SF AdvancedCopy Manager 運用手引書 13.0 -HP-UX-
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第10章 運用上の注意事項

本章では、AdvancedCopy Managerの運用における注意事項について説明します。

10.1 バックアップ運用/レプリケーション運用の注意事 

バックアップ運用/レプリケーション運用の注意事項について説明します。

10.1.1 全般的な注意事

バックアップ運用/レプリケーション運用における全般的な注意事項について説明します。

■Storageサーバのロケールについて

すべてのStorageサーバには、AdvancedCopy Managerが使用する内部コード系(Storage管理サーバへAdvancedCopy Managerをインストールする際に指定するコード系)のロケールがインストールされている必要があります。

Storage管理サーバとStorageサーバの間で、言語環境(LANG)が異なる場合に対処が必要となります。以下にその組み合わせと対処方法を示します。

Storage管理サーバ

Storageサーバ

対処方法

Windows (SJIS)

Windows (SJIS)

必要なし

Windows (SJIS)

Solaris (EUC)

StorageサーバにSJISパッケージをインストールする必要がある

Windows (SJIS)

HP-UX (EUC)

StorageサーバにSJISパッケージをインストールする必要がある

Windows (SJIS)

Linux (EUC)

必要なし

Windows (SJIS)

Linux (UTF8)

必要なし

Windows (SJIS)

AIX (SJIS)

必要なし

Windows (SJIS)

AIX (EUC)

StorageサーバにSJISの言語環境を追加する必要がある

Solaris ロケールの設定による(標準 EUC)

Windows (SJIS)

必要なし(Storage管理サーバがEUCの場合、Storageサーバが問題なく処理する)

Solaris ロケールの設定による(標準 EUC)

Solaris (EUC)

必要なし(同じコードの場合)

管理サーバがSJISの場合、StorageサーバにSJISパッケージをインストールする必要がある

Solaris ロケールの設定による(標準 EUC)

HP-UX (EUC)

必要なし(同じLANGの場合)

管理サーバがSJISの場合、StorageサーバにSJISパッケージをインストールする必要がある

Solaris ロケールの設定による(標準 EUC)

Linux (EUC)

必要なし

Solaris ロケールの設定による(標準 EUC)

Linux (UTF8)

必要なし

Solaris ロケールの設定による(標準 EUC)

AIX (SJIS)

必要なし(同じLANGの場合)

管理サーバがEUCの場合、StorageサーバにEUCの言語環境を追加する必要がある

Solaris ロケールの設定による(標準 EUC)

AIX (EUC)

必要なし(同じLANGの場合)

管理サーバがSJISの場合、StorageサーバにSJISの言語環境を追加する必要がある

Linux (EUC)

Windows (SJIS)

必要なし(Storage管理サーバがEUCの場合、Storageサーバが問題なく処理する)

Linux (EUC)

Solaris (EUC)

必要なし

Linux (EUC)

HP-UX (EUC)

必要なし

Linux (EUC)

Linux (EUC)

必要なし

Linux (EUC)

Linux (UTF8)

必要なし

Linux (EUC)

AIX (SJIS)

StorageサーバにEUCの言語環境を追加する必要がある

Linux (EUC)

AIX (EUC)

必要なし

Linux (UTF8)

Windows (SJIS)

必要なし

Linux (UTF8)

Solaris (EUC)

StorageサーバにUTF8の言語環境を追加する必要がある

Linux (UTF8)

HP-UX (EUC)

StorageサーバにUTF8の言語環境を追加する必要がある

Linux (UTF8)

Linux (EUC)

必要なし

Linux (UTF8)

Linux (UTF8)

必要なし

Linux (UTF8)

AIX (SJIS)

StorageサーバにUTF8の言語環境を追加する必要がある

Linux (UTF8)

AIX (EUC)

StorageサーバにUTF8の言語環境を追加する必要がある


■バックアップ、レプリケーション対象について

以下のデバイスは、バックアップ対象、レプリケーション対象としないでください。

■ボリューム上のデータとデータの整合性について

業務ボリューム上のデータ

データの整合性確保

運用方法

ファイルシステム

AdvancedCopy Managerのコマンドがファイルシステムをアンマウントして整合性を確保します。

本マニュアルの『バックアップ・リストアの前後処理』および『レプリケーションの前後処理』を参照してください。

上記以外

運用でデータの整合性を確保する必要があります。

バックアップ、レプリケーションの実行時に業務を停止するなどの対処を行ってください。

■デバイス情報の取り込みについて

バックアップ運用/レプリケーション運用を開始する前に、AdvancedCopy ManagerのWeb画面にて、全Storageサーバが管理するデバイス情報の取り込みを行います。この操作は、選択したStorageサーバに定義されているデバイスの総数に比例した時間がかかります。デバイス数が多い場合はCPU負荷やI/O負荷の低い状態で実施してください。

目安として、負荷のない状態で、1デバイス(ディスク)あたり約0.5秒かかりますので、参考としてください。

■マルチパス運用時の注意事項

デバイスをマルチパス構成にしている場合、片パスが閉塞されても自動的にパス交替しません。

片パスが閉塞された場合は、以下の対処実施後、バックアップ/レプリケーションを再実行してください。

  1. 以下のコマンドを実施し、パスを切り換える。正常なデバイスに対して以下のコマンドを実行してください。

    (異常となっているデバイスに対して実行するとシステムがハングするため、注意してください)

    /usr/sbin/pvchange -s /dev/dsk/c*t*d*

  2. バックアップ/レプリケーションのコマンドを再度実行する。

■ディスクへの他サーバからのマウントについて

複数のサーバからマウントできる状態のボリュームに対してバックアップ/リストア、レプリケーションを行う場合は、他サーバからのマウントを事前に解除してください。

また、他サーバからのマウントが必要ないディスクには、ETERNUS ディスクアレイやファイバーチャネルスイッチ等のハードウェアの設定により、複数のサーバから同じ論理ディスクを検出したり、アクセスしたりできないように設定してください。

■ファイルシステムを対象としたコピー処理を実行する場合の注意事項

ファイルシステムを対象とする場合、データへのアクセス抑止とデータの整合性を保証するためにボリュームのアンマウントを行います。

そのため、ボリュームが使用中の場合はアンマウントができないため、バックアップ/リストアおよびレプリケーション処理の実行はエラーとなります。

以下の点などに注意して、アンマウントができる状態で処理を実行するようにしてください。

アンマウントが必要な時間はコマンドの実行中のみです。コマンドの終了後は運用を再開することができます。

10.1.2 スナップショット型高速バックアップの注意事 

スナップショット型高速バックアップの注意事項について説明します。

■バックアップボリュームの必要数について

スナップショット型高速バックアップでは、指定世代本数のバックアップボリュームが必要となります。この為、以下の場合は、バックアップする事ができません。

■連続バックアップについて

同一の業務ボリュームを指定して、連続してスナップショット型高速バックアップを実施すると、平行してバックアップ処理が行われます。

また、保存世代数以上のスナップショット型高速バックアップを連続して実施すると、一番古いバックアップ処理から順にキャンセルされます。すなわち、指定世代本数以上のバックアップ処理は同時に実施できません。

10.1.3 同期型高速バックアップの注意事 

同期型高速バックアップの注意事項について説明します。

■バックアップの処理について

業務ボリュームとバックアップボリュームが等価状態になる前にバックアップ実行コマンドを実行する事は出来ません。

■バックアップポリシーの設定について

同期型高速バックアップ運用のバックアップポリシー設定時に、必要な数のバックアップボリュームが登録されていなくても、スナップショット型高速バックアップ運用に必要な数のバックアップボリュームが登録されていれば、バックアップポリシーは、設定出来ます。この場合、同期型バックアップは実行出来ない事があります。

■同期処理実行中のボリュームグループの操作について

バックアップボリュームがボリュームグループの場合、同期処理(EC/REC)実行中にvgchange(1M)コマンドでバックアップボリュームを非アクティブ(deactivate)にしないでください。同期処理実行中にバックアップボリュームが非アクティブにされると、再びアクティブ(activate)にすることができなくなるばかりでなく、同期処理の停止(バックアップ実行コマンド、同期処理キャンセルコマンド)等の操作が実行不可能な状態になります。もし誤って非アクティブにしてしまった場合は、GRmgr等を使用して同期処理を強制停止した後、バックアップボリュームをアクティブにしてください。

10.1.4 リストアの注意事

リストアの注意事項について説明します。

■リストアのタイミングについて

最新のバックアップボリューム採取時点からリストア操作を行うまでに、業務ボリュームの内容を書き換えたとしても、書き換えられたデータについては保証されません。

[図10.1 AdvancedCopy Managerのリストア注意事項]

10.1.5 同期型レプリケーションの注意事 

同期型レプリケーションの注意事項について説明します。

■同期処理実行中のボリュームグループの操作について

複写先ボリュームがボリュームグループの場合、同期処理(EC/REC)実行中にvgchange(1M)コマンドで複写先ボリュームを非アクティブ(deactivate)にしないでください。同期処理実行中に複写先ボリュームが非アクティブにされると、再びアクティブ(activate)にすることができなくなるばかりでなく、同期処理の一時停止(複製作成コマンド)および停止(複製解除コマンド)等の操作が実行不可能な状態になります。もし誤って非アクティブにしてしまった場合は、GRmgr等を使用して同期処理を強制停止した後、複写先ボリュームをアクティブにしてください。

10.1.6 クラスタ運用時の注意事 

クラスタ運用での一般的な注意事項として以下の項目があります。

10.1.7 クラスタ運用でのバックアップ運用の注意事 

■MC/ServiceGuard

クラスタシステムにおけるバックアップ運用については、通常運用と異なる以下の注意事項があります。

また、バックアップボリュームがボリュームグループの場合、同期処理(EC/REC)実行中にフェールオーバが発生すると、遷移先のノードでバックアップボリュームをアクティブ(activate)にすることができないため、パッケージの起動ができなくなります。

そのため、クラスタ環境でバックアップ運用を行う場合は、OPCを利用したスナップショット型高速バックアップによる運用を推奨します。

ECを利用した同期型高速バックアップによる運用を行っていて、パッケージの起動ができなくなった場合は、GRmgr、ETERNUSmgr等を使用して同期処理を強制停止した後、パッケージを起動してください。

■VERITAS Cluster Server

クラスタシステムにおけるバックアップ運用については、通常運用と異なる以下の注意事項があります。

10.1.7.1 パッケージ停止時のバックアップとリスト 

■MC/ServiceGuard

AdvancedCopy Managerが属するパッケージが稼動している場合、稼動ノードでのみバックアップ運用が可能です。待機ノードではバックアップ運用を行うための環境が整っていない(必要なリソースが使用できない)ため、バックアップ運用を行うことはできません。同様に、パッケージが停止している場合も、環境が整っていないためにバックアップ運用を行うことはできません。

ただしパッケージが停止している場合に限り、一時的に必要最低限の環境を整えることで、バックアップ運用を行うことができます。

以下の手順にて、パッケージ停止中のバックアップ運用を行います。

  1. 両ノードでパッケージが停止していることを確認します。
    パッケージを停止する方法については、MC/ServiceGuardのマニュアルを参照してください。

  2. バックアップしたいノードにtelnet等でログインします。
    論理IPアドレスは使用できません。物理IPアドレスを使用して運用するノードを直接ご利用ください。

  3. 共有ディスクを有効にします。
    共有ディスクを起動(オンライン)します。
    AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクをマウントします。
    業務ボリュームがファイルシステムの場合、マウントします。

  4. バックアップ運用を実施します。
    クラスタ運用の通常時と同様、バックアップ運用を行うことができます。

  5. 手順3で有効にした共有ディスクを全て解除します。
    マウントしたファイルシステムは、アンマウントします。
    共有ディスクを停止(オフライン)します。

  6. パッケージを起動(オンライン)します。
    必要に応じて、パッケージを起動します。
    パッケージの起動方法については、MC/ServiceGuardのマニュアルを参照してください。

■VERITAS Cluster Server

AdvancedCopy Managerが属するサービスグループが稼動している場合、稼動ノードでのみバックアップ運用が可能です。待機ノードではバックアップ運用を行うための環境が整っていない(必要なリソースが使用できない)ため、バックアップ運用を行うことはできません。同様に、サービスグループが停止している場合も、環境が整っていないためにバックアップ運用を行うことはできません。

ただしサービスグループが停止している場合に限り、一時的に必要最低限の環境を整えることで、バックアップ運用を行うことができます。

以下の手順にて、サービスグループ停止中のバックアップ運用を行います。

  1. 両ノードでサービスグループが停止していることを確認します。
    サービスグループを停止する方法については、VERITAS Cluster Serverのマニュアルを参照してください。

  2. バックアップしたいノードにtelnet等でログインします。
    論理IPアドレスは使用できません。物理IPアドレスを使用して運用するノードを直接ご利用ください。

  3. 共有ディスクを有効にします。
    共有ディスクを起動(オンライン)します。
    AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクをマウントします。
    業務ボリュームがファイルシステムの場合、マウントします。

  4. バックアップ運用を実施します。
    クラスタ運用の通常時と同様、バックアップ運用を行うことができます。
    リストア実行コマンドを使用してリストアすることもできます。

  5. 手順3で有効にした共有ディスクを全て解除します。
    マウントしたファイルシステムは、アンマウントします。
    共有ディスクを停止(オフライン)します。

  6. サービスグループを起動(オンライン)します。
    必要に応じて、サービスグループを起動します。
    サービスグループの起動方法については、VERITAS Cluster Serverのマニュアルを参照してください。

10.1.8 クラスタ運用でのレプリケーション運用の注意事 

■MC/ServiceGuard

クラスタシステムにおけるレプリケーション運用については、通常運用と異なる以下の注意事項があります。

また、複写先ボリュームがボリュームグループの場合、同期処理(EC/REC)実行中にフェールオーバが発生すると、遷移先のノードで複写先ボリュームをアクティブ(activate)にすることができないため、パッケージの起動ができなくなります。

そのため、クラスタ環境でレプリケーション運用を行う場合は、OPCを利用したスナップショット型レプリケーションによる運用を推奨します。

ECを利用した同期型レプリケーションによる運用を行っていて、パッケージの起動ができなくなった場合は、GRmgr、ETERNUSmgr等を使用して同期処理を強制停止した後、パッケージを起動してください。

■VERITAS Cluster Server

クラスタシステムにおけるレプリケーション運用については、通常運用と異なる以下の注意事項があります。

10.1.8.1 パッケージ停止時のレプリケーショ 

■MC/ServiceGuard

AdvancedCopy Managerが属するパッケージが稼動している場合、稼動ノードでのみレプリケーション運用が可能です。待機ノードではレプリケーション運用を行うための環境が整っていない(必要なリソースが使用できない)ため、レプリケーション運用を行うことはできません。同様に、パッケージが停止している場合も、環境が整っていないためにレプリケーション運用を行うことはできません。

ただしパッケージが停止している場合に限り、一時的に必要最低限の環境を整えることで、レプリケーション運用を行うことができます。

以下の手順にて、パッケージ停止中のレプリケーション運用を行います。

  1. 両ノードでパッケージが停止していることを確認します。
    パッケージを停止する方法については、MC/ServiceGuardのマニュアルを参照してください。

  2. レプリケーション運用したいノードにtelnet等でログインします。
    論理IPアドレスは使用できません。物理IPアドレスを使用して運用するノードを直接ご利用ください。

  3. 共有ディスクを有効にします。
    共有ディスクを起動(オンライン)します。
    AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクをマウントします。
    複製元/複製先ボリュームをファイルシステムとしてマウントして運用していた場合はマウントします。

  4. レプリケーション運用を実施します。
    クラスタ運用の通常時と同様、レプリケーション運用を行うことができます。

  5. 手順3で有効にした共有ディスクを全て解除します。
    マウントしたファイルシステムは、アンマウントします。
    共有ディスクを停止(オフライン)します。

  6. パッケージを起動(オンライン)します。
    必要に応じて、パッケージを起動します。
    パッケージの起動方法については、MC/ServiceGuardのマニュアルを参照してください。

■VERITAS Cluster Server

AdvancedCopy Managerが属するサービスグループが稼動している場合、稼動ノードでのみレプリケーション運用が可能です。待機ノードではレプリケーション運用を行うための環境が整っていない(必要なリソースが使用できない)ため、レプリケーション運用を行うことはできません。同様に、サービスグループが停止している場合も、環境が整っていないためにレプリケーション運用を行うことはできません。

ただしサービスグループが停止している場合に限り、一時的に必要最低限の環境を整えることで、レプリケーション運用を行うことができます。

以下の手順にて、サービスグループ停止中のレプリケーション運用を行います。

  1. 両ノードでサービスグループが停止していることを確認します。
    サービスグループを停止する方法については、VERITAS Cluster Serverのマニュアルを参照してください。

  2. レプリケーション運用したいノードにtelnet等でログインします。
    論理IPアドレスは使用できません。物理IPアドレスを使用して運用するノードを直接ご利用ください。

  3. 共有ディスクを有効にします。
    共有ディスクを起動(オンライン)します。
    AdvancedCopy Manager共有データ用共有ディスクをマウントします。
    複製元/複製先ボリュームをファイルシステムとしてマウントして運用していた場合はマウントします。

  4. レプリケーション運用を実施します。
    クラスタ運用の通常時と同様、レプリケーション運用を行うことができます。
    複製先ボリュームから複製元ボリュームにリストアすることもできます。

  5. 手順3で有効にした共有ディスクを全て解除します。
    マウントしたファイルシステムは、アンマウントします。
    共有ディスクを停止(オフライン)します。

  6. サービスグループを起動(オンライン)します。
    必要に応じて、サービスグループを起動します。
    サービスグループの起動方法については、VERITAS Cluster Serverのマニュアルを参照してください。

10.2 Web画面環境の注意事 

Web画面環境についての注意事項は、ETERNUS SF AdvancedCopy Manager使用手引書『クライアントの設定』を参照してください。


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