Symfoware Server アプリケーション開発ガイド(埋込みSQL編) - FUJITSU -
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第5章 アプリケーションの翻訳・結合編集> 5.1 UNIX系を使用した場合のアプリケーションの翻訳・結合編集

5.1.2 翻訳・結合編集のための環境設定

アプリケーションを翻訳・結合編集するためには、作業に先立って必要な環境を設定しておく必要があります。設定すべき環境には、以下のものがあります。

■環境変数の設

アプリケーションを翻訳・結合編集するために必要な環境変数を以下に示します。

[表: アプリケーションを翻訳・結合編集する場合に必要な環境変数]

環境変数名

意味

LANG(必須項目)

アプリケーションのロケールを指定します。このロケールからアプリケーションの言語や文字コード系が決まります(下表参照)。具体的には、以下に影響を与えます。

  • アプリケーションのソースコード

  • アプリケーションの入出力ファイル

  • クライアント用の動作環境ファイル

  • SQLメッセージ(SQLMSG)

SQLメッセージは、以下のロケールの強度にしたがってロケールが決まります。

(強い)LC_ALL > LC_MESSAGE > LANG(弱い)

Symfoware/RDBは、ロケールの言語がjaで始まる場合は日本語のメッセージを出力し、それ以外のロケール(Cロケールなど)の場合は英語でメッセージを出力します。

インストール時に設定されたロケールで翻訳・実行されます。

環境変数“LANG”の設定の例を以下に示します。

[Cシェルの場合]

setenv LANG ja

[bash、Bシェル、Kシェルの場合]

LANG=ja; export LANG

アプリケーションのロケールと文字コード系の関係を示します。

[表:アプリケーションのロケールと文字コード系の関係]

対象OS

ロケール

文字コード系

ja

日本語EUCコードのS90コード

ja_JP.U90

日本語EUCコードのU90コード

ja_JP.PCK

シフトJISコード

ja_JP.UTF-8

UNICODE

C

インストール時の文字コード系が設定されます。(注1)

ja_JP.eucJP

日本語EUCコードのS90コード

ja_JP.UTF-8

UNICODE

C

インストール時の文字コード系が設定されます。(注1)

インストール時に設定されたロケール、文字コード系になります。

アプリケーションのデフォルトの文字コード系は、アプリケーションが動作する環境により決まります。

アプリケーションが動作する環境

アプリケーションのデフォルトの文字コード系

Symfoware/RDBと同一サーバのアプリケーション

データベースの文字コード系

Connection Managerを利用するアプリケーション

Connectoin Managerインストール時の文字コード系

クライアント端末のアプリケーション

Symfoware Server クライアント機能インストール時の文字コード系

アプリケーションを翻訳するときに必要に応じて設定する環境変数を以下に示します。これらの環境変数を設定しておくことにより、翻訳時にsqlcc、sqlfccまたはsqlcobolでオプションを指定する必要がなくなります。

[表: アプリケーションを翻訳・結合編集する場合に必要に応じて設定する環境変数]

環境変数名

意味

RDBDB

アプリケーションで指定するデータベース名を指定します。

環境変数“RDBDB”の設定の例を以下に示します。

[Cシェルの場合]

setenv RDBDB DB1

[bash、Bシェル、Kシェルの場合]

RDBDB=DB1; export RDBDB

SQLPC

(Cプログラム時)

翻訳時の起動オプションを指定します。起動オプションには、以下のものがあります。

  • -I:インクルードファイルのディレクトリ

  • -d:データベース名

  • -R:SQL文の予約語をSQL88でコンパイルする場合に指定

  • -W:SQL文の予約語の種別を指定

    • -W95:プロシジャルーチン(条件宣言、ハンドラ宣言、SIGNAL文およびRESIGNAL文は除く)を利用する場合に指定

    • -W96:プロシジャルーチン(条件宣言、ハンドラ宣言、SIGNAL文およびRESIGNAL文は除く)、トリガ、行識別子または並列指定を利用する場合に指定

    • -W2000:プロシジャルーチン、トリガ、行識別子、並列指定、ロールまたはファンクションルーチンを利用する場合に指定

  • -C:固定長文字列型のホスト変数に対してアプリケーションの実行時に、NULL文字(\0)を意識した処理をする場合に指定

  • -v9:64ビットで実行するSQL埋込みCプログラムをコンパイルする場合に指定

  • -T:マルチスレッド環境で動作するSQL埋込みCプログラムをコンパイルする場合に指定

  • -K:選択リストに“*”を指定したカーソル宣言または単一行SELECT文や、挿入列リストを省略したINSERT文が、アプリケーションに記述されていないかチェックする場合に指定

環境変数“SQLPC”の設定の例を以下に示します。

[Cシェルの場合]

setenv SQLPC '-I /sqlapp/include '

[bash、Bシェル、Kシェルの場合]

SQLPC='-I /sqlapp/include '; export SQLPC

SQLPCOB

(COBOLプログラム時)

翻訳時の起動オプションを指定します。起動オプションには、以下のものがあります。

  • -I:インクルードファイルのディレクトリ

  • -d:データベース名

  • -R:SQL文の予約語をSQL88でコンパイルする場合に指定

  • -W:SQL文の予約語の種別を指定

    • -W95:プロシジャルーチン(条件宣言、ハンドラ宣言、SIGNAL文およびRESIGNAL文は除く)を利用する場合に指定

    • -W96:プロシジャルーチン(条件宣言、ハンドラ宣言、SIGNAL文およびRESIGNAL文は除く)、トリガ、行識別子または並列指定を利用する場合に指定

    • -W2000:プロシジャルーチン、トリガ、行識別子、並列指定、ロールまたはファンクションルーチンを利用する場合に指定

  • -Z:COBOLソース単位がクラス定義(オブジェクト指向プログラミング機能)の場合に指定

  • -A:SQL埋込みCOBOLプログラム中に単一の引用符を記述する場合に指定

  • -f:SQL埋込みCOBOLプログラムが固定形式の場合に指定

  • -n:SQL埋込みCOBOLプログラム中の英小文字を英大文字として扱わない場合に指定

  • -G:SQL埋込みCOBOLプログラム中に集団項目を使用する場合に指定

  • -E1:SQL埋込みCOBOLプログラム中に集団項目繰り返しを使用する場合に指定

  • -g:エラーメッセージにSQL埋込みプログラムの行番号を出力する場合に指定

  • -T:マルチスレッド環境で動作するSQL埋込みCOBOLプログラムをコンパイルする場合に指定

  • -K:選択リストに“*”を指定したカーソル宣言または単一行SELECT文や、挿入列リストを省略したINSERT文が、アプリケーションに記述されていないかチェックする場合に指定

  • -v9:64ビットで実行するSQL埋込みCOBOLプログラムをコンパイルする場合に指定

環境変数“SQLPCOB”の設定の例を以下に示します。

[Cシェルの場合]

setenv SQLPCOB '-I /sqlapp/include '

[bash、Bシェル、Kシェルの場合]

SQLPCOB='-I /sqlapp/include '; export SQLPCOB

INCDIR

インクルードファイルのディレクトリを指定します。

環境変数“INCDIR”は、アプリケーション中にINCLUDE文を記述した場合に、Cプログラムの場合は環境変数“SQLPC”と、COBOLプログラムの場合は環境変数“SQLPCOB”と併用して設定できます。環境変数の指定がない場合は、Cプログラム時は環境変数“SQLPC”および翻訳時のみ有効となり、COBOLプログラム時は環境変数“SQLPCOB”および翻訳時のみ有効となります。

環境変数“INCDIR”の設定の例を以下に示します。

[Cシェルの場合]

setenv INCDIR /sqlapp/include:/splapp2/include:/use/include

[bash、Bシェル、Kシェルの場合]

INCDIR=/sqlapp/include:/splapp2/include:/use/include;

export INCDIR

ただし、環境変数RDBDBを指定した場合、またはSQLPCおよびSQLPCOBの翻訳時の起動オプションに-dを指定した場合、そのアプリケーションからCONNECT文を実行することはできません。

アプリケーションをCOBOLで作成する場合は、COBOLプログラムの翻訳のための環境変数の定義も必要となります。

COBOLプログラムの翻訳のために必要な環境変数の定義については、“Sun日本語COBOL使用手引書”、“NetCOBOL使用手引書”または“COBOL97使用手引書”を参照してください。

■作業用のディレクトリ構

アプリケーションの翻訳・結合編集で参照あるいは作成するファイルを格納するための、作業用のディレクトリ構成を決めます。ディレクトリ構は、開発および保守のしやすさを考慮して作成してください。

本章でアプリケーションの翻訳・結合編集の例を示す場合、作業用のディレクトリは以下の構成で作成されているものとします。

[図:作業用のディレクトリ構成の例]


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